新章激闘編第十三話 ブレアvsヴェアールA

 

海へとダイブしたブレアは、海から上がってきた・・。
「さぁ・・、戦いの続きだ!!
ブレアが再び剣を握り締め、一気に反撃に出た!
「さっきまで不様な姿をさらしていたお前が、一気に表情が変わったな。だが、ここで終わりにしてやろう!!これでも喰らえ、水流波!
ヴェアールが水の一撃を放ち、ブレアを追い詰める!
「水の術ですか・・・。だがこの勝負、負ける気はしませんよ・・。喰らえ、波導の術、陽熱風(コロナ・ウインド)!
ブレアは手のひらを両手に前に突き出し、強烈な熱風を巻き起こした!
熱風の勢いが、ヴェアールの水流をどんどん後ろに追いやっていく!!
「何ぃ!?わしの術が炎ごときに・・。小癪なまねを・・。」
「炎を帯びた突風は、何者も吹き飛ばすさ!
ブレアの熱風が、ヴェアールの水流を相殺した!

「相殺・・、だと!!このわしの術が!
ヴェアールは悔しい表情でこう言った。
「あの水の力・・。僕と互角だ・・。ならばもう一度ここで浮遊術を唱えるとしよう・・。浮遊術(フロウ・スペル)!炎魔の翼!!
ブレアが術を唱えると、背中に炎でできた翼が生えた!
「浮遊術か・・。若造よ・・、面白い術を持っておるな・・。ならばこちらも浮遊術で対抗しよう・・。浮遊術(フロウ・スペル)!水魔の翼!
ヴェアールが術を唱えると、背中に水の力を宿した翼が生えた!
「こ・・、こいつも浮遊術を・・。空中戦に縺れ込んだか・・。」
ブレアがそう言うと、一気に攻撃を仕掛けるのであった・・。

空中に舞い上がった二人は、空中戦を繰り広げていた。
「わしの力をなめるでないぞ!!
「こちらこそ僕の力をなめないでいただこう・・・。」
カキンッ!!
バキンッ!
剣と杖が激しくぶつかり合い、火花を散らしていた。
増していく二人の苛烈なる戦い・・。
二人の姿はまさに獲物を狙う隼と鷹のようであった・・。
「喰らえ!ウォーターウィップ!
ヴェアールは伸縮自在の水の鞭で、ブレアに攻撃を仕掛ける!
しかし、ブレアのすさまじい速さについてこれるわけが無く、かわされてしまった!
「今度はこっちだ!喰らえ!ファイアウェーブ!
ブレアは炎の波動をヴェアールに向けて放った!
「こいつで相殺じゃ!ウォーターボール!
ヴェアールの水の波動により、ブレアの術が相殺されてしまった!
「しまった!
ブレアがひるんだ隙に、ヴェアールの杖がブレアを捕らえた!
「スキあり!!
ガキンッ!
ヴェアールの重い杖の一撃が、ブレアの脳天に強烈なダメージを与えた!
「ぐわああああっ!!
ブレアはダメージを受け、一気にバランスを失い、真っ逆さまに墜落していった・・。

「これでわしの勝ちは決まった!さぁ、わしの娘を返してもらうぞ!
ヴェアールがそう言った瞬間、すさまじい速さで一気に上昇していく物体が横切った!
「何者だ!!
ヴェアールが上昇する物体に目を向けると、ヴェアールの頭上にブレアがいた・・。
「僕はまだ負けたわけではないよ!今度こそ決着をつけてやる!
ブレアは一気に浮上し、風上から一気に反撃を仕掛けた!
「こいつめ!!風上から反撃を仕掛けるとは!!だが、わしの水術で終わりにしてやろう!受けてみろ!ウォーターサイクロン!
ヴェアールは水の竜巻をブレアに向けて放った!しかし、ブレアは風上にいるため、水の竜巻は逸れてしまった!
「何ぃ!?
「これだ!これを狙っていたんだ!風をうまく利用すれば、水の攻撃は受けない!つまり、僕の炎の術は、風上の影響によって確実に相手にダメージを与えられるのさ!つまり、もう君は打つ手なしだ!
ブレアはそう言うと、一気に炎のエネルギーを集め始めた!
「我が炎の剣よ・・。剣の先に炎の力を込め、何者も焼き尽くす炎の嵐を生み出さん!喰らえ!バーニングスト−ム!
ブレアが剣先に集めた炎の力を一気に解放し、炎の嵐を巻き起こした!
「な・・、炎の嵐が・・。風の影響で形を変えた・・!?
ブレアの炎の嵐は、風をも巻き込み、一気に炎の竜の形を形成していった・・。
つまり、風上を取ったブレアの戦略が勝利に結びついたのだ!
「ぐ・・ぐぐぐっ!!ぐわあああああっ!!
ヴェアールは炎の竜の一撃を受け、地面へと落下した!
ブレアが風上を取った知略に長けた反撃によって、ヴェアールを打ち破ったのだ!

勝負に勝ったブレアは地面に着地した・・。
「勝ったぞ・・。でももう力が・・。」
ブレアはすべての力を使い果たし、倒れてしまった・・。
「お前には負けた・・。まさか風上を取っての反撃を仕掛けるとは思わなかったな・・。お前になら、娘を幸せにしてやれるはずじゃ・・。」
ヴェアールはそう言い残すと、そそくさと去っていった・・。

「こっちで大きな音がしたんだけど・・。どこにブレアがいるのかしら・・。」
まだ傷が痛むリュミーネは救護施設にある乗り物に乗り、ブレアを探していた。
「この辺で・・・あれはもしかして、ブレア!!
リュミーネは倒れているブレアを見つけた!
「ブレア!大丈夫!?
リュミーネがブレアを乗り物の中に乗せると、一気に救護施設へと戻っていった・・。

ブレアはついにリュミーネの親族、ヴェアールを打ち破った!
それぞれの戦いを経て、二人の絆が強くなるような気がした・・。

 

 

 

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