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蘇生の章2nd第七十四話 急襲の死霊王!!

 ヘルヘイム宮下町の住人の情報を頼りに、サレウスの兜を保有する暴虐皇帝ジョロキアの待つミリアゴーシュ神殿へと辿りついたクリスたちは神殿の中へと足を踏み入れる。クリスたちが神殿に入った瞬間、神殿を守護するジョロキアの部下であるハラペーニョとアマリージョが現れ、クリスたちの前に立ちふさがった。二人の神官がクリスたちに襲いかかろうとした瞬間、神殿の主であるジョロキアが現れた。ジョロキアは二人の神官を武器を収めるようにと諭した後、神殿の地下三階まで来ることができれば伝説の武具の一つである『サレウスの兜』を授けると言い残し、神殿の中央にあるジャンドラ像の下にある隠し階段から地下へと降りて行った…。

 

 ジョロキアたちを追って神殿の地下へと足を踏み入れたクリスたちの前に、異様な光景が広がっていた。どうやらこの神殿の地下は、ジャンドラが人間や魔物の死体を用いておぞましい反魂術の実験を行っていた研究施設であった。クリスたちは襲い来るジョロキアの部下たちを退け、ジョロキアの待つ地下三階へと向かうのであった……。

 

 ハラペーニョとアマリージョを退けたクリスたちは、階段を駆け下りジョロキアの待つ地下三階へとやってきた。クリスたちが地下三階に来た瞬間、玉座に腰かけるジョロキアがクリスたちのもとへと歩いていく。

「ほう…我が部下たちを倒し私の待つ地下三階まで来るとは…さすが私の予想通りの戦闘スキルを持っているようだな。よかろう…約束通り私が君たちに倒された部下たちの仇を討つとともに、直々に相手をしてやろうではないか。」

ジョロキアはクリスたちにそう告げた後、ジョロキアは全身に魔力を込めて戦闘態勢に入る。

「どれ…我が部下を倒した君たちの力に敬意を表して、わしも本気で相手をしてやろう。おっと、言い忘れていたがこの神殿の地下三階はジャンドラ様が身体強化を図るために作られた魔法陣の間だ。この魔法陣を用いて身体能力を強化するには人間の魂を使わなければならんが、ジャンドラ様はヘルヘイム大監獄の囚人の魂を回収し、ここで自らの身体能力と戦闘スキルを強化していたのだ。今ではジャンドラ様は先代王であるジャンベールを軽く上回る存在となり、ヘルヘイム最強の存在と謳われているのじゃよ…。さて…長話はさておき勝負と行こうかの!!

 

ジョロキアは全身に込めた魔力を解放し、巨大な杖を構えた巨大な魔獣へと姿を変える。その姿はクリスたちの身長の数十倍もあり、圧倒的な威圧感を見せていた。

「まさかあいつがこれほど巨大な姿に変身するとは思わなかったわ。みんな、戦う準備をっ!!

「私の部下を倒した貴様らの力…見せてもらおうぞっ!!言っておくが、わしは『暴虐皇帝』と呼ばれていてな、一度暴れはじめると制御がきかなくなるのだよ。うぐっ…もはや理性を保っているのが限界のようだな、そろそろ私が私でなくなりそうだ…グアアアアァッ!!!

ジョロキアは理性の限界に達し、天を衝くほどの巨大な咆哮をあげる。その口から発せられた轟音にも似た咆哮により、クリスたちは思わず耳をふさぎ出す。

 「まずい…奴が野生の本性を見せたわ。巨大な相手よ…ここは奴の足を攻撃し、転倒を狙うわよ!!

クリスたちが武器を手に身構えた瞬間、ジョロキアは巨大な腕を振り下ろしてクリスたちに襲いかかる。クリスたちはジョロキアの腕の一撃をかわし、一気にジョロキアの足へと移動する。

「相手が巨大な魔物ならばやることは一つ…つまり足を潰しダウンをとること!!奴の攻撃は気合いでかわし、怒涛の連続攻撃で攻めるしかないわっ!!

リリシアの言葉の後、クリスたちはジョロキアの巨大な足に連続攻撃を仕掛けていく。

「武器での攻撃では火力不足みたいね…ここは最大級の術をぶつけるしかないわね。ここは私とカレニアで術の詠唱に入るから、あなたたちはできるだけ奴を足止めしてちょうだい!!

武器での攻撃だけではきりがないと感じたリリシアは、最大級の術をぶつけてジョロキアの足を狙うべくカレニアとともに術の詠唱に入る。クリスたちはジョロキアを足止めするべく、足を攻撃しつつかく乱する態勢に入る。

「俺はボウガンで奴の頭部を狙うっ!!クリスたちはリリシアとカレニアに攻撃が当たらないよう、小さな術を当てながらかく乱するんだ!!

ディンゴがクリスたちにジョロキアをかく乱するようにと命令した後、クリスたちは術の詠唱に入るリリシアとカレニアに攻撃が当たらぬよう、ジョロキアをひきつける。

 「ウガアアアァッ!!!

ジョロキアは杖を振り回し、素早さでかく乱するクリスたちを襲う。しかしジョロキアの一撃はクリスたちに命中せず、クリスたちは素早い動きでかく乱しながら小さな術を放ちジョロキアの足を狙う。

「たとえ小さな術でも…撃ち続けていればダメージは蓄積されていくわ!!

クリスたちがジョロキアをかく乱している中、リリシアとカレニアは詠唱の最終段階へと入っていた。

「カレニア…ここは私と協力して究極術を放つわよ…心の準備はいい?

「いつでもいいわよっ!!リリシア、ジョロキアに最大級の一発をかましてやるわよっ!!

術の詠唱を終えたリリシアとカレニアは精神を集中させ、二人の魔力が合わさった最大級の術をジョロキアに放つ。

「合わさりしふたつの炎の魔力よ…全てを焼き尽くす竜となりて悪を焼き払わんっ!!赤炎究極合成術…火炎竜破ッ!!

二人が同時に術を放った瞬間、カレニアの炎の魔力とリリシアの赤き炎の魔力が混ざり合い巨大な炎の竜の形をした波動となる。炎の竜の波動は口から煉獄の火球を放ちジョロキアの体を焼き尽くす。

「グオオッ…グオオオォッ!!

火球がジョロキアの足に命中した瞬間、巨大な炎の渦がジョロキアを包み込む。巨大な炎の渦が消えた瞬間、ジョロキアは痛みのあまりその場に崩れ落ちる。

 「よし!!奴が転倒したぞ…あとは身動きを封じる麻痺弾を数発奴の体に打ち込めば、動きを封じることができそうだ!!しかしこれほど巨大な奴にボウガンの弾を放ってもあまり効き目がなさそうだが、やる価値はありそうだな。」

ディンゴは転倒したジョロキアの上に乗り、腹部の方へと向かい対象を麻痺させる効果を持つ麻痺弾を放つ。しかし強靭な肉体は傷一つつかず、ボウガンの弾丸ではダメージを与えることができなかった。

「ダメだ…奴の肉質が堅すぎてボウガンの弾が着弾するどころか逆に弾かれてしまう!!いや…肉質の堅い奴でも皮膚の下ならボウガンの弾丸が通るかもしれない!!武器をつかえる者よ…誰か手を貸してくれっ!!

ディンゴが仲間たちに手を貸してくれと告げると、槍を構えたゲルヒルデがディンゴのもとへと現れ、手を貸すという旨を伝える。

「ディンちゃん…私でよければ手を貸しますわっ!!ヴァルハラの鍛錬場の門下生からもらった本に載っていた『突貫槍』という槍術なら、少しは傷をつけることが可能よ。」

ゲルヒルデは両腕に力を込め、岩をも貫く槍の一突きを放つ。ゲルヒルデの放った槍術はジョロキアの強靭な肉体を貫き、ボウガンの弾でもダメージが通るようになった。

「ありがとうゲルヒルデ…これで奴の動きを封じることができそうだ!!

ディンゴはボウガンを構え、ゲルヒルデがつけた傷口にボウガンの発射口を突き刺し、急いで麻痺弾を装填する。

 「傷口から直接体の内側に打ち込めば…麻痺成分が浸透するはずだ。奴がまた動きだしたら厄介だから…できるだけ早めに事を済まさないとな。」

ディンゴは急いでボウガンの引き金を引き、麻痺弾をジョロキアの体内に撃ちこむ。ボウガンの発射口から放たれた麻痺弾がジョロキアの体に撃ちこまれた瞬間、麻痺弾の麻痺成分がジョロキアの動きを徐々に奪っていく。

「グオォ…グオオオオッ…!!

体が麻痺し動けなくなったジョロキアは、もはや唸り声をあげるしかできなくなってしまった。

「ナイスよディンゴ!!あとは私たちの合成術で奴に最大級の一撃を放つわ。しかし私の言う合成術は5人以上の人数で発動できる究極の術だから、急いで詠唱に入るわよ!!

「麻痺弾の効果はせいぜい1〜2分だ。リリシア、俺も力を貸すぜ!!

ディンゴがリリシアのもとに集まった時には、クリスたちはすでに合成術の詠唱に入っていた。ディンゴはリリシアに何を詠唱すべきかを教わりながら、合成術の詠唱に入る。

「クリスは水…カレニアは炎…ゲルヒルデは光…私は闇の術を詠唱するから、あなたは吹き荒ぶ風の術を詠唱してちょうだい。私たちが持つ五つの属性が合わさりあったその時…ま、それは術が発動してからのお楽しみよ。」

ディンゴにそう告げた後、リリシアは闇の術の詠唱に入る。クリスたち全員が詠唱を始めた瞬間、ミリアゴーシュ大聖堂の上空に巨大な黒雲が現れはじめる。

「な…何だあれは!?

「異変が起きているのはミリアゴーシュ神殿の方だ…まさかフェアルヘイムの奴らか!?

宮下町の住人たちがその異様な光景に驚く中、神殿の地下から五つの属性の光が黒雲の方へと飛んでいく。五つの光が黒雲に吸い込まれたその時、巨大な雷がミリアゴーシュ神殿に落とされる。

「集まりし五つの魔力よ…全てを貫く巨大な雷の槍となりて悪を撃ち滅ぼさんっ!!雷帝の裁き(パニッシュメント・オブ・ライトニング)っ!!

クリスたちが詠唱を終えた瞬間、天空より放たれた巨大な雷が体が麻痺して動くことができないジョロキアを襲う。巨大な雷に貫かれたジョロキアは全身を焼かれ、黒こげになって息絶える。

 「はぁはぁ…これでジョロキアは確実に死んだわ。さて…戦いが終わったし、サレウスの兜の回収に取り掛かりましょう。」

ジョロキアとの戦いを終えたクリスは祭壇に置かれたサレウスの兜に手をかけ、それを身につけ始める。サレウスの兜はクリスを適応者と認め、拒絶する様子を見せなかった。

「拒絶反応がないみたいね…つまりサレウスの兜がクリスを適応者と認めたということね。さて、早くこんな不気味な場所から出て、一旦ヴァルハラへと戻りましょう。」

ジョロキアを倒しサレウスの兜を手に入れたクリスたちは、元来た道を戻りミリアゴーシュ神殿から外に出ようとした瞬間、大剣を携えた白い髪の男がクリスたちの前に立ちふさがった。

 「ほう…貴様の身につけているものはかつて私の部下であった者が保有していた伝説の武具!!それを持っている以上…貴様らが我が部下であるイングリッドやパプリカ…そして大司教ハバネロ…ましてや暴虐皇帝ジョロキアを打ち倒したということだな。ならば話は早い…貴様らにはここで死んでもらわなければならんな…。」

白髪の男が大剣を振り上げた瞬間、ジョロキアの魂が白髪の男が持つ剣に吸い込まれていく。

「ヘルヘイム大監獄で出会って以来ね…確かあなたはヴァネッサと戦っていたヘルヘイムの将・死霊王ジャンドラのようね。クリスは伝説の武具をすべて持っているんだから…あなたの敵ではないわっ!!

「ほう…誰かと思えばヴァルトラウテと一緒にいた紫の髪の小娘か。我が名を覚えていてくれて光栄だ、いかにも私がヘルヘイムの将である死霊王ジャンドラだ。さぁ覚悟はいいか…私の部下を倒してくれた貴様らを排除し、その魂を我が死霊の大剣の養分にしてくれようっ!!

ジャンドラは死霊の剣を構え、クリスたちが身構えるよりも早く攻撃を仕掛ける。クリスたちは咄嗟に回避の行動をとり、ジャンドラの大剣の一撃をかわし反撃の態勢にはいる。

「くっ…奴め私たちよりも早く動けるなんてっ!!みんな…相手はヘルヘイムの将よ、少しの油断も許されない戦いになりそうだから、ここはいつもより気を引き締めていくしかないわっ!!

「フハハハハハっ!!どうだ…これが私の死霊の力だ。貴様が伝説の武具を装備することのできる適応者だとしても、この私の息の根を止めることは不可能だ。貴様らは私の手によって伝説の武具とともに葬られるのだからなっ!!

ジャンドラは死霊の大剣をクリスたちに突きつけ、不気味な笑みを浮かべながら威圧する。圧倒的なパワーを持つヘルヘイムの将に、クリスたちに勝つ術はあるのか…!?

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