新章激闘編第四十二話 魔導学校
マジックカーペットに乗り込んだ魔導士のダグとレイオスたちは、魔導学校に向けて進んでいた。
「ほれ、もうすぐ魔導学校じゃ・・。ここからスピード上げるから、しっかりつかまってるんだぞ・・。」
魔導士のダグがそう言うと、マジックカーペットのスピードをどんどん加速させ、魔導学校を目指すため、魔導の村の裏山に差し掛かった・・。
「あ、あれはっ!!」
レイオスたちが上を向くと、今にも落ちてきそうな大きな岩がそこにあった・・。
「このままでは岩が落ちてしまう・・。ダグさんを助けるために、俺たちで何とかするんだ!!」
レイオスは今にも落ちてきそうな大きな岩から回避するために、ブレアを呼んだ。
「行くぞブレア!!お前の火力でマジックカーペットのスピードを上げるんだ!!」
レイオスの言葉で、ブレアはマジックカーペットの後部から手を出し、炎の術を放った!!
「行きますよ・・。フレイム・バースト!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
ブレアの炎が加わり、マジックカーペットはすさまじい勢いで加速し、その場を離れた・・。
マジックカーペットがその場を離れた瞬間、大きな岩が轟音とともに落ちてきた!!
「ふぅ・・。何とか間に合ったようだな・・。」
レイオスが安堵の表情でほっとしたとき、魔導士のダグが仲間たちにそう言った
「そこの赤い髪の男よ、お前のおかげで助かったぞ・・。礼を言う・・。」
ダグの言葉にブレアは照れながら答えた
「礼を言うならその作戦を考えてくれたレイオスに言ってくれれば幸いです・・。僕も一応役立ったんですけどね・・ヘヘッ。」
その言葉にダグが答えた・・。
「レイオスよ、お前もなかなかいい作戦を考えてくれたな。礼を言う・・。おっ、もうすぐ魔導学校のようだな・・。そろそろ降りるとするか・・。」
魔導士のダグがそう言うと、マジックカーペットのスピードを落とし、レイオスたちをマジックカーペットから降ろした。
マジックカーペットから降りたレイオスたちに、魔導士のダグがこう話した。
「ほれ、ここが魔導士を育てる魔導学校じゃ・・。この学校でいろいろな術を学び、立派な魔導士を育てる学校じゃ。」
レイオスたちは振り返ると、大きな建物がそこにあった・・。
あれが創造神が言っていた、魔導学校であった。
「あれが・・魔導学校・・。」
「大きな学校だな・・。」
「これだけ大きな建物なら、魔物の襲撃は受けないようだな・・。」
全員がそう言っていると魔導士のダグが言った
「さぁ。お前さんたち、魔導学校へ行くぞ・・。お前たちが会いたがっていた天使なら、保健室にいるぞ・・。」
魔導士のダグとレイオスは、魔導学校に入るため、正門に向かった・・。
正門に来たレイオスたちとダグは、いきなり正門を管理する魔導士に声をかけられた!
「おい、お前たち。この学校に何のようだ・・。」
正門を管理する魔導士がそう言うと、魔導士のダグが答えた
「そこの者たちはわしの知り合いだ。そこを通してもらえないかね・・。」
その言葉に正門を管理する魔導士はしぶしぶ正門を開けた・・。
「ダグの頼みなら仕方ないなぁ・・。最近子供を狙った犯罪が増えてるから5秒間だけ開けるよ・・。その間に入ってくれ・・。」
その言葉に魔導士のダグが答えた
「そんな無茶な!!5秒で全員を入れるなんて無理がある!だったら10秒間だけ開けてもらえぬか?」
ダグの言葉に相当あきれたのか、正門を管理する魔導士が答えた
「そんなぁ・・。じゃあ10秒間だけ開けるよ・・。これ以上はできないよ・・。」
その言葉に魔導士のダグは、首を縦に振った。
「ありがとう・・。さぁ、お前たち、時間がないから早く正門を突破するぞ!!」
魔導士のダグがそう言うと、全員は正門を走り抜けた・・。
全員が学校の中に入った瞬間、正門が大きな音を立てて閉まった・・。
魔導学校に入ったレイオスたちは、魔導士のダグにつれられ、保健室へと向かった・・。
「あっ、魔導士のダグさんじゃないですか・・。お久しぶりです!」
魔導学校の先生の一人が、ダグに話しかけた
「おおっ、そなたはゴーディじゃないか・・。お前は今何の先生をやっているのじゃ・・。ここにくるのは1年ぶりなんでな・・。」
ダグの言葉に、ゴーディが答えた
「私は今魔導術を教える担当として働いています。ダグさんは今からどこに行かれるのですか・・。」
ゴーディがそう言うと、ダグがそう言った
「わしは今から保健室に行くところなんじゃ・・。今から傷ついた天使に会いに行くところだ。」
その言葉に、ゴーディはダグを見送った・・。
「ではお気をつけて・・。あの天使はどこから来たのか分からないんですからね・・。」
ダグとレイオスたちは、魔導学校の保健室へと向かった・・。
しばらくして、レイオスたちは保健室へとやってきた・・。
「ここが保健室だ・・。どうやらこの奥の部屋に傷ついた天使がいるはずじゃ・・。」
ダグがそう言うと、レイオスたちは奥の部屋のカーテンを開き、中に入った・・。
そこには治療を受けている黒き羽の天使がそこにあった・・。
「あれが・・仮面の魔導士のことを知っている傷ついた天使・・。」
ファルスがそう言うと、リュミーネがいきなり立ち上がった
「ひどいケガだわ・・。ここは私が直してあげるべきではないかな・・。」
リュミーネがそう言うと、傷ついた天使に回復呪文を唱え始めた!
「回復術(ヒール・スペル)!!エクセレス・キュアライト!!」
リュミーネが傷ついた天使に手をかざすと、生暖かい光が傷ついた天使を照らした・・。
黒き羽の天使の傷が、見る見るうちに塞がり、完全に回復した!
「これで・・しばらくすれば健康になるわ・・。」
リュミーネは傷ついた天使の回復を済ませると、レイオスたちは天使の回復を待つことにした・・。
しばらくして、傷ついた天使は目を覚まし、レイオスたちにこう言った
「俺の体が・・。動いている!?まさか、そこにいるお前たちがっ!?」
傷ついた天使の言葉にレイオスが答えた
「おっと・・。礼を言うならあの女にしてくれないか・・。それより、あなたが天界から密偵に遣わされ、仮面の魔導士に戦いを挑んだ天使、ガルエルじゃないのですか・・。」
レイオスの言葉にガルエルは口を開いた・・。
「青い髪の女・・。ありがとう・・。」
ガルエルの言葉に、リュミーネは微笑みながら答えた
「そうよ・・。私があなたを回復してあげたのよ・・。あなたが、仮面の魔導士のことを知っているのなら、私たちに話していただけませんか・・?」
リュミーネの言葉に、ガルエルが答えた
「いかにも・・。俺が仮面の魔導士と戦ったのは事実だ・・。俺はあいつと戦ったのだが、あいつの圧倒的な魔力にかなわず、あっけなく倒されてしまい、ここにやってきた・・。仮面の魔導士の目的は、この地上界を制圧し、次に天界を襲撃するつもりだ。お前たちは仮面の魔導士の野望を止めるために戦っているのか?」
その言葉にファルスが答えた
「そうだ・・。俺たちがやらなければ、この世界が崩壊してしまう・・。この任務は、俺たちがやらなくてはいけないことなんだ!!」
ファルスの言葉に、ガルエルが答えた
「今地上界では、俺たちを含む密偵に来た天使を殺すために、仮面の魔導士が創生した魔物を使い、天使狩りをしているという噂を聞いた・・。俺以外に密偵に来た天使の名は、セディエル・ラキエルだ。その二人は現在地上界の中央大陸にあるレミアポリスの宮殿にいる。現在宮殿には結界が張られていて、魔物の進行を防いでいるが、いつ結界が壊れるかわからない・・。」
ガルエルが話している時、どこからともなく轟音が聞こえた!!
ドゴオオォォォォンッ!!
「何奴っ!!」
ガルエルがそう言うと、レイオスが答えた
「ここは俺たちに任せてくれ・・。君のことなら、魔導士のダグに任せてある・・。ダグさん、この天使を頼む・・。」
レイオスがそう言うと、ガルエルが答えた
「わかった・・。レイオスたちよ、絶対に戻って来い・・。」
ダグはレイオスたちを見送ると、天使の護衛についた・・。
爆発が起こる前、仮面の魔導士とその一味は魔導学校の正門に現れた・・。
「なんだお前らは!!この魔導学校に・・・!!?」
仮面の魔導士は正門を管理する魔導士の顔に手を当て、術を唱え始めた・・。
「開けてくれないのなら、ここで死ねぃ!!喰らえ、魔導術・エクスプロド・アグニッション!!」
仮面の魔導士が術を唱えはじめた瞬間、リリシアとベルはその場から離れた・・。
二人が離れた瞬間、仮面の魔導士の周りすべてを焼き尽くすほどの爆風がほとばしった!!
「ありゃりゃ・・。正門が跡形もなくつぶれちゃったね♪邪魔な管理人も灰におなっちゃったわ・・。」
「これで中に入れるんだじょー!!」
「密偵に来た天使とレイオスたちのよ、ここで終わりだ!!」
二人が魔導学校の中に突入すると、仮面の魔導士も魔導学校に突入するのであった・・。
平和な魔導学校に、突如仮面の魔導士が現れた!!
天使ガルエルとレイオスたちの運命やいかに!?