新章激闘編第二十一話 闇に染まった二人

 

異常なまでの魔力を開放した仮面の魔導士が、レイオスたちに襲い掛かってきた!
「奴め、さっきまでとは魔力が桁違いに強くなっている!!だとしたら今まで奴は魔力の8割も出していないということか・・。」
レイオスがそう言うと、気づかれないように付いてきていたリデューが答えた
「奴はかなり強くなっている!今の君たちでは到底かなわない!!僕が奴をひきつける!だから君たちは外に逃げるんだ!!
リデューの合図で、全員が一気に走り出した!
しかし、仮面の魔導士はすばやい動きで回り込んだ!
「フッフッフ・・・、逃がすものか!!アビスウェイブ!
「うわあっ!!
仮面の魔導士の手のひらから、深淵なるエネルギーが放たれ、レイオスたちを吹き飛ばした!!
「みんな!僕にかまわず先に進むんだ!!
しかしリデューは怯まず仮面の魔導士をひきつける体勢に入る!
「ここから逃げるぞ!リデューのがんばりを無駄にはするな!!
レイオスの合図で、全員が一気に脱出口へと走り出した!

しかしレイオスたちを執拗に追ってくる仮面の魔導士・・・
リデューが咄嗟の判断で千里眼を発動し先回りしていたおかげで、何とか退路が開けた!
「このガキ・・・!!ならばこれでどうだ!G・キューブ!
仮面の魔導士が呪文を唱えると、脱出口の前に大きな四角の物体が道をふさいだ!!
「ちくしょう!退路が断たれた!こうなれば全力で戦うぞ!
レイオスがそう言うと、全員が一気に戦闘態勢に入った!

「無駄なことを・・・ならばこちらも全力で戦うとするか!!
仮面の魔導士が杖を取り出し、一気に襲い掛かってきた!
「喰らえ、エビルスタッフ!
仮面の魔導士の杖術が、レイオスたちを次々となぎ払っていく!
「ふんっ!!
ドカッ!バキッ!
「うわあっ!!
手に持った杖の一撃により、全員はその場に倒れた。
「クックック・・これでわかっただろう・・・。私には勝てないということを!!
仮面の魔導士がレイオスたちをあざ笑った!
しかし攻撃を受けていないリデューがレイオスたちのところに駆け寄り、こう言った
「僕の千里眼によると、奴は今からエルジェを侵略しようとしているんだ!だから・・僕の最後の力で君たちを出口にテレポートしてあげるよ・・。」
リデューがそう言うと、リデューは一気に魔力を開放し始めた・・。
魔力を開放したリデューの様子に仮面の魔導士が、リデューの所へ来た・・。
「ここから逃がしてなるものか!!喰らえ、スリーピングガス!!
仮面の魔導士は口から睡眠ガスを吐き出した!
「な・・なんだこの煙は・・眠気が・・。」
部屋中に充満する睡眠ガスがレイオスたちを襲う!
しかし、眠くて何もできない!
「もうらめぇ・・私も眠たくなって・・きちゃった・・・。」
リュミーネが眠気を訴え始めたとき、ブレアがリュミーネに問いかけた
「眠っちゃダメだ!早く鼻と口をふさぐんだ。みんなも、できるだけこの煙を吸い込まないようにするんだ!
ブレアが全員にそう言った瞬間、ブレアに睡魔が襲った!
「眠っては・・いけないんだぎゃ・・・眠たくなっちゃった・・・。」
ドサッ・・。
ブレアはとうとう眠ってしまった!
「どうしたんだみんな!このまま・・・じゃ・・。」
ドサッ・・・。
ボルガがとうとう眠ってしまった。
そして数分が過ぎたとき、ついに全員が眠ってしまった!

「これで全員眠ったか・・。こいつらはこのバトルパークで秘密裏に作られた地下牢獄兼魔力実験室に運ぶとしよう・・。話はそれからだ・・。」
仮面の魔導士が眠っているレイオスたちを一人ずつ地下牢獄へと転送させた後、自らも地下へと向かった。

「ふう・・やれやれだ・・。」
ドサッ・・・。
地下魔力実験室に着いた仮面の魔導士は、眠っているレイオスたちを一気に牢獄へと打ち棄てた・・。
「ここに長居は無用だ・・。やることをやってからエルジェを侵略するとしよう・・。」
仮面の魔導士が考えていると、ふと何かの提案が頭を過った!
「そうだ!!奴らの仲間を利用してレイオスをこの世から消してしまえばよい!!そうと決まれば早速計画を開始だ!まずはあの炎の男と青い髪の女を利用するのも面白い・・・。」
そう言うと仮面の魔導士は、牢獄からブレアとリュミーネを引っ張り出し、すぐそこにある部屋に来た
「さぁ、起きてもらおう・・。ウェイクアップ!!
そう言うと仮面の魔導士が目覚ましの術を唱え、二人を無理やり起こした・・。
眠りがさめた二人は、寝ぼけた表情でこう言った・・。
「あれ・・・ここはどこだ・・。」
「あ・・・ここは一体・・。」
二人がそう言うと、二人がこう言った
「こ・・この何かの設備は、一体何の真似です!
「この設備を使って悪巧みをしようとたくらんでいるのか!?
そう言うと二人は仮面の魔導士を怒りの表情で睨み付けた!!
「教えてやろう・・これはお前たちの体に邪悪な霧を散布させ、無理やり闇の力を植えつける装置さ・・。まぁお前たちにはレイオスの始末を頼もうと思ってな・・。」
その言葉に二人はこう答えた!
「仲間を裏切るなど、絶対にあってはならない所業!
「僕の仲間を利用するなんて、許せない!!
二人の言葉に仮面の魔導士が答えた
「問答無用だ・・。さっさと行け!!
仮面の魔導士が何かの杖を振った!
すると二人の体が一気に設備の中へと吹き飛ばされた!
「ハハハハハッ!!吹き飛ばしの杖も持参していてよかったぜ・・。では起動させるぞ!
仮面の魔導士がスイッチを押すと、一気に邪悪な霧が二人を襲った!

そして30秒が過ぎた・・

「そろそろできたようだな・・では設備のドアをあけるぞ・・。」
仮面の魔導士がドアを開けると、そこには邪悪なオーラを放つ二人の姿があった・・・しかし、リュミーネだけが邪悪に染まっては居なかった!邪悪に染まっていたのはブレアだけであった・・。
「ブレア・・どうしちゃったの・・私がわからないの・・・。」
リュミーネの言葉に、ブレアが答えた
「に・・・逃げろっ!!!リュミーネっ!!
その言葉を最後に、ブレアは一気に邪悪に染まってしまった!
「おっと、あの女だけが邪悪に染まっていなかったようだな・・ここは私が行こう・・。」
そう言うと仮面の魔導士は注射器を持って部屋の中に入った
「よし!ブレアといったな!あの女を羽交い絞めにしろ!
そう言うとブレアはリュミーネを羽交い絞めにし、仮面の魔導士が注射器をもって迫ってきた・・。
「ちょっ・・・やめてブレア!!あなたはそんなことする人じゃないわ!はやく目を覚まして!
しかし、彼の耳にはその言葉は届かなかった・・。
「はははっ!!そいつはもう私の操り人形だ!お前の言葉などもう届きはしない!さぁ、お前も私の仲間になろう!!
そう言うと仮面の魔導士はリュミーネに注射器を翳した・・。
「な・・何をする気ですかっ!
リュミーネがそう言うと、仮面の魔導士が答えた
「この注射器の中には、闇のエネルギーである魔素が凝縮されてあるのだ。あの霧と同じ成分だ・・。霧が効かない相手には、この注射で闇に染まるのだ!
その言葉にリュミーネがじたばたし始めた
「いやあああーーーっ!!やめてっ!注射はいやああぁーーーーーっ!!
リュミーネは涙を流しながら逃げようとするが、闇に染まったブレアに羽交い絞めにされて動けない!
仮面の魔導士はその隙にリュミーネの腕に注射の針を刺した。
「やめてっ!!やめてーーーーーーーっ!!

グサリッ・・・
注射器の魔素が、リュミーネの体に注ぎ込まれていく・・。
魔素の力が、血液を逆流させ、脳髄を蝕んでいく。
「や・・・めて・・・・。注射だけは・・・・。」
注射を打たれた彼女は、一瞬にして理性が消し飛び、邪悪に染まってしまった・・。
「さぁ二人よ、レイオスを抹殺してくるのだ!
仮面の魔導士がそう言うと、邪悪に染まった二人はレイオスの下へ向かった・・。

邪悪に染まったブレアとリュミーネが、レイオスに襲い掛かろうとしていた・・。
仮面の魔導士の卑劣な魔手が、手を伸ばしつつあった。

 

 

 

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