新章激闘編第十一話 リュミーネvsブレイザーA

 

反撃の態勢をとったリュミーネは、一気にブレイザーに向かっていった!
「はあああああっ!!
リュミーネは槍を握り締め、一気に空中に飛び上がった!
「あの女・・。飛び上がったな。だが、俺の炎の力で打ち落としてくれる!!
ブレイザーは目を閉じて炎の力を集めていた・・。
「今だっ!!古代術(グラン・スペル)!獄炎弾!!
ブレイザーはリュミーネに狙いをさだめ、一気にリュミーネに巨大な地獄の火炎弾を放った!!
「何!?あの人、古代術(グラン・スペル)も使えるの!!だったらここは一年鍛えた私の槍術で打ち負かしてあげるわ!喰らいなさい、浄光槍・奥義!水流槍!
リュミーネが槍に魔力を込めると、荒れ狂う水流がリュミーネ体を包み込んでいった・・。
「ふんっ!!その奥義を出したとしても、わが炎の力には勝つことはできん!!
ブレイザーがそう言った瞬間、荒れ狂う水流を纏ったリュミーネが一気にブレイザーめがけて急降下した!!
「何ぃ!!あの女!私に向かってくる!だが、あの巨大な炎に打ち勝つことはできん!地獄の炎よ、あの女を飲み込んでしまえ!
ブレイザーに向かって急降下してくるリュミーネは、その巨大な地獄の炎の中へと消えていった・・。
その一部始終を見ていたブレイザーがそう言うと、勝利を手にしたかのようにほくそ笑んだ。

「ふっ・・、この勝負は俺の勝ちだ。今日を持ってブレアとの交際を・・・ん!?
ブレイザーが空を見上げたとき、地獄の炎に飲まれたはずのリュミーネが急降下してきた!
「ええええっ!!あの女、私の炎の中で生きていたというのか!?
ブレイザーが驚愕していた・・。
「私の水の力をなめないでいただこうかしら・・。この勝負、私の勝ちよ!
ブレイザーの炎の中から現れたリュミーネが、一気にブレイザーに突進した!!
「ま・・、待ってくれぃ!!奇襲攻撃とは卑怯だぞ!
「受けてみなさい!これで終わりにして差し上げますわ!!
リュミーネの槍が、ブレイザーに一気に襲い掛かった!!

ザシュッ!!

ブレイザーの頭の中に敗北の文字がよぎった時、奇跡は起きた!
リュミーネの槍はブレイザーの頭から離れたところに突き刺さっていた・・。
「見事だ・・。私の完敗だ。これからもブレアのことをよろしくな・・。」
ブレイザーがそう言うと、リュミーネが答えた
「私の勝ちだわ。これからもブレアと一緒にがんばるわ。」
その言葉を聞いたブレイザーは、リュミーネに話しかけてきた
「あんた・・、私の地獄の炎に突進し、なぜ生きていたのだ・・。」
ブレイザーの問いにリュミーネが答えた
「その原理はこうですわ・・。今から話してあげるわ。」
リュミーネが延々とその訳を話し始めた・・・。

時をさかのぼること数分前・・。
ブレイザーが勝利を確信したとき、リュミーネは炎の中で生きていた。荒れ狂う水流を纏い高速回転をしながらブレイザーの炎の中を突き進む!
「やばいわね・・。水がどんどん水蒸気に変わっていくわ。このままだと炎に焼き尽くされちゃうわ!でもここであせれば黒焦げになってしまう・・。ここは冷静な判断で魔力を練りこむしかないわね・・。」
リュミーネは静かに目を閉じ、一気に全魔力を開放し、水の力を高めた!
ブレイザーの強大で巨大な地獄の炎に対し、リュミーネはその槍の先端に水の力を集め、さらに回転を加え始めた!
そこに彼女の魔力と回転とスピードが加わり、絶大なる破壊力を生み出し、まさにリュミーネは、ブレイザーの巨大な地獄の炎をも貫き通す「水竜」となる!!
こうして彼女は、この窮地を乗り越えたのである!!

「そうか・・。お前の水の力には負けた。お前の言うとおり、水の力を持つものと炎の力を持つ者が一緒にいても大丈夫ということが証明されたということだ。まぁブレアも、こんな色っぽい騎士が彼女なら、そばにいるだけで彼は幸せなはずだ・・。」
ブレイザーの言葉にリュミーネはひどく赤面した・・。
「げ・・、下劣なことを仰らないでください!
反論するリュミーネにブレイザーは答える
「すまないすまない・・。ついつい本音が出てしまった・・。」
その言葉にリュミーネはこう答えた
「その本音がいけないの・・・よ・・・。」

ドサッ!

リュミーネはすべての魔力と体力を使い果たし、倒れてしまった。
「大丈夫か!?いまから救護施設に運んでやるぜ!
ブレイザーは傷ついたリュミーネを抱きかかえようとしたとき・・・。

「リュミーネを探していたらこんな空き地に来ちゃったよ・・。」
そこに現れたのはブレアであった!
「と・・、父さんじゃないか!!
ブレアはブレイザーの姿を見てこう言った
「おお・・。わが息子ではないか・・。こうして会うのも何年ぶりになるのだろうか・・。」
ブレイザーがブレアの頭を掴みながらこう言った
「僕も会いたかった・・。こうして父さんが戻ってきてくれてうれしいよ・・。」
ブレアは目に涙をためながらこう言った
「ブレアよ・・、こんな私を許してくれ。子供のお前を残して失踪したこんな私でも許してくれるか・・。わが息子よ・・。」
その言葉を聞いたブレアは答えた
「父さん・・、いや、赤炎院ブレイザー様よ、一年前にレイオスたちと共にベルフェルトの魂を完全に光の中に葬り去りました!
ブレアはかしこまった表情でブレイザーに言った。
「そうか・・。ついにベルフェルトが完全に消えたか・・。お前は偉大なる功績を成し遂げたんだ!千年前の炎帝ジョンでも成し得なかったことを・・。私はとてもうれしいぞ・・。」
ブレイザーの言葉にブレアが答えた
「それより父さん・・、なぜリュミーネが倒れているのですか・・。」
その言葉にブレイザーが答えた
「あの女が息子を幸せにできるかどうかを試してみただけだ・・。あの女には負けたよ。水の力と気迫で負けちまった・・。ブレアよ、その女が手遅れになる前に早く救護施設に連れていけ。」
ブレイザーの言葉にブレアは答えた。
「わかりました・・。今から救護施設に向かいます。僕は絶対にリュミーネのことを幸せにして見せます!!
そう言うとブレアは傷ついたリュミーネを負ぶさって救護施設に向かった・・。

「腕試しって言ってもやりすぎだよ父さんは・・。こうしてリュミーネが僕の背中に負ぶさっていると、なんだか涼しい気分だ・・。」
ブレアはリュミーネを負ぶさって、救護施設へと向かった・・。

ブレアがリュミーネを負ぶさっている姿を、草むらから見ている一人の男がいた・・。
「あの男がリュミーネの彼氏か・・。あの男がリュミーネを誑かしておったのか・・。許さん!!
男がそう言うと草むらから飛び出し、救護施設の中に入っていった・・。

突如現れたリュミーネのすべてを知る謎の人物!
ブレアに新たな敵が襲いかかろうとしている!!

 

次の話へ

 

前の話へ

 

新章激闘編TOP