新章激闘編第四十九話 強襲!リリーナイツ

 

 石のブロキスを打ち破ったレイオスたちは、次の地下迷宮に向かっていた。
「また迷宮の入り口か・・。この地下迷宮、どこまであるんだよ・・・。」
レイオスが愚痴をこぼしながら、全員は足を進める。
「とりあえず先に進むしかないね。確かにこの地下迷宮は魔導城に続いているって事は事実だからね。」
「もう後戻りはもうできないわ。先を進むしかないんだから、そんな事言っている暇はないわね。」
仲間たちがそう言いながら、全員は第二の地下迷宮に足を踏み入れるのであった・・。

 一方リリーナイツを引きつれ行動しているリリシアは、レイオスたちが向かおうとしている第二の地下迷宮の途中で待ち伏せしていた。
 「ここで待ち伏せしていれば必ずレイオスたちがやってくるわ!奴らがここに着たらあなたたちの出番よ。遠慮なくやっちゃってちょうだい。」
リリシアがそう言うと、リリーナイツの一員である魔導獣兵が疑り深い表情で答える
「しかし・・。このままだとリリシア様が倒したがっているあの娘まで倒してしまうのだが・・。」
魔導獣兵が疑問を訴える中、リリーナイツの一員である魔導鳥兵が口を開いた。
「ちょっと待て!!俺たちは女でも子供だろうが容赦ないのがリリーナイツだろうが!この際全員倒せりゃそれでいいんだ!!
リリーナイツが言い争う中、リリシアが口を開いた。
「静かになさいっ!!あなたたちは黙ってレイオスたちを倒せばいいのよ!!
今まで部下に優しく接していたリリシアが怒りの表情でリリーナイツの全員を睨み付けた
「こ・・・怖い・・。いつものリリシア様じゃない・・。」
「フン・・。どちらかというとお前ら魔導獣兵が悪いじゃないか・・。」
リリーナイツの全員は、恐怖におびえながらリリシアの方を向いた。

 事態が収まり、リリシアはリリーナイツの全員に言った
「今からあなたたちに指令を与える。レイオスとその仲間たちが来たら一気に襲い掛かるのよ。いいわね!!
リリシアの言葉に、リリーナイツの全員が大きな声で答えた
「おおーーーーーっ!!
「フン・・・。人間など俺の槍で倒してやるぜ。」
リリーナイツとリリシアは、レイオスたちの来そうなところで待ち伏せを開始した。

 そのころレイオスたちは第二の地下迷宮・砂の回廊の奥へと進んでいた。
「今度は砂ばかりの迷宮か・・。厄介なことになったな。」
先を進むレイオスたちは、砂に足をとられながらも迷宮の奥へと進んでいった。
 しばらくして、地下迷宮の大きな部屋に来た。
「ここはなんだ・・。大きな部屋にやってきたのだけど・・。」
ブレアがそう言った瞬間、突然扉が閉まった!
「閉じ込められたわ!どうやら敵の罠みたいね!!さっさとその敵倒して出口に向かいましょう。」
リュミーネが全員にそう言った瞬間、何者かの声が聞こえてきた。
「出口に向かうって・・?そうはさせないわよっ!!
リュミーネが声が聞こえたほうに振り向くと、そこには仮面の魔導士の参謀の一人、リリシアがそこにいた!
「なぜあなたがここにっ!あなたは私が倒したはずなのにっ!?
リュミーネがリリシアを睨み、叫ぶ。
「キャハハハハッ!!私はあの時あなたに倒されたわ。だが、仮面の魔導士の力によって回復したわ。今日はあなたたちを倒すため、私が率いる精鋭の部下、リリーナイツと戦っていただきますわ。出てきなさい!リリーナイツよっ!!
リリシアが大きな声で叫ぶと、物陰から魔導獣兵と魔導鳥兵が現れた!!
「・・・人間か。まぁいい暇つぶしになりそうだ。」
「うおおおおっ!!戦いの始まりだ!
リリーナイツの全員が声を上げ、レイオスたちを取り囲む。
「リュミーネ、今日はあなたとは戦わないわ。あなたと戦うのは、生きて魔導城に来れたら戦ってあげますわ・・。キャハハハハハッ!!
リリシアはリュミーネを睨みつけ、そそくさとその場を去っていった。

 リリーナイツに囲まれたレイオスたちは、即座に戦闘態勢に入る!!
「・・・リリーナイツの力、思い知るがいい!!
「グルオオオオオッ!!
リリーナイツの全員が殺気立った目で、レイオスたちに襲い掛かってきた!!
 「リリシアの奴!こんなものまで用意していたのか!さっそくこいつらを蹴散らしていくぞみんな!!
レイオスがそう言うと、全員が一気にリリーナイツに攻撃を開始した!
「悪いが、俺の剣技をなめないでいただこう!!
レイオスは気合とともに全力で魔導獣兵に斬りかかった!!
「ぐはっ!!
レイオスの剣技で、魔導獣兵が倒れた。
その隙をついて、背後から魔導鳥兵がレイオスに襲い掛かってきた!!
「今だっ!!
魔導鳥兵が槍を片手に、レイオスにめがけて急降下をはじめた!
「死ねぃ!!レイオス!!
レイオスが咄嗟に振り向くと、そこには急降下してくる魔導鳥兵の姿がそこにあった!
魔導鳥兵の槍がレイオスを貫こうとした瞬間、咄嗟にブレアが術を唱え、魔導鳥兵を攻撃した!
「喰らえ、波導の術・炎波(ファイア・ウェイブ)!!
炎に焼かれた魔導鳥兵は、その場に倒れた。

 リュミーネは槍を手にリリーナイツの二人を相手に戦っていた。
「私の槍術を喰らいなさい!私たちはあなたたち汚らわしい魔物相手に構ってあげられる暇なんてないのよ!
リュミーネの言葉に、ひどく不快感を感じたのか、リリーナイツの二人が怒りの表情を浮かべた
「け・・汚らわしいだとおっ!!この俺に向かって!!
「魔導獣兵・・・。頭に血が上りすぎだ。すこしは頭を冷やせ・・。」
魔導鳥兵が魔導獣兵を宥めるも、魔導獣兵の怒りは収まらなかった!
「あの小娘めっ!!必ず俺が血祭りにしてやる!!ケケケッ、思いっきり可愛がってあげるぜっ!
「・・頭を冷やせと言っとろうが・・。」
リリーナイツの二人が、リュミーネに襲い掛かってきた。

 魔導獣兵は血走った目で、リュミーネを睨みつけ、こう叫んだ!
「血祭りにしてやるぜっ!!
魔導獣兵は爪を立て、リュミーネを威嚇した
しかし、リュミーネは平気であった。
「そんな威嚇、子供だましに見えるわ・・。その爪で私を殺すつもり・・。血祭りにあげるのなら、好きなようにするがいいわっ!!
リュミーネはそれを振り払うかのような言葉で、魔導獣兵を挑発する
「いい気になるなよこの小娘があっ!!
魔導獣兵は爪を立て、リュミーネを切り裂こうとするが、すべてリュミーネにかわされてしまった!!
「遅いわね・・。もっと早く動けないかしら・・。」
リュミーネはさらに魔導獣兵を挑発した
「なぜあたらない!!この俺のスピードでもよけられてしまう!!
魔導獣兵がそう言うと、二人の戦いを見ていた魔導鳥兵が呟いた
「だめだなこりゃ・・。あの女の挑発に乗せられ、冷静さを欠いた状態ですばやい標的は狙えない・・。まったく・・、単細胞な奴はこれだから困るな・・。」
魔導鳥兵がそう言うと、再び二人の戦いを見ていた。
 「ずいぶんとあせっているようね・・。私はこのくらいで息切れすら起こさないわよ・・。」
リュミーネがそう言って魔導獣兵を見下す。
「はぁはぁ・・・。俺様の怒りは頂点だ!!お前なんかこの爪で切り裂いて・・・ぐおっ!!
魔導獣兵は爪を立て、リュミーネを攻撃しようとした瞬間、頭に血が上りすぎて脳内出血を起こし、その場に倒れて動かなくなった。
「あのバカ・・怒りすぎで脳内出血をおこしやがった・・。ならば俺が小娘の相手をしてやるか。」
魔導鳥兵がそう言うと、リュミーネのすぐそばまで下りてきた。

 魔導獣兵を倒したリュミーネは、魔導鳥兵と対峙した。 
「あなたが最後ね。あの汚らわしい獣と違ってあなたは冷静なようね・・。では早速倒させてもらうわ!!
リュミーネは槍を構え、魔導鳥兵を迎え撃つ態勢に入る!
「よかろう・・。我が槍術、たっぷりと味わわせてやるぞ!
魔導鳥兵が槍を片手に、リュミーネに襲い掛かってきた。
 「喰らえっ、ウインド・ランサー!
魔導鳥兵は槍を片手に、リュミーネにめがけて高速移動を始めた!
「私も負けられないわ!!喰らいなさい、ルミナス・シューター!
リュミーネが強く念じると、槍の先から光の光線が放たれ、魔導鳥兵の体を貫いた!
「つ・・強すぎるこの小娘・・。リリシアが戦いたがるわけだな・・。」
魔導鳥兵が最後の言葉を言い残すと、仮面鳥兵は跡形もなく消えていった・・。

 リリーナイツの全員が倒された瞬間、閉ざされていた扉が開いた。
「おっ、扉が開いたようだな。先に進むぞ!
レイオスが全員にそう言うと、リュミーネが答えた
「このさきもきっとリリシアとリリーナイツがまた襲ってくるわ・・。なんだか私を睨みつけていたわ。」
リュミーネが不安げにそう言う。
「心配するなリュミーネ。リリーナイツが襲ってきても俺たちでまた倒せばいいじゃないか。そんな心配はいいから、先をすすもうみんな!!
レイオスがそう言うと、全員は砂の回廊の奥へと向かっていくのであった。

 そのころリリシアは、第3の地下迷宮の入り口にいた。
「なんでやられてしまうのよ!!今度はもっと強い魔物を用意して待ってやるから覚悟しなさい!!
リリシアはそう言うと、第3の地下迷宮の奥へと急いでいった・・。

魔導城を目指すレイオスたちの前に、リリシア率いるリリーナイツが襲い掛かってきた。
リリーナイツがレイオスたちの新たなる脅威となる!!

 

 

 

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