新章激闘編第三十話 打ち破れヘーベルハウス!!

 

壁の魔導士が放った魔導の消滅術「グレイス・バニッシャー」が放たれ、レイオスたちが閉じ込められている壁ごと消滅してしまった!!
「フハハハハハハッ!!これでやつらは跡形もなく消えたか・・。これじゃあ骨のかけらもないがなぁ・・。」
ヘーベルがその場を立ち去ろうとしたそのとき、ヘーベルの耳に誰かの声が聞こえた!!

「待て!!勝負はまだ終わっていないぜ・・!!
ヘーベルが振り返った瞬間、そこには消し去ったはずのレイオスたちの姿がそこにあった。
「何ぃ!!なぜお前らが生きておるのじゃ!わしの消滅術は絶対にミスはない!生きていることなどありえん
!
いったいどうやって・・・!!
ヘーベルが唖然となった表情でそう言うと、ファルスが答えた
「お前が聞きたいのなら教えてやろう。鉄は熱せられた後、急激な温度変化に弱いことを知っているか?結論から言おう・・。ここで活躍するのは炎の力を持つブレアと、水の力を持つリュミーネだ。まずは炎で鉄の壁を熱くさせた後、次に水で冷やすことで、どんなに硬い鉄の壁でも壊れるということだ・・。つまり、炎と水は使い方によって逆転を生み出すということだ!
ファルスがそう言うと、ヘーベルは焦燥した表情で答えた
「ウヌヌヌヌ・・・・。消滅術が効かないというのなら、肉弾戦で真っ向からお前たちを倒してやる!!壁よ、私に集まれ!!
ヘーベルがそう言うと、鉄の壁がヘーベルの周りを覆い、まるで鉄の巨人のような格好になった!!
「フハハハハハハ!!これぞ我が究極の形態、フルメタル・ヘーベルハウスじゃ!!お前ら、覚悟せい!!
鉄の巨人のような姿と化したヘーベルが、レイオスに襲い掛かってきた!

「喰らえ!ヘーベル・アタッカー!
ヘーベルは鉄の板を飛ばしてレイオスを攻撃した!!
「こんなもの、はじき返してやる!!
カキンッ!!
レイオスは渾身の一撃で鉄の板をはじき返した!
「なかなかやるやつだな・・。だが、それもここまでじゃ!!
ヘーベルはすさまじいまでの魔力を開放し、術を唱える体勢に入った!
「奴め、グレイス・バニッシャーのほかにまだ消滅術を持っているというのか!?
レイオスがそう言うと、ヘーベルは呪文を唱え始めた!
「消えてなくなれ!魔導の消滅術!グラビテス・バニッシャス!!
ヘーベルが術を唱えると、ヘーベルの手のひらから強力な重力の球体が放たれた!
しかし、その動きはとてつもなく遅いスピードで迫ってきた。
「消滅術のわりには変な術だな・・。スピードも遅いから逃げられるぜ。」
レイオスがそう言うと、全員がその場から離れた・・。

「ヘーベルさ〜ん。動力炉の点検に・・。」
戦艦内部の作業員の一人が、ヘーベルに近寄ろうとしたその時!
「ぎゃああああああああっ!!!
重力の球体が、戦艦内部の作業員を吸い込んだ!
そして、重力の球体は消えてなくなった・・。

重力の球体が消えたのを確認し、レイオスたちが戻ってきた。
「何ぃ!!わしの重力の球体をかわすとはなかなかやるのう・・。だが、魔導戦艦の内部の作業員が一人消えてしまったがな・・。」
ヘーベルがそう言うと、背後からレイオスが剣で斬りかかった!!
「喰らええええええええええっ!!!
レイオスは勢いをつけてヘーベルの背後に回りこみ、一気に斬りつけた!
「何ぃっ!?
ヘーベルが振り向いた瞬間、レイオスがヘーベルの体に剣を突き刺していたのだ・・。
「外からの攻撃が効かないなら、内側に攻撃をすればいいことだ!!喰らえ、聖光伝導波!
レイオスが術を唱えると、体に突き刺した剣の先から光のエネルギーが放たれ、ヘーベルの体の内側にダメージを与えた!!
「ガハアッ!!
レイオスの攻撃により、ヘーベルは体の内側から光のエネルギーで焼かれた!

「これで終わったのか・・。動力炉に進むぞ・・。」
レイオスたちが動力炉に向かおうとしたその時!ヘーベルが起き上がった!
「グググ・・。まだだ・・。まだだっ!!わしはまだ負けるわけにはいかん!お前たちにフルメタル・ヘーベルハウスの真の能力を見せてやろうではないか・・!!
ヘーベルは全エネルギーを開放し、変形を試みた!
ガシャガシャガシャ!!
ヘーベルの鎧が徐々に変形を開始し、さらに強固な鎧に変貌を遂げた・・。

数秒後、ヘーベルの変形が完了した!
「フハハハハッ!!これが我が究極の形態、「ヘーベルアーマー・ルフトモード」じゃ!!耐熱・耐震を備え、そしてあらゆる呪文の効果をわずかなダメージに変換する能力をもっているのじゃ!つまり、お前たちには打つ手なしということじゃ!
ヘーベルがそう言うと、レイオスが答えた
「じゃあ試しに俺が呪文を唱えてやろうか?
レイオスがそう言うと、術を唱えてみた・・。
「喰らえ、波導の術!翔炎波!
レイオスの手のひらから炎の波動が放たれ、ヘーベルに攻撃した!
しかし、ヘーベルの体にあたったが、ダメージを与えられなかった!!
「無駄だといっておろう・・。わしにそんな術が通用すると思うか・・何ぃっ!!
レイオスは強固なヘーベルの弱点である顔を狙っていた!
「ぎゃあああああっ!!
ヘーベルはレイオスの意表をついた攻撃により、顔を焼かれた!
「顔だけが無防備なようだな・・。強固な鎧だが、鉄仮面も捨てがたいもんだな・・。おれは動力炉に向かうぜ・・。」
レイオスがそう言うと、ヘーベルの強固な鎧が解け、ただの鉄の板に戻った・・。

「ちくしょう・・。なぜお前らごときに・・・。この壁の魔導士と謳われるこのわしが負けるとは・・。無念じゃ・・・。」
ヘーベルが最後にこう言うと、跡形もなく消えてしまった・・。
「さぁ、動力室に向かいましょう・・。はやくこの魔導戦艦をなんとかしないと、この世界の危機につながるわ!!
リュミーネがそう言うと、全員は動力炉に向かっていった・・。

一方コントロールルームでは、仮面の魔導士が一人操縦していた・・。
彼の手からは、淡い光を放っていた・・。
「ヘーベルの生命反応が消えた・・。我が下っ端の中でも強固なタフネスを誇る壁の魔導士のヘーベルが倒されたか・・。まぁいい、奴みたいなクズでも少しは力の足しになるようだな・・。レイオスの奴め、この魔導戦艦に乗り込みよったか・・。」
仮面の魔導士はヘーベルが死ぬ間際に、エナジーと魔力をすべて吸い取っていたのだ!!
つまり、ヘーベルが消えた原因は、エナジーと魔力をすべて吸い尽くされたことにより、消滅してしまったからだ。
「まぁいい・・。レイオスたちを倒せば私は強大なエナジーと魔力が手に入る。クックック・・・。」
仮面の魔導士は笑いながら、操縦を続けるのであった・・。

ついに動力室に乗り込むレイオスたち!!
動力室のなかで、彼らは何を見る!!

 

 

 

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