新章激闘編第二十二話 レイオスvsリュミーネ
一仕事を終えた仮面の魔導士が、レイオスたちのいる牢獄にやってきた・・。
「ほほう・・まずはレイオスを始末するとしよう・・・。後の仲間は後で始末する・・。」
そう言うと彼はレイオスを牢獄から引っ張り出し、奥の部屋に向かった・・。
「もう目覚めてもよいぞ・・。ウェイクアップ!」
仮面の魔導士が目覚ましの術を唱えると、レイオスは一瞬にして目が覚めた。
「おい仮面の魔導士!!俺たちを捕らえてどうするつもりなんだ!!」
レイオスがそう言うと、仮面の魔導士がこう答えた
「お前たちの強さはなかなかのものだ・・・。私はその力を利用し、創造の神と共にこの世界を浄化するのだ!!おっと・・話はさて置き、お前にはあっと驚くものを見せてやろう・・。」
仮面の魔導士は部屋の奥の扉を開けた。するとレイオスの目に意外な光景が目に映った!
「こっ・・・、これは一体っ!!」
「ケッケッケ・・・!誰かと思えば、レイオスじゃないかぁ・・・!」
「イヒヒヒヒヒヒッ!ブレア、こいつ邪魔だから殺しちゃおうよ〜♪」
狂気に満ちた二人の笑いに、レイオスは言葉も出なかった・・。
無理も無い。今まで彼と一緒に苦難を乗り越えてきた仲間が、敵に変わり果てていたのだ・・。
「くっ・・・!お前、ブレアとリュミーネに何をしたっ!!」
レイオスが怒りの表情で仮面の魔導士を睨み付け、こう言った!
「ハハハッ!今はもう私の操り人形だ!お前が何を言おうが二人には聞こえないぞ・・。つまり、二人は永遠に闇に染まることになるのだからな!」
その言葉にレイオスが怒りの表情で叫んだ!
「きっ・・、貴様ぁっ!!それでも人間かぁっ!!」
レイオスの言葉を受け流すかのように、仮面の魔導士が答える。
「私は人間だが・・・、それが何か!?」
仮面の魔導士は冷たくレイオスをあしらった後、レイオスを指差し、こう言った!
「さぁお前たちよ、レイオスを殺してしまえっ!私は地上に向かう!後は頼んだぞ!」
そう言うと二人はレイオスに襲い掛かってきた!
「リュミーネ、あいつを倒せばよいんだね・・。」
「ええ・・。そうよ、あの邪魔者を始末すれば、仮面の魔導士から褒美がもらえるんだもの・・。」
襲ってくる二人に、レイオスは驚いていた!
「ちょっ・・!お前たちっ!何をするんだ!」
レイオスは咄嗟に襲い掛かる二人の攻撃をかわし、こう言った!
「やめろ二人とも!俺はお前たちと戦うつもりはない!だからお前たちもやめるんだ!」
レイオスは二人に戦いをやめるように言ったが、二人の耳には届かなかった・・。
「そんなこと言ったって、私は昔の私には戻らないわ・・。だって私、この闇の力を失いたくないの!ねっ、ブレア!」
「この闇の力は仮面の魔導士からもらった力だ!だから僕は仮面の魔導士のために戦っているんだぜ!この僕が命令を聞くとしたら、僕たちの主たる仮面の魔導士の命令のみだぁっ!!」
二人はためらいも無く、レイオスに襲い掛かってきた!
「わかってくれないのか・・・。ならこちらも戦うしかないな・・。絶対にお前たちを助けてやるからな!!」
悩みぬいた末、レイオスはついに戦うことを決意した!
「フンッ!何の覚悟かと思えば、私たちに殺される覚悟かしら・・。じゃあ遠慮なく倒しちゃいましょ・・。」
「そうだねリュミーネ!邪魔者は僕の闇の炎で灰にしてくれるわ!!」
レイオスが双剣を鞘から抜いた時、二人も戦闘態勢に入った!
「喰らいなさい!ダークウェイブ!」
「喰らえっ!!ダークフレイム!!」
ブレアの闇の炎と、リュミーネの闇の水流がレイオスを襲う!
しかし、レイオスは動こうともしなかった・・。
「ハハッ!!このまま倒されなさいっ!!」
闇の水流がレイオスを飲み込もうとした瞬間、彼の法衣が伸び、レイオスの体を覆い、水流から身を守った!
「なっ・・・なんだこの力はっ!?」
レイオスは法衣に秘められた力に驚いていた・・。
「水流が効かないなんて!ならば僕の闇の炎で燃え尽きろっ!!」
ブレアの闇の炎が、レイオスに襲い掛かった!
しかし、法衣によりダメージを受けなかった!!
「なるほどな・・。この法衣はあらゆる身の危険から身を守るというわけだな・・。俺の魔力が反応したのか・・。」
レイオスは法衣の隠された能力を見つけた!
「あの二人を元に戻す方法が見つからん・・・。とにかく今は考えよう・・。」
レイオスは二人の攻撃を避けながら、しばらく考え始めた・・。
「さぁレイオス・・。おとなしく死んじゃいなさい・・。逃げ道なんてどこにも無いんだから・・。」
「どうしても諦めないみたいだね・・。そんなに死にたいみたいだね・・。」
レイオスは二人の容赦ない攻撃を必死で避けていた・・。
闇に染まった二人が、徐々に仲間たちの友情を破壊しつつあった・・。
「そうだ!あの波導の秘術だ!あいつらに※ソウルリライブを唱えれば、何とかなるかも知れないな・・。しかし、今となってはタイミングが必要だ、何とか動きを止めれば・・。」
[※新章第十五話参照]
すべてを思い出したレイオスは一気に反撃に出た!
「一人を動けなくしない限り、術が唱えられない・・。足を攻撃して動きを封じるとしよう!」
レイオスはそう言うと、リュミーネに足払いを仕掛けた!
「甘いわ!!こんな攻撃、私に通用するのかしらっ!!」
しかし、足払いはリュミーネに交わされてしまい、リュミーネから蹴りを御見舞いされた!
「ぐえっ!」
レイオスは蹴りの一撃を喰らった!
「ちくしょう・・。次はブレアに足払いを仕掛けよう!!」
レイオスはブレアに足払いを仕掛けた!
「こんな攻撃っ・・・!うわあっ!!」
ブレアはレイオスの足払いを喰らい、転んだ!
「さてと・・・。まずはリュミーネにソウルリライブを唱えよう。だが奴は抜け目が無い。何とかして動きを止める方法・・・んっ?」
レイオスがそう言うと、リュミーネのほうを見てにやにやと笑い始めた・・。
「そうだ・・。あの福与かな胸を掴めば奴は一瞬動きを止めるかもしれないな・・・。ウッシッシ!」
邪な発想を考えたレイオスはにやけながら、一気にリュミーネのほうへと走り出した!!
「な・・・何をするつもりだっ!!」
リュミーネがそう言うと、レイオスの攻撃を受け流す体勢に入る!
「すまないリュミーネ!お前の動きを止めるにはこれしかなかったんだ!!」
レイオスはリュミーネの背後に忍び寄り、一気に彼女の大きな胸を掴んだ!
「うわぁ。すげぇ柔らかい・・・。」
初めて触れる女の大きな胸に、レイオスはすごくうれしそうな表情であった・・。
「この変態め!」
リュミーネは胸を掴むレイオスを投げ飛ばした!
「とうっ!」
しかしレイオスは見事に着地した。
胸を触られたリュミーネは、しばらく恥ずかしがっていた!
「よっしゃあ!!奴は恥ずかしがっている!!今のうちに唱えるぜ!」
レイオスはそう言うと、波導の力を一気に解放した!
「まずは一体!波導の秘術!ソウルリライブ!」
レイオスは光の輪をリュミーネに向けて放った!
その光の輪はリュミーネの周りを囲んだ!
「わ・・私の闇の力が・・消えていく!!」
リュミーネは眩い光に包まれていった・・・。
しばらくして、元のやさしいリュミーネの姿がそこにあった!
「成功だ!後はブレアを元に戻そう!」
レイオスが立ち上がった瞬間、リュミーネが怒りの表情でレイオスにこう言った・・。
「闇に染まっているのをいいことに、よくも私の胸を掴んでくれたわね・・・。」
強烈な威圧感が、レイオスを圧倒していた!
「こ・・これはお前を元の姿に戻すための方法だったんだ!!」
怒りの表情のリュミーネはレイオスに殴る蹴るなどの暴行を一分以上加えた・・。
ドカッ!!バキッ!ドカドカッ!!
「次やったら殺す・・。いいわね!!」
その言葉に傷だらけのレイオスはこう答えた・・。
「ご・・ごめんなざい・・・。」
傷ついたレイオスが立ち上がった瞬間、転んでもがいていた闇に染まったブレアが立ち上がった!
「レイオス!ブレアを元に戻すわよ!殺さない程度にしなさいよっ!!」
「わかったぜリュミーネ・・。なんとか手加減して戦うぜ・・。あいつは俺たちの仲間だからな・・。」
二人がそう言うと、一気にブレアに向かっていった!
レイオスは闇に染まったリュミーネを解放することに成功した!
しかし闇に染まったブレアが二人の前に立ちはだかる!!