新章激闘編第三十二話 それぞれの戦い

 

仮面の魔導士の下っ端である壁のヘーベルを打ち破り、やっとの思いで動力室までやってきたレイオスたちの前に、下っ端の一人であるライドンが襲い掛かってきたのだ!!
「動力室は俺が守る!お前らごときに壊させてたまるか!!やれ、魔物共、こいつらをやっつけてしまえ!
ライドンは魔物を放ち、レイオスたちに襲い掛かってきた!

「まずはあの魔物たちをやっつけるぞ。やっつけたあとでライドンを倒す!
ファルスが全員にそう言うと、全員は戦闘態勢に入った!!
「行くぜファルス!こんな奴なんか倒して、魔導戦艦をぶっ壊すんだ!喰らえっ!!
レイオスがそう言うと、一気にピットデーモンに斬りかかった!
「こっちだって負けられないわ!私の国、そして私の家族を守るために!!はあっ!
グサグサッ!!
リュミーネの放った槍が、二体のピットデーモンを串刺しにした!
「奴らにこの世界を支配されてたまるか!受けてみろ、我が剣技!赤炎剣・炎獄」
ブレアの剣技が、ピットデーモンを焦がす!
斬り付けると同時に、炎がもう一体のピットデーモンを黒焦げにした・・。

レイオスたちの総攻撃で、5体のピットデーモンをやっつけた。
「あの数を・・・3人で・・。このままでは私が倒されてしまう!!行け、妖魔ブオールよ!あいつらを踏み潰してしまえっ!!
ライドンがブオールに命令したが、ブオールは動こうとはしなかった
「ブオールよ!!ブオールッ!!動けっ!
「遅いな・・・。こいつはもう動かないぜ・・。すでに死んでいるぜ・・。」
ライドンが唖然となっている時、ボルガが答えた。
「なぜだ!レイオスたちがピットデーモンと戦っている間に、お前はここにいたわけか!!
ライドンの言葉にボルガが答えた
「甘いな・・。レイオスたちがピットデーモンと戦っているとき、俺はレイオスのところにいた。つまり、一瞬の隙をついて俺の鋭い爪でブオールを切り刻んだのさ・・。」
ボルガの言葉にライドンが答えた
「むむむ・・。なんという奴だ。かくなる上は・・・!
ライドンがそう言った瞬間、ボルガがライドンの首に鋭い爪を当てて答えた
「もう終わりにしようぜ・・。このまま首を切り裂かれたいか!?
ボルガの言葉が、ライドンを威圧した・・。
「すまんかった・・。わしが悪かった!!だからこのとおりだ!
ライドンが命乞いをしたとき、ボルガは爪をライドンの首から離した・・。
「殺しはしない・・。貴様など殺す価値もない・・。分かったらさっさと改心して魔導士をやめるんだな・・。」
ライドンがほっとした瞬間、何者かがライドンの心臓を貫いた!!

バシュッ!!

「ライドンッ!!
ボルガが駆け寄った瞬間、ライドンはすでに息絶えていた・・。
そしてライドンの後ろには、仮面の魔導士がいた!!
おそらく、彼がライドンを殺したのであろう・・。

しばらくして、仮面の魔導士は息絶えたライドンに手を当て、強く念じた瞬間、ライドンは強烈な光を放ちながら消えていった・・。
「フハハハハハハッ!!使えない下っ端でも少しは力の足しになるようだな・・。ライドンよ、私が創生した魔物を使ってもレイオスたちを倒せなかったようだな・・。ここまできたことはほめてやろう・・。だが、それもここまでだ!!この動力室はなんとしても死守しなければならないのだ!私の理想郷を作るためにね・・。残念ながらお前たちには消えてもらうしかないな・・。出て来い!わが精鋭の参謀よ!!
仮面の魔導士が二人の魔導士を呼んだ!!
すると仮面の魔導士の後ろから二人の魔導士が現れた・・。
「お呼びですか〜!!
「私を満足できるのかしら・・・。レイオスとかいうやつは・・。」
仮面の魔導士の号令により、二人の魔導士が現れた!
「一体誰なのよっ!!名を名乗りなさい!!
リュミーネがそう言うと、二人の魔導士が答えた
「あら・・。自己紹介が遅れたわね。私は仮面の魔導士の参謀の一人、リリシアと申します・・。私は一年前くらいエルジェにいたのですが、毎日が魔法の修行で、刺激のない退屈な日々にうんざりしていました・・。そんな時、彼が現れたのです・・。彼は私に何か光るものを感じたのか、私を認め、天界に連れて行ってくれました。私は仮面の魔導士の思想に強いシンクロニシティを感じ、仮面の魔導士の参謀になったのです・・。」
リリシアの自己紹介が終わり、男の魔導士が話しかけてきた・・。
「俺の名前はビッグ・ベルゼーだ。リリシアからはベルと呼ばれているんだぞ。俺は食べることが好きな魔術士だが、食べ過ぎのあまり、天界から追い出されたんだ・・。そこに仮面の魔導士が現れ、俺を仲間に加えさせてもらったんだ!
ベルの自己紹介が終わり、二人の魔導士がレイオスたちに話しかけてきた・・。
「さぁ、茶番は終わりよ・・。あなたたちには消えてもらうわ・・。」
「邪魔する奴は俺の拳骨でたおしてやるじょ〜!!
二人の魔術士が、レイオスたちに襲い掛かってきた!!

この事態を察知したファルスは、作戦を練り始めた・・。
「いいか・・。レイオスは仮面の魔導士と、リュミーネはリリシアと、ボルガはベルと戦っている間に、俺とブレアで動力室のエンジンを破壊する。3人はうまく時間を稼いでくれ。わかったな・・。」
ファルスがそう言うと、早速作戦を開始した・・。

リュミーネは準備を整え、仮面の魔導士の参謀のリリシアに戦いを挑んだ。
「あなたが私の相手ですか・・。私を満足させられるのかしら・・。」
その言葉にリュミーネは怒りの表情を浮かべた
「満足させてあげますわ!あの世でね・・。」
緊迫した空気の中、女同士の戦いが始まるとしていた・・。

一方ボルガは準備運動を済ませ、ベルを迎え撃つ体勢に入る!!
「言っておくが、俺は強いぜ・・。お前なんか丸焼きにして食ってやろうか・・。」
ボルガの挑発的な言葉にベルはこう答えた
「もう怒ったどーー!!お前を倒して焼肉にして食ってやるぞーー!
怒号の中、獣混じりの人間と魔導士の戦いが始まろうとしていた・・。

一方ファルスとブレアは、エンジンの破壊に取り掛かっていた
「よく聞け・・、思いついたことなんだが、エンジンの回転とは逆の方向に力を送れば、エンジンを破壊できるが、それなりの力が必要だ。俺とお前の力では力が足りないかも知れないが、やってくれるか・・。」
ファルスがそう言うと、ブレアが答えた
「任せてください。この命にかえても、魔導戦艦を止めて見せます!!
ブレアはそう言うと、ファルスとともにエンジンの可動部に攻撃を加えるため、魔力を練りこみはじめた・・。

レイオスと仮面の魔導士が対峙していた・・。
「やっと見つけたぜ・・。お前だけはここで倒してやる・・。」
レイオスの言葉に仮面の魔導士が答えた
「お前らはここで死ぬ運命なのだ!!おとなしく我に従うがよい・・。」
その言葉にレイオスは怒りの表情で答えた
「お前の言うことなど・・、誰が聞くかぁっ!!
レイオスの言葉に仮面の魔導士が答えた。
「従わないのか・・。なら死んでもらうしかないな・・。私の目的のためにっ!!
仮面の魔導士は黒くすさまじいまでの魔力を開放し、レイオスに襲い掛かろうとしていた・・。

ついに現れた仮面の魔導士!!
レイオスとその仲間たちの壮絶な戦いが、今始まろうとしている・・。

 

 

 

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