新章激闘編第三十六話 脱出

 

仮面の魔導士が放った邪悪な電流の渦がレイオスを包み込んだ後、仮面の魔導士はレイオスのエナジーを吸い取るべく、手を上げて念じ始めた・・。
「はあああああああっ!!!
仮面の魔導士はエナジーを吸い取ろうとするが、なぜかエナジーを吸い取ることができなかった。
「なぜだ!!今の一撃で奴は完全に葬ったはずなんだが・・・!?どういうわけだ・・。俺の魔力が足りなかったのか!?
仮面の魔導士はさらに魔力を込め、レイオスのエナジーを吸い取ろうとした。しかし、何度吸い取ろうとしても仮面の魔導士の手にはレイオスのエナジーは集まらなかった・・。
「何度やっても吸い取れぬ!!奴は死んでいないのか!?
仮面の魔導士がレイオスのほうを振り向いた瞬間、砂煙の中からレイオスの影が見えた・・。

「今のは・・。危なかったぜ・・・。」
レイオスは邪悪な電流の渦の中で生きていた・・。
しかし、防御の際に双剣が折れてしまうほどの魔導術であった・・。
「私の最大術を受けて生きているのはほめてやろう・・。レイオスよ、この勝負、預けておくぞ・・。だが、次に戦うときは、必ずお前の息の根を止め、エナジーをいただいてやるぞっ!!
仮面の魔導士がそう言うと、リリシアとベルを連れてそそくさと去っていった・・。
「待て、お前ら・・。どこへ行くつもりだ・・。この魔導戦艦はもうすぐ爆破するんだぞ・・。」
レイオスがそう言うと、仮面の魔導士は足を止めた・・。
「エンジンが破壊されたことは知っている・・。私は緊急脱出用魔導ポッドで脱出する・・。エルジェから盗んだ禁断の書も、この魔導戦艦とともに消える・・。もちろん、お前らも消える・・。では、天国で私の支配する世界を見届けるがいい!!ハハハハハッ!!!
仮面の魔導士が笑いながら、その場を去っていった・・。
「今は、仮面の魔導士がその諸悪の根源であることをアメリア様に伝えることが重要だ・・。今は対策をとるべきだ・・。」
崩れ行く魔導戦艦の中で、レイオスは仲間たちを探すべく、立ち上がろうとした・・・
「ぐっ・・!!
レイオスは立ち上がろうとしたが、足に力が出ない!!
どうやら仮面の魔導士の術により足にダメージを負ったようだ・・。
「くそっ!!動け、俺の体よ!!
レイオスは力を込めるが、足に力が入らず、立ち上がれない!!
「ちくしょう!!ちくしょおおおおおぉーーーっ!!
レイオスが諦めかけていたその時、魔導戦艦の壁が崩れ、魔導戦艦の子機が現れた・・。
「あれは・・。俺を倒そうとしているのか・・。倒すなら早く倒せ・・・!!
レイオスが振り向いた瞬間、仲間の姿がそこにあった・・。
「あれは・・・レイオスだ!!はやく救出するぞ!!
ファルスがそう言うと、ブレアをつれてレイオスに駆け寄った・・。
「お前が何とか時間稼ぎをしてくれたおかげで、なんとか禁断の書を取り返せたぜ・・。後、緊急用の子機があったんで、それを使って脱出するぞ!!
ファルスがそう言うと、ブレアがレイオスを抱えた・・。
「何とか禁断の書を取り返せたよ・・。さぁ、脱出しよう・・。早くしないとこの魔導戦艦が爆破してしまう!!
ブレアがそう言うと、レイオスが答えた
「ちょっと待て、メルファがあったはずなんだけど、どうしたんだ・・。」
レイオスの言葉に、ファルスが答えた
「実は・・。オートパイロット機能でメルファは中央大陸の洞窟に戻ってしまったんだ・・。しかし今は時間がない、早く乗り込むぞ!!
ファルスとブレアがレイオスを抱えると、魔導戦艦の子機に乗り込んだ・・。

魔導戦艦の子機に乗り込んだレイオスは、手当てを受けていた・・。
「禁断の書は取り返したわ・・。それより大丈夫なの・・。あんたの傷は・・。」
リュミーネは傷ついたレイオスを手当てしていた・・。
「痛ぇっ!!お前魔法使えるんだから魔法で手当てしろよな・・。」
レイオスの言葉にリュミーネが答えた
「うるさいわねぇ・・。あんたの傷が深いから魔法の回復だけでは追いつかないのよ・・。わかったらじっとしていなさい・・。」
リュミーネがそう言うと、レイオスの手当てを続けるのであった・・。

レイオスたちが子機に乗り込んだ数分後、魔導戦艦から緊急脱出用ポッドが射出された・・。
「あのポッドには仮面の魔導士が乗っている!!あれを打ち落とすぞ!!
手当てが終わり、元気になったレイオスは子機のコントロールルームに急いだ!!
「よし、俺が運転するからお前らは奴を見失わないように見張っておくんだ!奴は絶対に逃がしてはいけないんだ!!
レイオスがそう言うと、仮面の魔導士が乗っているポッドを打ち落とすべく、早速迎撃態勢に入った!

魔導戦艦の子機がスピードを上げながら、仮面の魔導士の乗ったポッドを追いかける・・。
「魔導ミサイルの数は3本か・・。失敗は許されないようだな・・。」
レイオスがそう言うと、子機のエンジンのスピードを上げた!!
「レイオス!!右だっ!
ファルスがそう言うと、レイオスがポッドに照準を合わせた・・。
「当たれぇーーーーーっ!!!
レイオスの叫び声とともに、子機の砲台からミサイルが放たれた!!
放たれた魔導ミサイルが、仮面の魔導士の乗っているポッドに命中した!
ドゴォーンッ!!
「やったか!?
レイオスが振り向いた瞬間、緊急脱出用のポッドからは煙が立ち上っていた・・。
魔導ミサイルの一撃が、脱出用ポッドにダメージを与えた!
「残り二発、確実に命中させるんだ!レイオス、頼んだよ!!
ブレアがそう言うと、レイオスはポッドに照準を合わせるのであった・・。

一方仮面の魔導士率いる3人は、レイオスが乗る魔導戦艦の子機からの砲撃を受けていた・・。
「仮面の魔導士様!!このままでは爆発してしまいます!!
「爆発してしまうよーーー!!
二人の魔導士がそう言うと、仮面の魔導士が答えた
「魔導戦艦から少しだけとっておいた砲弾がある!それをあの子機にぶつけるんだ!!
仮面の魔導士の命を受け、リリシアとベルは子機を打ち落とすべく、砲台を構えた・・。
「ベル、照準をあわせて、あの子機に命中させるのよ・・。」
リリシアがそう言うと、ベルが答えた
「わかった。俺、何とかやってみるよ・・。」
ベルが砲台を構え、砲弾を発射しようとした瞬間、二発の魔導ミサイルが飛んできた!!
「ぶつかる!!ぶつかるぅーーーー!!
子機の放った魔導ミサイルが、緊急脱出用ポッドに命中した!!

ドカンッ!!

魔導ミサイルのミサイルを受け、緊急脱出用ポッドは完全に制御不能となった・・。 
だが、まだ運転できるようだ・・。
「くそっ!!逃げられたか・・。」
レイオスがポッドの方を振り向くと、ポッドは煙をあげて制御不能になっているが、スピードを上げて子機の前から姿を消していった・・。
「しかし、今はアメリア様にこの諸悪の根源が仮面の魔導士だということを伝えることが先決だ・・。いまはレミアポリスに向かおう・・。アメリア様にそのことを伝えるために!!
レイオスがそう言うと、全員はレミアポリスに向けて発進するのであった!!

魔導戦艦を破壊したが、仲間の一人であるボルガが犠牲になってしまった・・。
レイオスは仮面の魔導士と戦うも、圧倒的な魔力により敗北を喫した。
全員は一度、撤退をよぎなくされた・・。

 

 

 

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