新章激闘編第四十三話 魔導学校襲撃 @

 

強固な守りを誇る魔導学校の正門を破壊し、魔導学校の校庭に潜入する仮面の魔導士とその一味は、早速密偵に来た天使を探していた・・。
「ここに私に傷を負わせたという天使・ガルエルがいるのはここのようだな・・。早速学校内に潜入するぞ!!
仮面の魔導士が合図を送ると、3人は学校内へと進入した

 学校へ潜入した仮面の魔導士とその一味は、ずかずかと廊下を歩いていく・・。
それを見ていた生徒たちは、急いで物陰に隠れた。
「仮面の魔導士様、この学校を私たちの基地として占拠してはどうでしょうか?私たちの脅威を全世界の人間に知らしめてやりましょう・・。」
廊下を歩いている途中、リリシアが仮面の魔導士にそう言った
すると、仮面の魔導士が答えた
「そうだな・・。この学校は魔導の力があるからな・・。その魔導エネルギーを使えば、全世界を征服することなんて簡単だな・・。お前の意見に賛成だ。リリシア・・。」
仮面の魔導士がそう言うと、三人は階段を上がって行った・・。

 一方そのころレイオスたちは、爆発が起こった正門にやってきた・・。
「これはひどい・・。正門が木っ端微塵に吹き飛ばされているな。どうやら強大な力を持つ人間がここを襲撃に来たのかも知れんな・・。」
レイオスは無残に破壊された正門の前でそう言った
「強大な力を持つ人間で思い当たるとすれば、やっぱり仮面の魔導士か!?
ブレアがいきなり思いつめた表情で全員に言った
するとその意見に賛成するかのように、リュミーネが答えた
「確かにブレアの意見に賛成よ・・。あれほどまでに正門が破壊されるほどの魔力を持っているとすれば、仮面の魔導士とその一味よ。きっと密偵の天使の一人であるガルエルを殺すつもりだわ!!
リュミーネがそう言うと、屋上から見覚えのある3人が現れた!!
 「フハハハハッ!!久しぶりだなレイオスとその仲間たちよ!!今からこの魔導学校は我々の支配下となった!!この学校の生徒・先生すべてを我が人質にした!!お前たちに要求する!!人質の命が惜しければ、お前たちの命を私にささげよ!!そうすれば人質は返してやる!!
仮面の魔導士の横暴な態度に、ファルスが答えた!
「うるさいっ!!誰がお前の要求など呑むか!!この学校をお前の好きにはさせない!!
ファルスの叫び声が、学校中にこだました・・。
「要求を呑まぬというのか・・。だったらすべての人質を一人ずつ殺す・・。それでも良いな・・。」
仮面の魔導士はそう言うと、レイオスが答えた
「人質もこの学校もお前の好きにはさせない!!仮面の魔導士!!お前を倒しに行くから待っていろ!!
レイオスがそう言うと、彼と仲間たちは、仮面の魔導士がいる屋上へと向かった・・。

 レイオスが学校内に突入したとき、仮面の魔導士は教室にいる人質を殺すために、授業中の真っ只中である教室の中に入った!
しかし、教室の中には誰もいなかった・・。
一階の廊下で仮面の魔導士を見ていた少年が、各教室の先生に避難するように言っていたのだ・・。
「くそっ、もぬけの殻だな・・。」
「誰もいない・・。どうやらどこかに避難したかもしれないわね・・。ほかのところを探しましょう・・。」
リリシアは誰もいない教室の中を見て言うと、仮面の魔導士が呟いた
「仕方ない・・。ほかのところを探そう・・。」
仮面の魔導士たちは人質の生徒を殺すべく、ほかの教室へと向かって行った。

 レイオスたちは大急ぎで魔導学校の屋上へとやってきたが、そこには仮面の魔導士とその一味の姿はなかった・・。
このままでは人質の命が危ない。レイオスたちは階段を降り、すべての教室を見て回った。
しかし、仮面の魔導士と思われる人間はどこにも見当たらなかった・・。
「このままだときりがないわね・・。いったん保健室に戻りましょう・・。」
リュミーネがそう言うと、レイオスたちは来た道を戻り、保健室へと向かった・・。

 保健室にやってきたレイオスたちは、すぐさまガルエルとダグの無事を確認した・・。
「ガルエル!!ダグさん、無事だったのか!?
レイオスの言葉にダグが答えた
「そうか・・。あの仮面の魔導士がここを襲撃したのか・・。すべての教室の生徒と教師なら、鏡の魔導学校に避難した・・。あの学校は非常事態になると、生徒と教師すべてを鏡の世界の魔導学校にワープさせるのじゃ・・。その力は魔導学校長が持つ魔導の秘術・「ミラーワールド」という術じゃ。私も今からその鏡の世界に移動する・・。ガルエルと一緒にな・・。」
魔導士のダグがそう言うと、ガルエルをつれて術を唱えた・・。
その瞬間、ダグの周りの空間が捻じ曲げられていく・・。
「レイオスたちよ、平和になったら元気な顔を見せてくれ!!魔導の秘術・ディメンショナル・チェンジ!!
魔導士のダグとガルエルは、次元の穴を通じて鏡の魔導学校へと消えていった・・。

 仮面の魔導士とその一味は、教室内にいる人質探しをあきらめ、傷ついた天使がいる保健室へと向かっていくところであった・・。
「人質探しはもうやめだ!あの天使を殺すのみだ!!いくぞリリシア、ベル!!
仮面の魔導士がそう言うと、二人は足並みをそろえて走り出した・・。
「あの天使さえ殺せば、全世界に我々の脅威を見せ付けられるのよ!!
「天使狩りは楽しそうだな・・。おれも混ぜておくれ・・。」
二人は胸躍るような表情で、仮面の魔導士の後ろを走っていた・・。
 しばらくして、3人は保健室の扉の前まで来た!!
「開けろ!!傷ついた天使がここにいるのは分かっているのだぞ!!
仮面の魔導士は鍵がかかっている保健室のドア越しに向かって叫び始めた・・。
「鍵がかかっているなら俺が壊してやるんだじょ!!
ベルは鍵のかかっている保健室のドアを蹴破るべく、体当たりを仕掛けた!!

ドカン、ドカン、ドカンッ!!

ベルの体当たりに、保健室のドアが軋み始めた・・。
「あと少しよベル!!さっさとあのドア壊しちゃって!
リリシアがベルに励ましの言葉を送ると、ベルはさらに力を込めてドアに体当たりを仕掛けた!!

ドカンッ!!バキバキッ!!

保健室のドアは、ベルの体当たり攻撃によって破壊された・・。
その瞬間、仮面魔導士たちは保健室に突入した!
「あれ?確かここに傷ついた天使がいたのだが、奴はどこに消えた・・。」
仮面の魔導士は傷ついた天使を探すが、どこにも見当たらなかった。
「くそっ、レイオスめ・・。奴が天使を逃がしたのかに違いない・・。レイオスたちを追うぞ!奴を消し去る絶好のチャンスだ!
仮面の魔導士がそう言うと、ふと窓の外を見た・・。
そこにいたのはレイオスだった!!
「仮面の魔導士!!密偵の天使なら俺が逃がした!さぁ、ここに来て俺と勝負しやがれ!!
レイオスの言葉に、リリシアが呟いた
「あの女と決着をつける絶好のチャンスね・・。刺激のある戦いが楽しめるかしら・・。行きましょう、仮面の魔導士様・・。」
リリシアの言葉で、仮面の魔導士たちは動き出した・・。
すべてはレイオスたちを倒し、世界を征服するために・・。

 仮面の魔導士とその一味は、保健室の窓からグラウンドへと飛び降りた!!
「何考えてるのかしら!ここから飛び降りれば死ぬかもしれないのよ!
3人が大きく地面へと降下してくなか、リリシアが答えた
「こんなときにこそ、魔導の術が役立つのだ・・。魔導術・制空(エア−・マスター)!!
仮面の魔導士が術を唱えた瞬間、3人の体がふわりふわりと落下していく・・。
それが、「魔導術・制空(エアー・マスター)」の効果である。
「さすが仮面の魔導士様、緊急時の対策には力を入れているのですね・・。」
3人はゆっくりと降下しながら、レイオスたちを敵を見るような目で見つめていた・・。

ついに現れた仮面の魔導士とその一味たち!!
レイオスは魔導学校を守ることができるのか!?

 

 

 

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