新章第五十四話 闇の王の脅威

 

レイオスをのぞく全員がメルファの中に乗り込んだ時、レイオスはたった一人で闇の王のいる闇の深淵を歩いていた・・。

「ここが扉の奥の闇の世界か・・。なんだか陰気な世界だな。空も紫色だし、大地は黒色で気味が悪い所だな・・。早速先を進むぞ。」
レイオスがそう言うと、辺りを見回した・・。
闇の世界の木々は枯れていて、緑の色が一つも無かった。そこには毒々しいまでの紫と黒の色で統一されていて、とても人間が住めるところではなかった・・・。
「何だここは・・。ネズミ・・いや、人が居る気配もないな・・。」
闇の世界には人や生き物などいなかった。その世界にいるものはすべて魔物であった。
しばらく歩いていると、レイオスの前に魔物が現れた

「うっへっへっへ・・・・。うまそうな人間が迷い込んできたぜ。」
「女かと思ってたら男か・・。俺は男より女のほうが食いたいんだ!!
上級悪魔のギガントイーターが2体現れた。
「お前たちに構っている暇はない!消え去れ悪魔どもめ!崩魔陣!
術を唱えた途端、レイオスの周りに魔方陣が現れ、ギガントイーターの2体を葬り去った!
「これで邪魔者はいなくなった・・。さぁ先を進もう・・。」
レイオスは闇の王のいる城へと向かっていった・・・・。

城へ向かう途中、レイオスはふと扉の向こうに行く前の出来事を回想していた・・・。
「みんな、俺はこの扉の向こうにいる闇の王を倒し、平和を取り戻してみせる!!みんなに送る言葉を考えたので聞いてくれないか・・・。」
レイオスがそう言うと、仲間達が答えた
「行って来るのか・・・。行くからには必ず闇の王を倒してくれ!!
「必ず待ってるわ!!
「僕もあなたの帰りを信じています。」
「死んだら許さねぇからな!!
仲間達がレイオスにこう言った。
そして、レイオスが仲間達に送る言葉を話した・・。
「ボルガよ、俺が死んだら俺の代わりに最強の座に立ってくれ・・。」
「ブレアよ、お前の力で必ずリュミーネを幸せにするんだぞ・・。」
「リュミーネよ、俺と一緒に旅してたときはおしどり夫婦のような関係だったが、今度はお前が、ブレアを幸せにする番だ・・。」
「ファルスよ、リーダーとなって俺たちを先導してくれた・・・。礼を言う。」
レイオスの仲間への送る言葉が終わった。
すると後からリュミーネが檜の棒でレイオスを殴りつけた!
「ちょっと!!変な事言わないでよ!!
しかしレイオスはひらりと身をかわした。
「ハハハ・・。今度はかわせたぜ・・。」
レイオスが攻撃を避けた瞬間、リュミーネの平手打ちがレイオスの頬に炸裂した!
「レイオス、一瞬の油断が命取りになるわよ・・。それから、大体なぜ私とブレアがおしどり夫婦のような関係ですって!!私はそんな関係じゃないわよ・・・。でも、今はそんな感じかな・・。確かに今までブレアと一緒に同行して、共に助けたり助けられたりしたわ。あなたの言うとおり、私がブレアを幸せにするんだからね・・。」
その言葉にレイオスはこう答えた
「そうだな・・。確かに油断していたかもしれないな・・。かわせたと思ったら次の攻撃が来るんだからビックリしたぜ・・。でも今の平手の一撃はクリーンヒットだったぜ・・。」
レイオスの言葉にブレアはこう言った
「僕は・・、あなたの言うとおり、リュミーネを幸せにして見せます!だからレイオスは、闇の王を必ず倒して僕達のいる戻ってきてください!!
その言葉にレイオスは最後の言葉を仲間達に話した
「みんなありがとう、こんな俺のために・・・。もし俺が死んだら、ヴィクトリアスの城にいる王を尋ね、ヴィンの墓の横に俺の墓を作ってくれとい言ってくれ・・。みんな、こんな俺と一緒に旅をしてくれた事を忘れないぜ・・。みんなと会えて良かった。」
レイオスは闇の世界へと続く扉を開け、先に向かう前に、本当の最後の言葉を送った
「みんな・・、今まで、ありがとう・・。」
レイオス自身の目にも、涙が流れていた・・。
きっとレイオスの気持ちは仲間たちと同じで、今まで旅をしてきた仲間と別れるのが辛かったのであった。仲間達も、必死で涙を堪えて闇の世界に旅立つレイオスを見ていた・・・。
「闇の王を倒すために闇の世界に旅立つ勇者に、光あれ!
全員が涙を堪え、レイオスに最後の言葉を送ると、レイオスは闇の世界へと旅立ったのである!!

「思い起こすと涙が出るぜ・・・。みんな元気してるかな・・。」
レイオスは回想を終え、闇の王のいる城へと突入した!!

闇の城についたレイオスは、闇の王がいる場所を目指し、ひたすら城内探索していた・・。
「この城は迷路のようだな・・。それより、お腹がすいてきたな・・。」
レイオスはベルフェルトとの戦いを終えてから、しばらく何も食べていなかったのだ。
「そうだ!鞄の中にパンがあったんだ。」
レイオスは鞄の中にあったパンを取り出した。
しかしパンは、旅立つ時からあったもので、すでに腐っていた・・。
「くそっ、腐っているじゃないか!!これはここに捨てて、ほかの食べ物を探すとしよう。」
レイオスは腐ったパンを投げ捨て、再び鞄の中を探し始めた・・。
「食べられそうな物はあったんだが・・、薬草や毒消し草しかなかったぜ・・。仕方なく食うか・・。」
レイオスは仕方なく薬草と毒消し草を食べた・・・。
「もぐもぐ・・。こんなものでは腹の足しにはならないな・・・。最低限の食糧を持ってくれば良かったぜ・・。」
レイオスは愚痴をもらしながら、先を進むことにした・・・。

「肉食いてぇ〜・・。何かおいしそうな魔物はいないのかここは?
レイオスは腹が減りすぎて目が回ってきた・・。
その時、目の前に魔物が現れた!
「クワーッ!クワーッ!!
ロックバードがレイオスに襲い掛かってきた!!
「鳥・・、美味そうな鳥肉だぁ〜!!こいつを倒して食ってやる〜!喰らえ、ホーリーフレイム!
レイオスは聖なる炎を放ち、ロックバードを焦がす!
ロックバードは、炎の一撃を受け、地面に倒れた・・。

「鳥は倒した!さぁ腹いっぱい食うぞ〜!!
レイオスはロックバードの丸焼きを食べた・・。
モグモグ・・・
「うまい!!この鳥の締まった肉!毎日食べたいほどだぜ!!
肉を食べて満腹になったレイオスの体に、力がわいてきた!
「おおっ!この体に力がわいてくるぜ!これでしばらく空腹に耐えられそうだぜ。」
レイオスは再び闇の王のいる玉座の間へと駆けていった!!

「ここが闇の王のいる玉座の間か・・・。扉を開けて中に入るか・・・!!
レイオスは扉を開け、闇の王との戦うために中に突入した!

レイオスが玉座の間に入った瞬間、闇の王がこう言った
「全てを我が手に・・、全てを闇に・・。この闇の世界では飽きたらぬ!!表の世界も欲しいのだ!我が闇の城へようこそ・・。私は闇の世界の王、ダークキングだ!そこの人間よ・・。私と共に表の世界を支配しようではないか!その代わり、お前に世界の半分をやろう・・。どうだ、人間よ・・。」
ダークキングはレイオスに交渉したが、レイオスの答えはNOだった
「悪いが、俺は闇の王なんかに加担するわけにはいかん・・・。俺はお前を倒しに来た!!
レイオスの言葉にダークキングは怒りを露にして答えた
「ウヌヌヌヌ・・・!!おのれ人間よ!私の計画を邪魔するというのなら、お前をこの場で殺してやろうぞ!!
ダークキングの言葉に、レイオスは怯むことなくこう叫んだ!
その時!!ヴィンが心の中で問いかけてきた
「自分の持てる力を全て解き放て!そして、闇の王を倒せ!レイオス!!
「闇の世界では飽き足らず、フェルスティアまでも蝕むつもりか!?俺の大切な仲間のいるフェルスティアを蹂躙することは俺が許さん!!さぁダークキング!お前をこの場で倒してやる!このラグナブレードと波導の剣に誓って、必ずだ!!
レイオスとヴィンの心がシンクロし、体が突然光を放った!!
「なっ!?なんだこの光は!!まぶしいからやめてくれぇ!!
その光にダークキングの目がくらんだ!

しばらくして、まぶしい光が消え、レイオスが現れた
「この姿は!!俺の法衣が金色になっているではないか!!
レイオスの法衣が、銀色から金色に変わっていた!
「その姿はお前の使命を全うする聖光神の最後の姿だ・・。この力で、闇の王を倒せ!!
ヴィンが心の中でこう言った
「全てを闇に変えるのみだぁっ!!
「この力で、お前を討つ!!
レイオスは闇の王に攻撃を仕掛けるのであった!!

闇の王のすさまじい闇の力に、レイオスは勝てるのか!?
そして、フェルスティアに残された仲間達はどうする!?

 

 

 

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