新章激闘編第十七話 ファルスvsソウガB

 

「死にたく・・ない・・よ・・・まだいっぱいしたいことがあるのに・・・。」

リュミーネは巨大かつ凶暴な獣と化したソウガに投げ飛ばされた彼女は、涙を流しながら急降下していた。
「わたしを・・赦して・・・ブレア・・。ずっと一緒に居たかったのに・・。こんなところで死んじゃうなんて・・、私って最後まで不幸だったわ・・。」
リュミーネの体が、一気に地面へと落ちていく・・・。
「さようなら・・・ブレア・・。今まで・・ありがとう・・。」
リュミーネは死を覚悟したのか、静かに目を閉じた・・・。

「叶うわけ無いか・・・。どうせ私死ぬんだから・・。でも叶うなら・・翼がほしい!そして・・誰かを守れるだけの力が・・・欲しい!
リュミーネは叶うわけもない願いをつぶやいた・・。
彼女の体が地面に叩き付けられそうになった・・・その時!!

「あれ・・・。私、生きてる・・。」
気がつくと彼女の背中から氷でできた翼が生えていた!
「ええっ!?本当に翼が生えてきた!これってまさか本当に願いが叶ったってわけ!?
リュミーネは死の恐怖から「生きたい」という思いがぶつかり合い、奇跡的に彼女は浮遊術(フロウ・スペル)「氷魔の翼」を会得した。
「まずは試しに羽ばたいてみるわ。まずは空を飛ぶという感じをイメージしなきゃ・・。」
リュミーネは心の中で空を飛ぶという感じをイメージした・・。
すると氷の翼がバサバサと羽ばたきだした・・。
「さぁ、早速戦線復帰よ!
リュミーネは氷の羽を羽ばたかせ、一気にファルスたちのところに戻ってきた!

実況「おおっーと!奇跡です!ファルス選手の仲間、リュミーネがまさかの戦線復帰です!
実況が拡声器を片手にアナウンスをはじめた!
「よかった・・・。生きててくれて・・。」
ブレアは戦線復帰したリュミーネを見て、思わず涙ぐんだ・・。
「まさか・・!?いつのまに浮遊術まで覚えたんだ・・?とりあえず戦闘開始だ!
こうして四人は再び戦いの場に復活した。

しかし、浮遊術を覚えたばかりのリュミーネは、氷の力を制御できずにいた・・。
「寒いわ・・。このままだと私が凍って・・。」
「氷魔の翼」の発動により、リュミーネの心が徐々に凍り付いていく・・。
「お願い・・誰か助けて・・・このままじゃ・・凍っちゃ・・・。」
彼女の異変を察知したブレアは、リュミーネを後ろから抱き寄せ、こう言った・・。
「大丈夫だ。ゆっくりと心を開いて・・。無理しなくていいから・・。」
彼の温もりに触れ、リュミーネはゆっくりと心を開いていった・・。
「寒くない・・。ありがとう・・ブレア・・。」
「もう大丈夫だ・・。じゃあ僕も・・。浮遊術(フロウ・スペル)!炎魔の翼!
翼の生えた二人は一気に空へと飛び立った!!

実況「ありえないことが起こったーーーー!!二人の背中から翼が生えたーーーー!これから反撃開始だこのやろう!!
実況は拡声器を片手にアナウンスをはじめた実況は、マイクを拡声器に近づけた!
「全員耳ふさいでろよぉ!!喰らえ!ハウリング!

キィーーーン!!

耳を劈く音が、ソウガを襲った!
仲間たちは耳をふさいでいたおかげで助かった・・。
「俺だってこのぐらいできるんだよこのやろう!!
実況はさらに攻撃を仕掛ける!
「大きい声でお前の聴覚を狂わせてやるぜ!全員耳ふさいでろよぉ!ハイパーボイス!!
実況はマイクに向かって思い切り大きな声で叫んだ!

実況「ボエーーーーーーーーーーッ!!!

実況の濁声が、ソウガの耳に大きなダメージを与えた!
ソウガは嫌な音の連続で耳をふさいでいる!!
実況「さぁみんな!今のうちに反撃だこのやろう!
実況の合図で、ファルスたちは一気に反撃を開始した!

ファルスは作戦を立て、仲間たちにこう言った・・。
「ブレア!リュミーネ!お前たちは空中からソウガをうまく撹乱しろ!俺はできるだけ時間稼ぎをする!実況はハイパーボイスで耳をつぶしてくれぇ!
ファルスは仲間たちと実況に指示を与えた!
「一年前の・・リーダーが・・戻ってきた!わかりました、やるだけやってみます!
「それでこそリーダーよ・・。できるだけあなたたちを助けるわ!
二人はソウガの顔あたりまで来て、クルクルと旋回し始めた・・。
「よし!いいぞ!このまま一気にあいつの目を回せ!
ファルスがそう言うと、次は実況が反撃に出た!
「俺もがんばるぜぃ!!
実況は勇気満々な笑みを込め、マイクに向かって大声で叫んだ!

実況「ソウガァー!!お前はドーピングで失格だぁーーーーーーーー!!

実況の大きな声が、ソウガの耳に大きなダメージを与える!
ソウガの耳に大きなダメージを負い、もうたっていられないほどだ・・。
「この前アメリア様から譲り受けた槍があったんだ・・。ここで試してみるか・・。」
ファルスは長細い箱をあけ、中身を見た・・すると・・・!
「ええっ!!これってもしかすると・・組み立て式なのか!!
箱の中を見ると、そこには槍の刃が5本・長槍・近距離用の柄が2本・そして、最後の1本の変な形をした刃が謎であったが、ファルスは気にしなかった・・。
「刃の部分は獣・竜・水棲族・物質族・そして最後にアンデッド用の聖なる刃が入ってるとは便利だ・・。でも最後の変な形の刃がやけに気になるな・・。まぁ後で調べてみるか・・。」
ファルスはそう言うと、槍を組み立て始めた・・。
「奴は獣系だから・・獣に大きなダメージを与えられるこの獣破刃をセットだ!
ファルスは槍の刃の部分に獣破刃をセットし、槍をその手に握り締めた・・。

「これぐらいやれば、奴の目はクルクルだ・・。」
「そうね・・。このくらいで止めましょうか・・。」
二人は回転をやめ、ファルスたちのところに戻ってきた。
「グオオオオオ・・・。」
ソウガは二人の目回し攻撃を受け、目を回して救護施設の屋上に頭を出して倒れた!
「よし!今こそこの槍の威力を試す時が来た!
ファルスは槍を握り締め、一気にソウガに攻撃を仕掛けた!
「受けてみろ、光迅槍・獣破衝!
ファルスの槍が、ソウガの頭に突き刺さった瞬間、ソウガが元の姿に戻り、その場に倒れた・・。
「やった・・のか!?
その言葉に実況が答えた
「やった!奴は気絶してるぜ・・。とりあえず勝利のアナウンスを送るぜ!
勝利を確信した実況は、アナウンスを送った!
実況「ソウガ選手・戦闘不能!ファルス選手の勝利!よって、勝者!レイオスチーム、ファルス選手とその仲間たち!!
実況がそう言うと、ファルスに勝利の証のシンボルを手渡した・・。
「お前にこれをくれてやるぜこの野郎!!
ファルスはコロシアムホールの勝利の証である「タクティクスシンボル(金)」をゲットした!
共に戦ったブレアとリュミーネにもシンボルが渡された・・。

「ソウガ選手には厳重注意をしておくぜ。ファルス選手、明日のシンボル授与式には絶対来いよな!!
実況はそう言うと、急いで階段を下りていった。
「お前たちのおかげで、助かったぜ・・・。」
ファルスは二人に感謝の言葉を送った
「仲間ですから、助けるのは当たり前ですよ・・。」
「さぁ、夜も遅いし、もう寝ましょう・・。ファルスも私とブレアの部屋で休まない・・?ベッドのほうは二つしかないけど、私とブレアが添い寝すれば何とかベッドが余るわ・・。」
リュミーネの言葉に、ファルスがこう答えた
「助かる・・。俺も疲れていたところだから。共に休ませてもらうぜ・・。」
ファルスはそう言うと、救護施設の203号室へと向かい、傷ついた体を休めるのであった・・。

凶暴化したソウガを倒した3人は、救護施設で休息をとっていた・・。
バトルパークで行われる次なる戦いとは・・・!?

 

 

 

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