新章激闘編第四十話 おいでませ魔導の村

 

 吸血鬼の森を抜けたレイオスたちは、もうすぐ魔導の村にたどり着こうとしていた・・。
「もう少しで魔導の村だ。みんな、あと少しだ!!
レイオスがそう言うと、全員は魔導の村へと急ぐことにした・・。
「早く村について、一休みしないと、体を壊してしまうからな。」
ファルスがそう言うと、リュミーネが答えた
「確かに・・。全員疲れているような顔をしているわね・・。あれほど疲れた仲間たちを見るのは初めてだわ・・。特にレイオスは血を吸われすぎたおかげで足がふらふらね・・。」
レイオスは吸血鬼の森でペットボトル約一本分の血をすわれていた・・。
彼は立っているのがやっとのようだ・・。
「も・・・もう・・・立てねぇ・・・ぜ・・。誰か・・回復呪文を・・。」
レイオスは木の棒を地面に突き刺しながら歩いていた・・。
その様子に、リュミーネが答えた
「残念だけど血は回復呪文を増やせないわ・・。宿屋で一日休めば貧血なんて治るわ・・。あと少しだから、がんばりなさい・・。」
リュミーネがそう言うと、レイオスたちの前を行くファルスが答えた。
「魔導の村に着いたぞ!まずは全員の疲れを癒さないとな・・。これだけ疲れていれば休むことが先決だ。仕方ない、情報収集は明日にしよう・・。」
全員は魔導の村に入った瞬間、真っ先に宿屋へと向かった・・。

 ファルスは宿屋の店主に話しかけた。
「すまぬが、宿代は一人何Gですか・・。」
ファルスの言葉に店主が答えた
「宿代は一人当たり200Gだ。4人なら800Gだが、泊まっていくかい・・。」
宿屋の店主がそう言うと、ファルスは四人分の宿代を支払った。
「800Gだ。これで足りるだろう・・。」
ファルスの言葉に店主が答えた。
「800G、確かに受け取った・・。じゃあ、あちらの部屋で一泊休むいい・・。荷物と貴重品を私に出してくれ・・。荷物の安全は私が保障するよ・・。私の宿の金庫は強固な守りだから安心して預けてくれ・・。」
ファルスはそう言うと、全員の荷物を宿屋の店主に預けた・・。
「手荷物預かりました。ではゆっくりとお休みください・・。私の宿屋は預かり屋も経営している兼業宿屋なんだ・・。預かり屋は二階にあるから、有効に活用してくれ・・。」
宿屋の店主がそう言うと、全員は宿屋の部屋へと急いだ・・。

 宿屋の部屋に着いた彼らは、早速休息の時を過ごすことにした・・。
「俺は・・寝るぞ・・。もう倒れそうだ・・。」
休息の時を過ごす仲間たちをよそに、レイオスは真っ先に眠りに着いた・・。
どうやら貧血のせいで倒れてしまったようだ・・。
「あら・・。レイオスったらもう寝てしまったのね・・。私たちの中で最も疲れてたんだからね・・。私たちはその辺で情報収集でもしておくわね。」
リュミーネは貧血で倒れているレイオスを心配そうに言うと、全員は部屋を後にした・・。

 貧血でダウンしているレイオスを部屋に残し、ファルスたちは宿屋の地下にある酒場で情報収集に向かった・・。
「創造の神が言っていた負傷した天使って、この村にいるのかなぁ・・。」
ブレアがそう言うと、ファルスが答えた
「確かに、この村にいるのは本当だが、どこにいるのかは分からない・・。この酒場には多くの人が集まっているから多少は情報収集ができそうだ・・。」
ファルスがそう言うと、酒場の中にいる客に話しかけた
「すまぬが、この近辺に傷を負った天使がいるという噂を聞いたんだが、それは本当の話なのか・・。」
ファルスが答えると、酒場の客が答えた
「天使・・?天使なんかこの世にはいないぜ・・。いるとしたら天国だけだね・・。そんなのは迷信に決まっているぜ。」
酒場の客がそう言うと、ファルスは別の客に話しかけた。
「このあたりで傷を負った天使がいるという噂は本当かい・・。」
ファルスがそう言うと、酒場の客が答えた
「知らないわねぇ・・。この魔導の村には魔導士がたくさんいるんだけど、聞くのはいいけど、私たち一般人ではなく、魔導士さんに聞いたらどうかしら・・。」
女の客がそう言うと、ファルスは何かをつかんだかのような表情であった・・。
「二人とも、よく聞いてくれ。この酒場に魔導士はいない・・。明日になったら、村で情報収集をしよう・・。傷ついた天使の事も、仮面の魔導士の子ともすべてだ・・。」
ファルスはそう言って酒場を出ようとしたとき、ある一人の老人がファルスたちに所にやってきた。
「待ってくれ・・。お前たちの言っている傷ついた天使の事について話したいことがあるんじゃ・・。ちょっとわしについて来たまえ・・。」
ファルスたちは老人につれられ、酒場の出口近くまで来た・・。

 酒場の出口近くに来た老人は、なにやら呪文を唱え始めた・・。
「扉を開け、魔導術!キーブレイク!!
老人が術を唱えた瞬間、突然壁が開き始めた・・。
「ま・・・魔導の術!?あなた、魔導士だったの!?
リュミーネがびっくりした表情で答えると、老人が答えた
「そうだ・・。わしは魔導士じゃ。さぁ、こちらへ・・。」
老人がそう言うと、ファルスたちを扉の奥へと案内した・・。

 全員を扉の奥へと案内すると、老人の魔導士が答えた
「ここは魔導士だけが知る秘密の部屋じゃ・・。魔導士専用の酒場と言ってよいじゃろう・・。この村の魔導士の大半はここで酒と食事を楽しんでいるのじゃ。お前たちの知りたい事も知っているかもしれないぞ・・。」
老人の魔導士がそう言うと、早速ファルスたちは情報収集に入った。
「すまぬが、この村に傷を負った天使のことを知っている者はいないか・・。」
ファルスは酒場の全員に呼びかけると、すぐに返答があった・・。
「知ってるぞ!!あの天使なら確か魔導学校にいるはずだぜ・・。なぜかしら学校で治療を受けているはずだぜ・・。」
「私は傷ついた天使を魔導学校の治療室で見た。見るからに彼は大ケガをしていたそうだ・・。仮面の魔導士にやられたといっているが、彼は本当に仮面の魔導士と戦ったのか・・。それが一番の謎だな・・。」
次々とくる魔導士からの情報を聞き、ファルスが答えた。
「ありがとう・・。明日、その魔導学校へ行ってみる。本当にありがとう・・。」
ファルスは感謝の意を表しながら、魔導士の酒場を後にした・・。

 一方レイオスは、少しだけ気分が良くなったようだ・・。
「復活まであと少しか・・。俺はゆっくりと休んでおくぜ・・。」
レイオスはそう言うと、眠りにつくのであった・・。

 しばらくして、全員が帰ってきた・・。
「情報収集完了・・。じゃあ今夜はゆっくりと休もう・・。」
ファルスがそう言うと、ブレアが答えた
「みんな、何か忘れていないか・・。休息も大切だけど、風呂も大切だね・・。」
その言葉に全員が答えた
「確かに・・。ここ数日風呂に入ってないな・・。じゃあ温泉でゆっくりするか・・。」
ファルスの言葉に寝ているレイオスが答える
「俺も行くぜ・・。俺はもう貧血が治ったぜ。」
レイオスの言葉にリュミーネが答えた
「ちょっと・・、やましいこと考えているんじゃないでしょうね・・。」
リュミーネがそう言うと、レイオスが恐る恐る答えた。
「いやっ・・俺はお前の裸の姿が見たいなんて思ってはいないぜ・・。」
レイオスがそう言うと、リュミーネはほっとした表情で答えた。
「じゃあいいけど・・。覗いたりしたら許さないからね・・。」
リュミーネがそう言うと、全員は宿屋の裏にある温泉向かうのであった・・。

魔導の村に着いた彼らは、一日の疲れを癒すことにした。
彼らはひと時の休息をとるのであった・・。

 

 

 

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