新章激闘編第四十六話 レミアポリスを死守せよ!!
リーダーのファルスが欠けたレイオスたち3人は、怨恨の谷へと向かっていた。
「リーダーがいなくなると、なんだか寂しいものだな。ファルスから力をもらったんだ。ここからは俺ががんばらなければいけないんだ!!」
レイオスはリーダーの離脱に強い責任感を感じていた・・。
仲間たちも同じである。ファルスの離脱によるこれからの旅の計画、そして戦力が一人欠けたおかげで、魔物との戦いでは苦戦を強いられることが唯一の不安であった。
「はぁ・・。リーダーがいなくなったら、私たち一体どうすればいいの・・。」
リュミーネが不安げにそう言うと、ブレアが答えた
「がんばろうよ・・。僕たちはいつもリーダーとともにがんばってきたけど、リーダーがいなくても僕たちだけでできるという気持ちを持てば、意外できるものだよ。」
ブレアがそう言うと、リュミーネが答えた
「そうね。こんなところで悲しんでいる場合じゃないわね。私たちはリーダーなしでもできるというところを見せなきゃ、レミアポリスにいるリーダーに笑われちゃうわね・・。」
リュミーネの言葉の後、突然レイオスが口を開いた
「そうだな。お前の言うとおり、リーダーがいなくてもできる所を見せなければいけないな。俺たちは仮面の魔導士を倒すために今ここにいるんだからな!!今は俺たちでがんばろう、みんな!!」
レイオスの決意の言葉の後、全員は怨恨の谷へと足を運んだ。
一方レミアポリスにいるファルスは、セディエルからもらったブレスレットを身につけ、すぐさまレミアポリスの城の外にやってきた
しかし結界の外は仮面の魔導士が創生した魔物が犇めき合っていて、人が結界の外に入れば一分で死に至るほどの軍勢であった。
「やばいな。この結界の外は魔物ばかりだ。無防備で行くのは危険だな・・。」
ファルスは結界の外にいる魔物を見て言った
しかしその間にも魔物が結界を破ろうと、魔物の軍勢が必死に攻撃を仕掛ける。
この強固な結界でも、数に押されれば数時間も持たないだろう。
「このままでは結界が破られてしまう!!外に出て魔物を蹴散らさないと本当にやばいぞ!!」
ファルスは再びレミアポリスの城の中に入り、皇帝の間の玉座の裏の秘密の抜け穴に入った!
どうやらこの秘密の抜け穴は、非常事態のときの脱出用の抜け穴で、皇帝の命を守るための非常口であった。
「魔物どもめ!!この城はお前らの好きにはさせん!!」
ファルスは秘密の抜け穴の出口に向かって走っていった。
結界の外に出たファルスを待ち受けていたのは、大勢の魔物の軍勢であった。
「ウッヘッヘ・・・。一人で俺たちに挑むのはいい度胸じゃないか・・。俺たちでじっくり可愛がってやるぜ・・。」
「グヘヘヘヘ、久しぶりに人間の肉が食えるぜ!!奴をなんとしても血祭りにあげてやる!!」
魔物たちは侮辱交じりの言葉で、ファルスを威嚇していた。
「好きにするがいい・・。お前たち魔物共にこの俺が負けるわけはない!!この城は、なんとしても死守する!!」
ファルスは危険を顧みず魔物の軍勢に向かっていった。
ファルスは自慢の槍術で魔物たちの軍勢をズタズタに引き裂いていく
「グガァッ!!」
「グルオオオッ!!」
大勢の魔物の軍勢に勇んで飛び込んだファルスは、魔物たちを見事な槍術で倒していく
飛び散る返り血、次々と倒れていく魔物
地面が真っ赤に染まるほどの血は、まさに地獄のようであった。
「次はどいつだ!!」
ファルスが魔物たちに向かって叫ぶ
それに答えるかのように、魔物の一人が叫び返した!
「よ・・よくも俺たちの仲間をっ!!こいつだけは許さない!!」
「さっさと殺して骨だけにしてやるぜ・・。」
あれほどの軍勢を倒したのもつかの間、またさらに魔物たちが現れた。
「くそっ・・。まだ魔物が来たか。これじゃあきりがないぜ!だが、この勝負に勝たねば、この世界に未来はない!!」
ファルスは再び魔物たちの軍勢に向かっていったが、突然背後から魔物がファルスを殴りつけた!
「がはぁっ!!」
魔物に殴られ、地面に倒れるファルスを尻目に、大勢の魔物がファルスに群がってきた。
倒れているファルスに、魔物の一人がファルスの首に鋭い爪を突きつけた。
「お前もここまでのようだな。じゃあ遠慮なくここで死んでもらう!」
「ケヘヘヘッ!!死ね死ねっ!!」
「威勢がいいのは口だけのようだなっ!地上界の戦士は口先だけで、本当にだらしないんだよなぁ・・。」
魔物たちの侮辱の声が響き渡る中、ファルスは重い口を開いた。
「誰がお前たちなんかに屈するものか!この世界を渡すものか!」
ファルスの言葉に機嫌を損ねたのか、魔物の一人が激昂した。
「このやろう!言わせておけば!!」
「ふんっ!!」
魔物の一人がファルスに切りかかろうとした瞬間、突然魔物の軍勢を打ち破りファルスを助けたのは、リュミーネの兄にしてウォルティア最強の戦士・ディオンであった!
「遅れてすまなかった・・。少しばかり準備に時間がかかりすぎたのでな・・。お前、殴られたようだが、大丈夫なのか・・。」
ディオンの言葉に、ファルスは口を開いた。
「大丈夫だ。このくらいのダメージなんて知れたことだ。さぁ、ともに戦おうではないか!!」
ファルスがそう言うと、ディオンが答えた
「良かろう!俺たちとともにこのレミアポリスを守るために、一緒に戦おう!!」
「私も援護に来たわよ。これで3人ね。」
ディオンがそう言った瞬間、一人の女が突然そう言った。
ファルスとディオンはその声のほうに振り返ると、そこには美しい女剣士がそこにいた。
「紹介が遅れました・・。私の名はエルフィリスと申します。ウォルティアの王女にして隠れた剣聖と謳われている言わば姫将軍ですわ・・。さぁ、心配は要りません。あの汚らわしい魔物たちを一掃してやろうではありませんか!!」
姫将軍エルフィリスが入り、レミアポリスを守護する戦士が3人に増えた。
左にはディオン・中央にはファルス・右にはエルフィリスという最強の布陣で魔物を迎えうつ!
「グヘヘヘヘッ!!今度はムチムチした姉さんのお出ましか・・。こんな体してたらますます俺たちのものにしたくなるぜ!!」
「ヘッヘッヘ!!たっぷりと遊んであげるぜぃ!!」
魔物たちの卑語交じりの言葉で、二体の魔物がエルフィリスに襲い掛かってきた!!
「私の前でそんないやらしいことを話さないでくれる・・。汚らわしい魔物共めっ!!」
エルフィリスが大きな剣を振り上げ、魔物たちにそう言った
「くそっ!!甘くしてたら付け上がりやがって!!」
「グヘヘヘヘッ!!そのムチムチとした体、徹底的にいたぶってやるぜ!!」
魔物たちの卑語が響き渡る中、エルフィリスは振り上げた剣を一気に振り下ろした!!
「受けてみなさい!!ホーリー・スラッシャー!!」
エルフィリスの振り下ろした剣から、すさまじい光の衝撃波が魔物を襲った!
放たれた衝撃波は、二体の魔物を真っ二つに切り裂いた。
「つ・・強すぎる・・。これがウォルティアの王女の力・・。」
「あの女の太刀筋、まさに姫将軍と呼ばれるだけはあるな・・。」
ファルスとディオンはただエルフィリスの強さに圧倒されていた。
彼らは再び、レミアポリスの護衛のために戦うのであった。
一方レイオスたちは、怨恨の谷へとやってきた。
「やっとここまで来たか・・。この先にある戒めの谷底に行けと言われたが、ここから飛び降りれば確実に俺たち死んでしまうだろうな・・。」
レイオスは谷底に渡る方法に苦戦していた。
この谷底に降りなければ、仮面の魔導士がいる魔導城にはたどり着けないのである。
「困ったわね・・。ここを降りる方法はただひとつ、私とブレアの浮遊術で下に降りれるわ。ブレア、早速頼んだわよ。」
リュミーネの言葉に、ブレアが答えた
「確かにいい考えだね。無茶かも知れないけどやってみるよ!!」
リュミーネとブレアは早速、浮遊術を唱え、レイオスたちは谷底へと向かっていった・・。
しばらくして、地面が見えてきた。
これが谷底の最終地点であり、魔導城へと通じる地下迷宮への入り口である。
「さぁみんな、ここからが勝負の始まりだ!」
レイオスがそう言うと、一向は地下迷宮へと進んでいくのであった。
レミアポリスを死守するため、3人の戦士が動き始めた。
レイオスたちは仮面の魔導士を追うため、地下迷宮へと向かう!!