新章激闘編第四十七話 石畳の道@


 戒めの谷底の最下層にやってきたレイオスは、仮面の魔導士を追うべく地下迷宮の奥へと向かうのであった。
「この迷宮を抜ければ、仮面の魔導士がいる魔導城に行けるか・・・。だが、このあたりから魔物の気配を感じる。現れた魔物はすべて蹴散らしていくぞ、みんな!!
レイオスがそう言うと、全員は地下迷宮に入り込んだ。

 レイオスが地下迷宮へ向かったその時、魔導城にいる仮面の魔導士が水晶玉からレイオスたちを見ていた。
「クックック・・・。5つある地下迷宮のひとつ、石畳の道に向かったか・・。まぁよい、あの迷宮には我が五人衆の中の一人、石のブロキスがレイオスたちを倒すために向かった。残りの4体はまだ地下迷宮に向かっている途中だ。ここは私が出るべきではない。まだリリシアの傷が回復していないのでな・・。」
仮面の魔導士が呟くと、栄養液の中に浸かっているリリシアが目を開けた。
「おっ・・。目を覚ましたようだなリリシア。あの小娘から受けたダメージはもう回復したかな?
目を覚ましたばかりのリリシアが答える
「ええ・・。今は手足が動かせるほどまで回復したわ・・。私にこれほどまでの痛手を負わせたあの小娘の名は、リュミーネとか言ったわね・・・。」
その言葉に納得したのか、仮面の魔導士が呟く
「なるほどな・・。お前はそのリュミーネとか言う小娘を倒したいようだな。じゃあ私のエナジー強化を受けるかね?そうすればお前はさらに強い魔力を得て、あの小娘をぎゃふんと言わせられるぞ。」
仮面の魔導士の言葉に、リリシアは首を縦に振った
「魔力強化を受ければ、私はリュミーネを倒せるほどに強くなれるのかしら・・。もしそうならば、受けてあげようかしら・・。」
リリシアの言葉に、仮面の魔導士が答えた
「そうか・・。エナジー強化を受けるというのか。ならば後数分間待ってくれ。お前の体力が回復した次第、エナジー強化を開始する。そのときはベルも連れてきたまえ・・。」
仮面の魔導士がそう言うと、そそくさとその場を去っていった。

 「今は動けないけど・・。エナジー強化を受けたら必ずあなたを叩きのめしてあげるわ・・。覚悟しなさい、リュミーネ!!
リリシアがそう言うと、彼女は再び眠りについた・・。
どうやらリュミーネに貫かれた胸の傷がまだ完治していないのか、まだ出血が治まらないようだ・・。

 レイオスたちは石畳の道をただひたすら奥へと突き進んでいた。
「くそっ・・岩がごろごろ転がっていて進めやしない・・。進みにくいなこりゃ。」
レイオスたちは岩の道に苦戦していたが、全員は慎重に進んでいった・・。
 しばらく進んでいると、行く先に魔物が道をふさいでいた。
「俺はロイヤルソルジャーだ!ここから先は通さないぜ!!
どうやら仮面の魔導士は地下迷宮に5人衆の他にも魔物を送り込んでいた。
ロイヤルソルジャーは有無を言わさず襲い掛かってきたのであった!!

 ロイヤルソルジャーの強襲を受けたレイオスたちは、咄嗟に戦闘態勢に入る!
「あの野郎!!いきなり襲い掛かってきやがった!こっちも迎え撃つぞ!
レイオスの合図で、仲間たちは一斉にロイヤルソルジャーに向かっていった!
 「倒す、倒す!!仮面の魔導士の命で、お前ら、倒す!
ロイヤルソルジャーがそう言うと、剣を鞘から引き抜き、戦闘態勢に入った

 「喰らえ、聖迅剣!!
レイオスが双剣を振り下ろし、ロイヤルソルジャーを攻撃した!
しかし、ロイヤルソルジャーに少ししかダメージを与えられなかった。
「ちくしょう・・。これだけの攻撃でも少ししかダメージを与えられなんてなんて奴だ・・。」
レイオスが苦悶の表情を浮かべている間に、ブレアがロイヤルソルジャーに攻撃を仕掛けた!
「受けてみろ!!フレイム・タワー!!
ブレアの手のひらから、炎の柱がロイヤルソルジャーを焼き尽くす。
「無駄だ無駄だっ!!俺の鎧は何者にも敗れん!!お前たちが何をしようがこの鎧は壊れん!!
ロイヤルソルジャーがそう言うと、レイオスが背後からロイヤルソルジャーを攻撃した!!
「喰らえ!!光迅龍波!!
レイオスが剣を振り下ろすと、龍の形をした波動がロイヤルソルジャーを背後から襲った!
すると、ロイヤルソルジャーの鎧が砕けた!
「ぐぎゃあっ!!我が鎧がやぶれるとはっ!?
ロイヤルソルジャーは鎧が砕けたことにより、防御力が大幅にダウンした!
これは攻撃のチャンスといわんばかりに、レイオスが一気に背後から迫る!
「とうっ!!
レイオスはロイヤルソルジャーを背後から殴りつけた
「ぐわっ!!
殴りつけたショックで、ロイヤルソルジャーは気を失って倒れたようだ。
その隙を見て、レイオスたちはさらに奥へと進んでいった・・。

 一方石畳の道の出口付近では、魔導5人衆の一人、石のブロキスが一人佇んでいた。
「まだか・・。まだかレイオスはっ!!もう待ちくたびれたぞ・・。」
ブロキスがそう言うと、テレパシーで仮面の魔導士と連絡を取り始めた。
 「仮面の魔導士様!まだレイオスはここには来てないようです!!私はもう我慢できませぬ!!
ブロキスは呆れ顔でそう言う
「ええいっ!!ブロキスよ、お前は根性が足りないな・・。レイオスたちが来るまでここを離れるんじゃないぞ!!もし離れたりしたらお前の命はないぞっ!!
仮面の魔導士がそう言った瞬間、テレパシーが途絶えた・・・。
 「そりゃないよ・・。仮面の魔導士の命令には逆らえんからな・・。まぁ気長にレイオスが来るまで待っていよう・・。」
ブロキスは半ば気に食わない表情でそう呟くのであった・・。

 一方そのころ、リュミーネから受けた傷が完治し、カプセルから出たリリシアは、ベルを探していた。
「ベル!!ベルはどこ!
リリシアは声を張り上げながらベルを探していた。
すると物陰から声が聞こえてきた。
 「むお〜ん!!腹減ったよぉ・・。」
どうやらベルはおなかがすいたのか、何か食べるものを探して物置を這いずり回っていた。
「ここには食べられそうなものはなかったよぉ・・。リリシア〜。何か食べるもの持ってないか・・。」
ベルの要求に、リリシアはしぶしぶドレスの隠しポケットから何かを取り出した。
どうやら緊急用の魔族の食料であった。
 「しかたないわね・・。これが私の最後の食料だから。少しずつ分けて食べなさい・・。」
リリシアから緊急用の食料をもらったベルは、とても嬉しそうな表情だった
「ありがと〜!!俺、少しずつ分けて大切に食べるよ・・。」
「食べる前にちょっと待って!!仮面の魔導士が魔力強化のためにあなたを連れてきてほしいと言っていたわ。さぁ、私とともに実験室へと向かいましょう・・。」
リリシアがそう言うと、二人は実験室へと向かっていった・・。

仮面の魔導士を追うため、石畳の道を進むレイオスたち!
その奥に待ち受ける敵とは!!

 

 

 

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