新章第四十七話  立ち上がれリュミーネ!!

 

リュミーネを欠いたレイオスたちは、ベルフェルトに戦いを挑むべく、戦いの準備をしていた。
「これで戦闘態勢OKだ!!行くぜみんな!
全員は準備OKだが、リュミーネがまだショックで立ち直れなかった・・。
「もういや!!こんな戦いなんて!誰か、誰かやってよ!誰かベルフェルトを倒してよぉっ!!
リュミーネは泣きながら全員に言った。するとファルスがリュミーネの前に来た。
「この野朗!!
ファルスは頭に血が上ったせいでついリュミーネの頬を殴ってしまった!!
「キャアアッ!!
リュミーネはファルスの一撃を喰らい、ディオンのところまで飛ばされた!!
「ちょっと待て!女相手に殴ることはないだろ!!ファルス!
レイオスたちはファルスの言動を戒めようとした、しかしファルスはリュミーネにこう言った
「フンッ!好きにしろ役立たずが、そうやってここで腑抜けてやがれ。ベルフェルトは、俺たちで倒す!
ファルスの言動に戸惑いつつも、レイオスとその仲間達は、ベルフェルトに向かっていった・・・。

一方リュミーネは、兄ディオンの死体の前で泣き崩れていた。
「ううっ、兄さん・・・・。兄さん!!
目から涙が溢れて止まらなかった・・・。
やっと再開した兄を、目の前で殺されたショックは心に計り知れないほどのダメージを受けていた。
「どうして・・・、どうして戦う勇気が出ないの・・。私の心がどんどん闇に飲まれていく・・・。」
リュミーネの心は闇に飲まれそうであった。
「兄さんが死ななければ、私は選ばれた勇者のままなのに・・。結局私はレイオスたちの信念を裏切ってしまった・・。私が、私が死ねば兄さんの所に行ける・・。」
リュミーネは手に持った護身用のナイフを取り出し、自分ののど下に向けたその時、扉が開き誰かが現れた!!
「誰・・!?
リュミーネが扉のほうを向いた!
すると現れたのはブレアだった!彼はリュミーネのことが心配で、戦いの場を抜け出し、こっそりここに来たのだ!
「来ないでっ!
突然の出来事にブレアは固まった!
「な・・・、何をしようとしているんだリュミーネっ!!
ブレアが近づこうとした、するとリュミーネがブレアに言った
「来ないでっ!来たら私ここで死ぬからっ!
その言葉を聞いたブレアは、リュミーネに飛び掛った!
「こんなことはやめるんだっ!
ブレアがリュミーネの手に持っているご信用のナイフを奪いとろうとした!しかし!!
「うぐっ!!
ナイフがブレアの手の甲に刺さった!
「離してっ!私を楽に死なせて!
「やめるんだ!ここで死んではいけない!落ち着くんだリュミーネ!」
ブレアはリュミーネのナイフを弾き飛ばした!
「どうして、どうしてよぉっ!なぜ死なせてくれないのよっ!だったら、ブレア!私を殺して!
その言葉を聞いたブレアはリュミーネにこう言いながら平手打ちをした!
「もうやめてくれこんな事は!!君の兄さんはまだ死んではいないんだ!兄さんの耳に手をあて、心臓の音を聞くんだ!!
ブレアに諭され、リュミーネはディオンの胸に耳を当てた・・・。
するとかすかだが心音が聞こえていた。
「ドクンッ・・・、ドクンッ!!
その心音は強く、大きく聞こえていた・・。
その心音を聞き、リュミーネの心は打ち震えた。
「兄さん・・・、生きてて良かった!
ディオンが生きていたことを知り、リュミーネの心が暗闇の呪縛から開放された!
「ブレア・・、ありがとう。私、もう一度戦いたい!!
その言葉を聞いたブレアはこう答えた
「そうこなくっちゃ!さぁ、扉を開けて戦いの場へと戻ろう!!
ブレアはリュミーネをつれて戦いの場に戻ろうとした・・。
「ちょっと待って!!まだやることがあるの!!
リュミーネがブレアを呼び止めた!
「兄さん・・。私、絶対に兄さんの敵を討って帰ってくるわ・・・。」
リュミーネはディオンにそう言うと、回復の薬を口移しで飲ませた。
「そろそろいいかい?レイオスたちも必死で頑張ってるから早く!!
そう言うとリュミーネはこう答えた
「いつでもOKよ!さぁ、あいつに一泡吹かせてやるわよ!!
ブレアとリュミーネは扉を開け、戦いの場に復活した!!
がんばってくれ!リュミーネ!

レイオスたちはベルフェルトに苦戦を強いられていた・・・。
「フハハハハハ!!もうゲームは終わりだな!この俺の強力技でお前らを葬ってやる!!流星群!
ベルフェルトが念じると、空から流星群が降り注ぐ!
「ハハハッ!!お前らはこの技の何発目で朽ち果てるのかな!!
レイオスたちは絶望の淵に立たされた!!
「俺は絶対に負けない!
「このままだと俺の体力ももたねぇな・・・。」
「ブレア・・・!!はやく来てくれ!このままだと死んでしまう!
全員が死を覚悟したとき、ブレアとリュミーネが突然レイオスたちの前に立った!!
「私があなた達を守ってみせる!!セイントバリアッ!!
リュミーネのバリアが、流星群からレイオスを守る!
「リュミーネ・・。来てくれたんだな・・・。」
「助かったぜ・・。お前が来てくれないと死んでいたところだったぜ!!
「ブレアの奴・・。リュミーネを立ち直らせることが出来たか・・・。よくやったぜ。」
全員が一気にリュミーネにパワーを送り、バリアを強化させる!!
「もう誰も傷つけたくないっ!!わたしがみんなを守ってみせる!!
リュミーネが叫ぶと、バリアから強烈な光が差し込み、ベルフェルトの目を晦ませた!

「ゴメンナサイ、みんな。私、必ずみんなの役に立つから!だから・・、私も一緒に戦わせて・・。」
リュミーネの言葉に、ファルスはこう答えた
「俺も殴ったりして悪かった。俺はあの時リュミーネを見てイライラしてついカッとなってしまった・・。役立たずと言ってしまったことは取り消す!本当にごめん。」
ファルスの言葉にリュミーネはこう言った
「ううっ、ありがとう・・、ありがとうみんな・・・。私、がんばってあなた達を助けるわ・・。」
それを見たブレアはリュミーネにこう言った
「ほら、これで涙を拭きなよ。せっかくの綺麗な顔が台無しだよ・・・。」
ブレアはリュミーネにハンカチを差し出した。
「ありがとうブレア・・。さぁ、戦いの続きよ!!みんな、気を引き締めていくわよっ!
リュミーネがそう言うと、レイオスたちはベルフェルトとの戦いに戻るのであった・・。

ブレアのおかげで、すっかり戦う勇気がわいてきたリュミーネ。
この事件をきっかけに、レイオスと仲間の絆が強くなったような気がした・・・。

 

 

 

新章TOP