新章激闘編第十話 リュミーネvsブレイザー@

 

ローブをまとった男が、救護施設の中に入り、カウンター越しにいる看護員に話しかけてきた。
「すみません・・、ブレア殿はどこの部屋に入院しているのですか・・・。」
そこの言葉に看護員がこう答えた
「ブレア様の部屋は203号室にいます。」
看護員の言葉に、ローブの男が答えた
「ありがとうございます。」
ローブの男がそう言うと、ブレアのいる203号室へと向かった・・。

一方そのことを知らないリュミーネはブレアの看病をしていた・・。
「やはりファージャとの戦いで体力と魔力を使いすぎた・・。すまない、リュミーネ。エーテルを買ってきてくれないかな・・。できればお徳用の物で。」
ブレアがそう言うと、リュミーネが答えた
「わかったわ・・。いまから買ってくるから休んでて・・。」
リュミーネはそう言うと、203号室の外に出た・・。

「薬局はどこかしら・・・。」
リュミーネが救護施設の案内図を見ているとき、ローブをまとった男が話しかけてきた・・。
「君・・、ブレアの知り合いだと聞いたが、そのとおりか・・。」
ローブの男の問いに、リュミーネは答えた
「何、私はブレアの知り合いだけど、それがどうしたのですか?」
リュミーネの言葉に、ローブの男が答えた
「そうか・・。ならちょっと話があるのでついて来てもらおう・・。」
その言葉にリュミーネはこう言った
「私、今ブレアにエーテルを買ってきてくれと頼まれたので今から薬局に行く途中ですわ。用があるなら買い物が終わってからにしていただけませんか・・・。」
リュミーネの言葉にローブの男が答えた
「わかった・・。ブレアの頼みごとが終わってから、救護施設の外まで来てくれ・・。」
ローブの男がそう言うと、そそくさと去っていった・・。

リュミーネは買い物を済ませ、ブレアのいる203号室へと戻ってきた・・。
「ブレア、エーテル買ってきたわよ・・。」
「すー・・すー・・。」
ブレアは疲れたのか、静かな寝息を立てて眠っていた・・。
「そう・・。寝てるのね・・。ならテーブルの上に置いておくわ。」
リュミーネはテーブルの上にエーテルを置くと、203号室から出て、ローブの男が待つ救護施設の外に向かった・・。

リュミーネが救護施設から出ると、ローブの男がいた
「待たせたね・・、頼みごとは終わったわ・・。」
リュミーネの言葉に、ローブの男が答えた
「待っていたぜ・・。さぁ、私について来てもらおう・・。ではついてきたまえ・・。」
ローブの男がリュミーネにこう言った・・。
「まさか・・!?私に変なことしようって言うことじゃないでしょうね!!
リュミーネがローブの男に話しかけた。するとローブの男が答えた
「いや・・。何も疾しい事は考えてはいない!ただ君とブレアとの関係を聞きたいだけだ。あと少しだから、早く来たまえ。」
ローブの男の言われるがまま、リュミーネはローブの男について行った・・。

二人はバトルパークから少し離れた路地裏の空き地にやってきた。
「こんなところに呼び出してすまない・・。君はブレアとどういう関係なんだ・・。」
ローブの男がそう言うと、リュミーネがこう答えた
「では話しましょう・・。後生ですからそのことは他の誰にも言わないで・・。あなただけの秘密にしてもらえますか・・。実は私とブレアは恋人同士ですわ・・。言うなればブレアの彼女というわけなの・・。」
その言葉にローブの男がこう答えた
「そうか・・。恋人同士か・・。話が飛ぶが君の属性は何の力だ?
ローブの男がリュミーネに話しかけてきた
「私の力は水と光です・・。私は水の国ウォルティア出身です。」
リュミーネの言葉に、ローブの男がこう答えた
「ちょっと待て!!炎の天敵である水だと!フレイヤードの人間が水の力を持つ者との交流は禁じているのだ。なぜならばフレイヤードの人間のみ使える炎の力が失われてしまうからだ!君はそのことを知らないのか!!
ローブの男がこわばった表情でこう言うと、リュミーネが答えた
「それは迷信ですわ!いままでブレアは私と共に旅をしていても、ブレアの炎の力が使えなくなった事などひとつもありませんわ・・。これ以上水の民を侮辱する事を言わないで!
リュミーネの言葉に、ローブの男が怒りの表情を露にした!
「わからないのも無理はない・・。ならば君はブレアを幸せにできない!今すぐにでも交流をたつべきだ!ブレアの将来を思って言っているんだ!
ローブ男の言葉に、リュミーネが答えた
「何ですって!!ブレアを幸せにできないとはどう言うことよ!ブレアは私と一緒にいて、一度も幸せじゃないときなんてなかったわ!それ以上酷いことを言うと、私も怒りますからね!!
リュミーネがローブの男に怒りの言葉を投げかけると、ローブの男が答えた
「ほう・・。君がそこまで言うのなら無理はない・・。」
ローブの男がそう言うと、身に纏ったローブを脱ぎ捨てた!!

ローブの男がローブを脱ぎ捨てると、そこにはブレアと同じ髪型の姿がそこに居た・・。
「あ・・、あなたのその姿・・!!ブレアとそっくりじゃない!
リュミーネがローブの男の姿を見て驚いた!
「そうだ・・。ブレアとそっくりだと君は言ったね・・。なぜならば私はブレアの父だからだ・・。自己紹介が遅れたが、私の名は赤炎院ブレイザーだ!
赤炎院ブレイザーがそう言うと、リュミーネがこう答えた
「あなたはブレアの父だったのですか!だが、私たちウォルティアの民、そしてブレアを侮辱した以上、あなたを倒さなくてはなりません!!
リュミーネの言葉に、ブレイザーが答えた
「よく言ったな小娘!ブレアを幸せにできるかどうかを試してやる!!君が勝ったらブレアとの交際を続けてもよいが、もし私が勝ったらブレアとの交際を一切禁ずる!持てる力を出し切り、尚且つ命がけで来い!さもなくばこの場で焼き尽くされるぞ!
ブレイザーがそう言うと、ブレイザーは戦闘態勢に入った!!

「どうやら話してわかる相手じゃなさそうね・・。ならば思い知りなさい!水の力を!!
リュミーネはそう言うと、長槍を握り締め、一気にブレイザーに突っ込んできた!
「ほう、君は長槍の名手のようだな・・。ならば私はこの鍛え抜かれたこの拳で相手になってやろう!
ブレイザーは鍛え抜かれた拳に炎の力を集め、リュミーネに放った!
「喰らえ、火炎波動弾!
ブレイザーの拳から放たれた炎の波動が、リュミーネを襲う!
「こんなもの、私の槍で跳ね返してあげるわ!
リュミーネは巧みな槍術でブレイザーの炎の弾を跳ね返した!
「なんとか跳ね返せた・・。だがまだまだあいつはやる気だわ・・。」
リュミーネが安どの表情を浮かべた途端、跳ね返したはずの炎の弾が後ろから襲った!
「色っぽい浄光騎士さんよぉ・・、後ろに気をつけな。」
ブレイザーがそう言った瞬間、リュミーネが振り返ったが、すでに遅く、炎はリュミーネの背中に命中した!
「キャアアアアアアッ!!
リュミーネは炎の弾の一撃を喰らい、その場に倒れた!

「おいおい・・、もう終わりか?そんなことでは俺に勝つことはできんな・・。」
ブレイザーがそう言った瞬間、リュミーネが立ち上がった・・。
「まだ・・、やれるわっ!!あんたなんかに絶対負けない!私はあんたに勝ち、ブレアを幸せにしてみせる!
リュミーネは立ち上がり、再び戦闘態勢に入った!
「ほう・・、まだやる気か・・。お前がいくら足掻いたって無駄だ。おとなしくギブアップしておけ・・。私は君を殺したくはないんだ!
ブレイザーがそう言うと、リュミーネが答えた
「ギブアップですって・・!私はギブアップなどしませんわ!この勝負だけは負けられませんわ・・。」
リュミーネがそう言うと、再び戦いが始まった・・。

「まずは私から行くわよ!水波導の術、激流葬!!
リュミーネが術を唱えると、大きな波がブレイザーに押し寄せてきた!
「激流葬か・・。いい術持ってるじゃないか・・。ならば私はこの術で相殺する!炎波導の術、焔柱!
ブレイザーが術を唱えると、大きな火柱が立ち、リュミーネの術をかわした!
「わ・・、私の激流葬が効かないなんて・・。なんて奴なの!
リュミーネがそう言うと、ブレイザーがこう答えた
「私の炎は水の力をも粉砕し、そして蒸発する!!よって君の水の力は無力に等しい!その勝負、私が勝つに決まっているのだからな!
ブレイザーの言葉が、リュミーネを威圧したが、リュミーネはそれを振り払うかのような言葉でこう答えた。
「ならば私は、知略と策略であなたを倒す!!水の力がだめならば、それを上回るほどのすばやさと作戦で逃げ切れるまで逃げ切るわ!それに私は、光の術も使えるのよ!あまり私をなめると痛い目に合わせますわよ・・。」
リュミーネがこう言うと、一気に反撃を開始するのであった・・。

ブレアの父、ブレイザーと対峙するリュミーネ。
果たして勝利の女神は誰に微笑むのだろうか・・・。

 

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