新章激闘編第十二話 ブレアvsヴェアール@

 

草むらから現れたコートを身に纏った人間が、救護施設へと入っていった・・・。
「わが娘よ、今助けてやるぞ!!
コートの男がそう言うと、救護施設の中へと入っていった・・。

リュミーネは赤炎院ブレイザーとの戦いによって大きな深手を負い、救護施設の203号室にいた。つまり、昔ブレアがいた病室であった。
「まったく・・。腕試しといいながらやりすぎなのよ。あんたの父さん・・。」
リュミーネは愚痴をこぼしながらブレアの方を見てこう言った
「父さんはいつもああなんだ・・。戦いになると勝つことだけしか考えない炎の戦士なんだ・・。うわさだけど、今まで僕の国の武術大会では負けたことがないんだ・・。」
ブレアはブレイザーのことをリュミーネに話した
「そう・・。さっきの戦いの後、あいつはこんな下劣なことを言っていたわ・・。「こんな色っぽい騎士が彼女なら、そばにいるだけで彼は幸せなはずだ・・。」とね。」
その言葉にブレアが答えた
「父さん・・。きれいな人を見るとついつい調子に乗りすぎるんだから・・。じゃあ僕は薬局に行って回復の薬を買ってくるよ・・。」
そう言うと彼は病室を出た・・。

病室を出たブレアの目の前に、ローブの男が目に映った・・。
「お前・・、リュミーネの知り合いか・・。」
ローブの男がブレアに問いかけてきた
「そ・・、そうですが。それがなにか?
ブレアが困惑した表情でこう答えた
「お前に少し話があるのでついてきてもらおう・・。ここで話すと厄介なことになるのでな。」
ローブの男がそう言うと、ブレアが答えた
「ちょっとまってくれ!薬局で買い物を頼まれているので早く行かなきゃならないんだ!
ブレアがそう言うとローブの男が答えた。
「わざわざ買いに行かなくともこんな物くれてやる。私の鞄には山ほどあるのでな・・。」
ローブの男がそう言うと、ブレアにエリクサー手渡した。
「こんな高価な物、本当にいいんですか!?
ブレアがローブの男にこう言うと、ローブの男が静かに頷いた
「どこの誰かか知らないけれど、ありがとうございます!
ブレアは感謝の言葉を残し、病室へと向かった・・。

ブレアはさっきのローブの男からもらったエリクサーを手に取り、病室へと戻ってきた・・。
「買って来たよ。」
「すー・・、すー・・。」
ブレアが来たころには、すでにリュミーネは静かな寝息を立てて眠りに付いていた・・。
「寝てるか・・。ならこのエリクサーはテーブルにおいておくよ・・。ではこれから散歩に行こう!
そう言うとブレアはエリクサーをテーブルに置き、散歩に出かけた。

散歩の途中で、またもやローブの男と出くわしてしまった・・。
「お前か・・、また会ったな。早速話の本題に入ろうではないか・・。」
そう言うとローブの男が問いかけてきた
「話とは・・、何のことですか?」
その言葉にローブの男がこう答えた。
「ああ・・。リュミーネとお前がどういう関係だということを知りたいのだ・・。さぁ、私についてきてもらおう・・。」
ローブの男がそう言うと、ブレアが答えた
「わかりました・・。取り合えず話しましょう・・。」
ブレアがそう言うと、ローブの男についていくことにした・・。

こうしてブレアとローブの男は、バトルパークから離れた海岸沿いの砂浜にやってきた・・。
「ここなら人気が少ない・・。さぁ話してもらおう・・。君とリュミーネとの関係を・・。」
ローブの男がブレアに話しかけてきた
「リュミーネは僕の愛しい人です・・。言うなればリュミーネの彼氏というわけなんです。そのことはほかの人には黙っていてもらえませんか・・。」
ブレアがそう言うと、ローブの男が考え始めた・・。
「わかった・・。ならお前は、彼女のことを心から幸せにすることができるか!?
ローブの男がそう言うと、ブレアが答えた
「今はまだ付き合ったばかりなんで、今は友達からはじめているところなんだ・・。」
その言葉を聞いたローブの男が黙り込んだ・・。

(やはりあの男・・、容姿端麗なわが娘を彼女にして・・、その美しくむちむちした肢体を思いのままに抱いていやがったのか・・!?

ローブの男が怒りの表情で心の中でそう言うと、もう一度話の本題に戻った・・。
「そうか・・。ならば本当にお前はリュミーネの彼女として相応しいかを今ここで試してやるとするか!!
ローブの男がそう言うと、ローブを脱ぎ捨て、正体を現した!
「私の名は浄光院ヴェアールと申す!私の娘であるリュミーネをたぶらかしているのはお前のことだったのか!
ヴェアールがそう言うと、ブレアが答えた
「あなたはリュミーネの親族だったのですか!?しかし僕はリュミーネをたぶらかしたりはしてはいない!彼女から僕と付き合ってくれと言ってきたんだ!
ブレアがそう言ったものの、ヴェアールの耳には届かなかった!
「若造よ、わが娘、返してもらおう!!喰らえ、水圧波!
ヴェアールはブレアに向けて水の波動を放った!
「わかってもらえないなら・・。こちらも戦いますよ!!
ブレアが戦闘体制に入り、ヴェアールの水の波動をかわした!

「貴様・・。なかなかの腕前だな・・。こちらもやってやろうではないか・・。」
ヴェアールがそう言うと、一気にブレアに突進してきた!
「わが一撃、受けてみろ!!
ヴェアールが杖を持ち、一気にブレアに向かってきた!
「と・・、突撃してきたか・・。僕はそういうノータリンな考えは嫌いなんでね・・。僕は知略に長けた騎士なんだから!浮遊術(フロウ・スペル)・炎魔の翼!
そう言うとブレアは一気に空中に飛び上がった!
「うむむ・・・・。空中に飛び上がるとは卑怯なやつめ・・。打ち落としてくれる!古代術(グラン・スペル)海の鉄槌(オセアン・ハンマー)!!
ヴェアールが術を唱えると、海の水が一気にブレアに押し寄せてきた!
「うわあっ!!水が・・、押し寄せてくる!ここは高速移動で逃げるしかないね・・。」
ブレアは高速移動でヴェアールの術をすばやい動きでかわした!
「どうする・・・。ここで一気に反撃を仕掛けるか・・、ここは一気に逃げるのか・・。考えるんだ!!この状況を切り抜ける方法を!!
ブレアがそう言うと、静かに考え始めた・・。

「何をボサッと考えておるのだ!勝負に考える暇などない!!
ヴェアールがそう言うと、術を放つ構えを取った!
「フハハハハ!喰らえ、波導の術・水魔咆哮!!
ヴェアールが術を唱えた瞬間、海の水が獅子の形になり、その口からすさまじいスピードで水の銃弾が放たれ、ブレアを襲う!!
「この水の銃弾!あの男の術か!?
ブレアが振り返った瞬間、水の銃弾が炎の翼に命中した!
「しまった!!炎魔の翼がっ!!
炎の翼にダメージを受けたブレアは、一気にまっさかさまに落ちて行った・・。

「フハハハハッ!!わしもノータリンな考えは嫌いなものでな・・。昔から水の知将と呼ばれていたのだよ・・。」
ヴェアールがそう言うと、地面へと落ちていくブレアを見ていた・・。

「このままでは地面に落下してしまう!このままだとまた病院送りになってしまう!ここは一気に海のほうに向かって粘るしかないな・・。」
ブレアはそう言うと、両手を鳥のようにじたばたさせ、海のほうを目指していた・・。
それを見ていたヴェアールは、笑いをこらえていた・・。
「ぷぷっ・・。不様じゃな。もっとその不様な姿を見せてくれ!ギャハハハハハハハッ!!
ヴェアールは笑いをこらえ切れなかったのか、とうとう笑ってしまった。
「あの男・・。僕のことを笑っている!!まるで馬鹿にしているかのように・・。」
ブレアはそう言うと両手をじたばたするのを止めた・・。
「ん・・。あの若造め・・。おもしろい動きを止めやがったか・・。」
ヴェアールは真剣なまなざしでブレアを見つめていた・・。
「もう下が海だ・・。そろそろ降りよう!
そう言うとブレアは一気に海へとダイブした!!

突如現れたリュミーネの親族、浄光院ヴェアール!!
ブレアはこの勝負に勝つことができるのか!?

 

 

 

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