新章激闘編第十六話 ファルスvsソウガA

 

凶暴化したソウガにより、コロシアムホールから観客が消えた・・。
そして残ったのはファルスとソウガ、そして実況の3人となった。

「ガルルルルル!!
ソウガはいきなりうなり声を上げてファルスに鋭い爪を立てて襲い掛かってきた!
「はあああっ!!
ファルスは槍を構えてソウガの攻撃を防いだ。しかしソウガは爪を突き出して体を回転し始めた!
「グルルルルッ!!
爪を立てて回転するソウガの攻撃に、ファルスは押されていた・・。
「やばいな・・。とにかく今は少ない時間で考えるんだ!この状況を切り抜ける方法を・・!!
ファルスはそう言うと、手に持った槍を放して一気にソウガから離れた!!

ソウガから離れた瞬間、ソウガは一気に壁に激突した!
しかし、爪が壁に突き刺さって身動きがとれずもがいていた・・。
「グルル・・!!
もがいているソウガは、低いうなり声を上げていた
「この勝負!もらったぜえっ!!
ファルスは再び槍を握り締め、石突でソウガの背中を突いた!
「グギャアアアアアアッ!!
背中を突かれたソウガは、うめき声を上げながら気絶した・・。
実況「ソウガ選手・・、戦闘不能!ファルス選手の勝・・!!?
実況が勝利の雄たけびを上げようとした瞬間、ソウガが立ち上がった!
突き刺さった鋭い爪を犠牲にし、なんとか立ち上がったのだ・・・。
「グググ・・・。この勝負はオレが勝つんだ・・。どんな手を使ってでもな!!
ソウガはそう言うと、一瞬理性を取り戻した・・。
「フンッ!俺の最後の飲み薬を使ってやる!これはどこぞの国の裏ルートで手に入れた代物だ!こいつはさっき飲んだ薬の十倍・・いや百倍の効果があるんだ!!しかしこの薬の副作用は知らんがなぁ・・。」
ソウガはファルスに謎のカプセルを翳しながらこう言った。
「今度は何の薬だ・・。また服用する気か!!
ファルスがソウガにこう言った瞬間、すでにソウガは薬を飲んだ後であった・・。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
「な・・なんだあれは!!?
ファルスがソウガのほうを向いた瞬間、驚くべき光景がそこにあった・・。
ソウガは巨大な獣と化し、コロシアムホールを破壊していた・・。

「この野郎・・、なんてことしやがるんだ・・。あの薬はいったい何なんだ・・。」
ファルスはソウガのほうを見て愕然となった・・。
無理もない。
この状態でファルスがソウガに勝てる確立はもはや皆無である・・。つまり、このままではバトルパークのすべてが破壊しつくされるのだ。
そうなればもはやこのバトルパークにとどまらず、全世界をも破壊しかねない状況である・・。
「奴め・・、どこに向かおうとしているんだ・・。」
ファルスはソウガを追うため、コロシアムホールの外に出た・・。
ファルスが外に出た瞬間、実況は拡声器を持って外に出てきた。
「なんで実況がついてくるんだ!
ファルスが実況にそう言うと、実況がこう答えた
「俺も実況って言う仕事があるんでな・・。悪いがお前さんについていくぜ・・。」
ファルスにとっては迷惑だが、実況が仲間に加わった・・。

実況を仲間にしたファルスは、早速ソウガを追うことにした。
「早くソウガを見つけないと他変なことになってしまう・・。実況も頼んだぞ。」
ファルスと実況はあわてて走り出した!
「ファルス選手よ!ソウガを見つけたぞ!奴は今救護施設を襲撃するつもりだ!
暴走するソウガを止めるため、ファルスと実況は救護施設へと向かっていった・・。

一方救護施設では、寝ていた二人も異変に気づいていた・・。
「一体何の騒ぎなんだ・・。ケガ人が大勢搬送されているようなんだが、外に出てみよう・・。」
「しかし・・、なぜこんなことになったのかしら・・。」
ブレアとリュミーネは病室を出ると、そこには驚愕する光景が目に浮かんだ・・。

「うわあ・・・、こっ・・この光景は!!?
二人は愕然となった表情だった。
そこには病室に入りきらないほどの軽傷者が大勢搬送されていた。
するといきなり二人の人間がこっちに向かってきた!
「こっちです実況!この屋上に行けばあいつを止められる可能性があるかもしれない!!
「たった今救護施設の屋上に向かおうとしています!ソウガ選手とファルス選手の戦いは!いっきにヒートアップだぁ〜!!
走ってくる二人の正体はファルスとコロシアムの実況であった!
それを見ていた二人はファルスの後を追った・・。

二人はようやく救護施設の屋上を目指すファルスと実況に合流した。
「お、お前たち!どうしてここに居たんだ!?バトルゲームでケガをしたのか?
その言葉に二人は答えた
「そのとおりだ。バトルゲームで傷を負ってここに運ばれてきたんです・・。」
二人の言葉にファルスは答えた
「しかし今はバトルゲームの最中だが、すこしハプニングがあってこの屋上に急いでいるところだ・・。邪魔をしないでくれ・・。」
ファルスがそう言うと、実況が答えた
「確かに・・。今はバトルゲームの最中だが・・。ここは危険な状況だ。ソウガ選手があの状況だ。ファルス選手一人では勝ち目はない・・。あの二人にも協力してソウガ選手を止めてもらえるように頼んでみるぞ・・。」
実況がそう言うと、実況は二人に共闘してもらうように頼んだ・・。
「お願いだ・・。ソウガ選手を止めてくれ・・。頼む!!
実況の言葉に、二人の返答はあっさりOKだった。
「仲間の危機なら一緒に戦うのが、仲間である僕たちの役目なんだ!
「お供します・・実況さん・・。あなたがそう仰るのなら・・。」
二人はそう言うと、ファルスと実況と共に屋上へと向かった・・。

「グルオオオオッ!!
屋上にやってきたファルスたちの前に現れたのは、巨大かつ凶暴化したソウガの姿であった・・。
「な・・何なの・・あれは!?
「こ・・これは一体!!
二人は凶暴な獣と化したソウガを見てそう言うと、一気に戦闘態勢に入った!
「こいつが決勝戦の俺の相手だ・・。謎の薬を飲んだ途端にこうなってしまった・・。早くあいつを止めないと全世界までもが破壊されてしまう!
ファルスがそう言うと、全員がソウガに向かっていった!

しかし巨大化したソウガに敵うわけが無く、軽くあしらわれてしまった・・。
「みんな諦めるな!ここで諦めてしまっては希望は無い!持てる力を出し切り、あいつにぶつけるんだ!
ファルスがそう言うと、全員が再びソウガに向かっていった!
「きゃあっ!
しかしリュミーネがソウガの大きな腕に掴まれてしまった!
「グルオッ!
ソウガはリュミーネを掴んだまま空高く投げ飛ばした!
「きゃああああああっ!!
リュミーネは叫び声をあげながら大きく投げ飛ばされた!
「リュミーネっ!!!
ブレアとファルスは叫んだが、むなしく夜空に響き渡った・・。

投げ飛ばされたリュミーネは、涙を流しながら静かにつぶやいていた・・。
「死にたく・・・ない・・よ・・。まだいっぱいしたいことがあるのに・・・。」

凶暴化したソウガに、ファルスたちが立ち向かう!
ソウガに投げ飛ばされたリュミーネの運命は!?

 

 

 

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