新章第五十三話 フィデールの最後

 

「闇の王から貰った闇の力・・・、今こそ見せてくれようぞ!!
アビスフォームと化したフィデールは地獄の業火を纏い、レイオスたちに襲い掛かってきた!!

「おっと・・!このまま戦うのはもったいないな・・。古代術(グランスペル)ファイアウォール!
フィデールが術を唱えると、レイオスとフィデールの周りに、炎の壁が現れた。
「逃げ場をなくされたか・・。じゃあ奴は俺たちを確実にしとめるつもりだ!!
レイオスたちは炎の壁により逃げ道を奪われた
「言い忘れていたが、この炎の壁は徐々にお前たちに迫ってくるぞ・・。時間が経つと最後には炎の壁がお前たちを焼き尽くすぜ!!ハッハッハッ!では私はその外でお前たちが尽きるのを待っておくか・・・。」
フィデールがレイオスたちに嘲笑しながら、ファイアウォールの外に出た
「負けるものか!!お前を倒し仲間達を救う!!
レイオスが炎の壁を壊そうとするが、斬られてもすぐに戻るので、きりが無かった・・。
「私に任せて!
リュミーネが前に立ち、強大な水の術を放った!
「炎には水で!!水波導の術、瀑激流!
巨大な水流が、炎の壁に大穴を開けた!
「穴が開いたぞ!さぁここを出るぞ!!
全員は一斉に炎の壁の外に出た!
その時、炎の壁が完全に炎の柱となった・・。
まさに危機一髪である。

「なっ!!何ぃ!?私のファイアーウォールが破られるとは!!
「さぁフィデール!ここで止めをさしてやる!
レイオスはフィデールに剣を向けたその時、フィデールの体に異変が起きた!!
「かっ!!体が!?私の体が燃えていく!
レイオスたちが見たとき、フィデールはみるみるうちに炎に包まれていく!
「ファイアーウォールは、相手を確実に仕留める術だが、失敗は術者を逆に焼き尽くすという副作用がある古代の術だ!!
ブレアがフィデールの発火現象の事を話した・・。
「私の体が燃えていく!!このままでは炭化するまで焼き尽くされちまう!!
フィデールが命乞いをするが、全員は聞き入れなかった。
「アビスフォームの君が命乞いとは堕ちたものだね・・。これでも喰らえ!断罪の炎!!
ブレアは燃え上がるフィデールにさらに炎の術を仕掛ける!!
「ギャアアアアアアアッ!!
フィデールの体はさらに燃え上がり、全身が炭化寸前であった!
「このままでは済まさん!!我が命燃え尽きる前にお前たちを石にしてくれる!!古代禁術(グラン・フォービドゥンスペル)カオスインフェルノ!!
石の力を宿した邪悪な炎が、レイオスたちに向けて放たれた!!
「フハハハハッ!!石となりお前たちの運命を後悔するがよい!ぐふっ!!
全員が敗北を覚悟したとき、ファルスの召喚獣がいきなり現れ、レイオスたちを庇った!!
「お前たちは!!俺が守ってやる!
闇の姿のファルスが、フィデールの邪悪な炎を全て受け止めた!!
「くそっ・・・。ここまでか光の姿よ・・。レイオスたちよ!後は頼んだぞぉっ!!
闇の姿のファルスは石となり、動かなくなった・・。

「俺の闇の姿が・・。俺たちを守った・・。」
ファルスは突然の出来事に驚いていた。
「お前の召喚獣が、俺たちを生かせてくれたんだ・・。」
レイオスがファルスにこう言った
「ありがとよ・・。俺の闇の姿よ・・。」
ファルスは闇の姿との別れをつげ、仲間達の救出を急いだ・・。

「ありがとう君たちよ。私達はこれにて失礼するよ。」
「この恩は一生忘れないぜ!!
AチームとBチームの全員が、異次元の遺跡からフェルスティアに戻った・・。

「あっ!こんなところにも石版があった!!
ファルスは石版を見つけ、それを読み始めた・・・・。」

――500の年が過ぎた時
闇の王は ここからやってきた・・。
ゆえに この扉を封印する。
闇の世界への入り口をこれ以上広げないためにも・・・。

どうしても入りたいというのなら、条件がある
扉の向こうにいけるのは、一人のみである。
ただし、入ったら二度と元の世界に戻ることは出来ない・・・。

「ええええっ!!!
全員は恐怖で足が震えるなか、レイオスが叫んだ!
「俺が行ってくるぜ!!必ずこの先にいる闇の王を倒してやる!
レイオスの言葉に、全員はこう答えた。
「何を言っているの!?二度と帰ってこれないのよ!!
「ばか野朗!!自ら無駄死にする気か!?
「危ないですよ!これ以上進んではいけない!!
全員が止めに入るが、ファルスが止めた
「待て。レイオスは命をかけてこの世界を守る気なんだ。放っておいてやれ・・。」
ファルスの言葉に全員がこう答えた
「レイオス・・。お前が死んだら許さねぇからな!!
「私・・、あなたが生きて帰ってくるのを必ず待ってるからっ!!
「僕も同感です。必ずレイオスの帰りを待っています!
「レイオスよ・・、俺のリーダーとしての最後の命令だ。さぁ、この扉を開けて、闇の魔王を倒して来い!!!
全員が涙をこらえながら、レイオスの無事を祈った!
するとレイオスの体が光に包まれ、レイオスの装備が進化した!
「これが・・・。聖光神の最後の力・・。俺、絶対にお前たちの所に戻ってくるから待ってろ!!
意を決したレイオスは扉を開け、闇の王との最終決戦に挑むのであった!

大きな扉が音を立ててしまると、全員は一斉に時空船メルファの中に戻っていった・・・。
そう、今はレイオスの無事を信じるしかないのである・・。
「アメリア様、ベルフェルトの邪悪な魂を完全に消し去り、戻ってまいりました!!
ファルスがそう言うと、レイオスがいないことに気がついた。
「レイオスがいないのだがどう言うことだ・・・。」
アメリアが全員に問いかけた
「それは・・。異次元の扉に引きずり込まれた仲間を助ける途中に、石版に書かれていた闇の王の伝説を知った彼は、闇の世界に飛び込んだのです。」
その言葉を聞いたアメリアは、仲間達に叫んだ!!
「ばかものめ!どうしてあの時止めなかったのじゃ!お前たちが止めていたらレイオスは生きていたはずじゃ!!
アメリアの言葉にブレアが答えた
「レイオスは、闇の王がフェルスティアに攻め入ることを予測して行ったのかもしれません・・・。だから、レイオスのことは心配しないで下さい。あいつはきっと帰ってくるんですから!!
その言葉にアメリアが答えた
「そうか・・・。わかった。ならば私も信じよう・・。レイオスの無事を!
アメリアがそう言うと、全員はレミアポリスに戻り、レイオスの無事を待つことにした・・。

レイオスは一人闇の扉に突入した。
はたしてレイオスは闇の王に勝てるのか!?

 

 

 

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