新章第四十二話 大切な人を守れたらイイナ!

 

リュミーネを守るために暴走したブレアを探すため、レイオスたちは無人発電所を抜け、先にある闇の古代遺跡に向かっていた。
「ブレアはきっとこの遺跡の中で私を探しているの・・・。」
ブレアを欠いたレイオスたちは、闇の古代遺跡の中に突入した!

遺跡の中は、なぜか壁が煤けていた・・・。
ブレアがリュミーネを探し、暴れていた跡なのかもしれない・・。
「この炎の匂い・・、間違いなくブレアの炎の匂いだわ!
リュミーネが煤けた壁の匂いでブレアがここにいると分かった。
「ちょっと待ってレイオス。私は別の道を行くわ。ブレア・・・、待ってて。必ず私があなたを助けてあげるわ。だから悲しまないで・・・。」
リュミーネは一人ブレアを探すため、レイオスとは別の道を行くことにした。

「リュミーネはブレアを心配しているんだろう。行かせてやれ。」
レイオスはファルスに諭され、リュミーネの無事を祈りながら、別の道を行くことにした。

「はぁはぁ・・・、ブレア、必ず私が助けて見せるわ!
リュミーネはブレアを探すため、必死になって入り組んだ遺跡の中でブレアを探していた・・。
一方レイオスたちもブレアを探すために遺跡の中を探し回っていた。
「はやくブレアを見つけ出して、リュミーネに知らせるんだ!!
ファルスはレイオスたちにこう言うと、全員は遺跡の中でブレアの捜索に向かっていた。

「どうして見つからないの・・。ブレアは何処にいるの・・・。」
リュミーネは疲れ果てて座り込んでいた。
「ウオオオオッ!!!
リュミーネの耳に、大きな叫び声が聞こえた!!
「この叫び声、ブレアなのね!!
リュミーネはその叫び声の聞こえる場所へと向かっていった。

レイオスたちにもその叫び声が聞こえていた。
「あれはブレアの叫び声じゃないのか!?
ボルガがファルスに問いかける
「そうだな。リュミーネの言うとおり、ここにブレアはいる!!
ファルスがそう言うと、全員は早速叫び声の聞こえる場所へと向かっていった。

叫び声のあった場所にいち早くやってきたのはリュミーネだった!
「ブレアっ!!
リュミーネがそう言いながら大きな部屋に入ったとき、業火の猿と化したブレアが超魔将軍クラウディーヌと戦っている光景がそこにあった!!
「はぁはぁ・・。なかなかやるわね。じゃあこれならどう!!
クラウディーヌが雷雲を呼び出し、ブレアに落雷のダメージを与える!
「ウオオオオオオオオオオッ!!
ブレアはその攻撃に怯むことなく、クラウディーヌに突進した!
「キャアアッ!!
クラウディーヌは大きく吹き飛ばされ、遺跡の壁が崩れ落ちた!

その隙をみてリュミーネが業火の猿と化したブレアに駆け寄る!
「ブレア、私がわからないの?
リュミーネがそう言ったが、ブレアはリュミーネを思い切り突き飛ばした!!
「ウオオオッ!!
「キャアアアッ!!
リュミーネは大きく吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。

その時、遺跡の崩れた壁により身動きが取れないクラウディーヌが起き上がった!
「さっきはよくもやってくれたねぇ!もう許さないよ!
クラウディーヌがブレアに反撃を仕掛ける!
しかしブレアは口から灼熱の炎を吐き出し、クラウディーヌを焦がす!
「ギャアアアアッ!
クラウディーヌは炎のダメージを受け、その場に倒れた。
「ウオオオオッ!!
ブレアは雄たけびを上げながら、クラウディーヌにまたがり、マウントパンチを繰り出した!!
ドガッ! バキッ! ドカドカッ!!
ブレアは連続で動けないクラウディーヌの顔面を殴った!
しかしクラウディーヌは起き上がった!
「こ・・・、このクソ猿め、調子に乗るなよ!
クラウディーヌはブレアを振りほどき、反撃の体勢に入る!!
「ガハッ!こんな術で私が倒せるなんて思っていたの?私の強力な闇の術で葬ってあげるわ!
クラウディーヌは両手を天にかざし、圧縮した闇のエネルギーをブレアに放った!!
「この技で消えなさいっ!!ダークスター!
クラウディーヌが放った圧縮された闇のエネルギーが、ブレアを襲う!
「ウガアアッ!!
ブレアは炎のエネルギーを足に溜め込み、そのエネルギーを解放しクラウディーヌの闇のエネルギーを一気に貫き、猛スピードでクラウディーヌの体を貫いた!!
「なっ、なぜだぁっ!!!
クラウディーヌは魂ごと焼き尽くされた!

「ウオオオオオッ!!
ブレアは雄たけびを上げ、またどこかへ去っていこうとする!
「待って!!
リュミーネの声がブレアの耳に響いた。
「ウオ・・・!?
リュミーネの声でブレアの動きが止まった。
そして、リュミーネがブレアの元に駆け寄り、ブレアを抱きしめた。
「ブレア、私はここにいるわ・・・。どうか暴れないで・・・。」
リュミーネがそう言うと、ブレアの顔を見た。
「すごく熱くて苦しそうだったのね・・・。これ以上この状態が続くと全身が燃え尽きちゃう。」
リュミーネはブレアの顔に手を当て、水のエネルギーを送った!
「安心して・・・。私はあなたの敵じゃない。レイオスと一緒に旅をしてきた仲間なのよ!!
リュミーネが語りかけると、ブレアの目から涙が零れ落ちた・・・。
「リュ・・・ミーネ・・・ごめん。」
ブレアのかすかな声が、確かにリュミーネの耳に聞こえた。
「これ以上怒らないで・・・。心を開いて・・自分を責めないで・・・。」
リュミーネはさらにブレアに話しかける。
「僕は・・・、君を・・、リュミーネを守りたかったんだ・・・。」
リュミーネの度重なる問いかけに、ブレアは元の姿に戻っていった。
伸びた手と足の爪は短くなり、炎の髪は元の赤い髪に戻り、意識を取り戻した。
「うっ・・。うううっ・・・・ううっ!!
ブレアが元の姿に戻ったことを知ったリュミーネは、大きな声で泣いた。

「はぁ・・、今日は疲れたでしょう。ブレア。今日は休んでいいわ・・。」
リュミーネは眠っているブレアを負ぶって、レイオスのところへと向かおうとした!!
すると現れたのはレイオスたちだった!
「何、あなた達もここに来てたの!?
リュミーネがレイオスたちにこう言った。
「だってさ、お前一人だと魔物に襲われたりでもしたら大変だったからここに来たんだ。」
その言葉にリュミーネはこう答えた。
「ブレアは元の姿に戻ったわ。でも今は安静が必要なの。出口にきたら一日休ませてあげて。」
リュミーネがそう言うと、レイオスは闇の古代遺跡の出口へと向かった!

そして、レイオスたちは出口に着いた。
「これでダークシュライネまでもうすぐだ!でも、ブレアを一日休ませないとな。戦力が一人でもかけると、危ないからな。」
ファルスがそう言うと、全員はテントを張り、明日の激戦に向けて休むのであった。

ついにダークシュライネの近くまで来たレイオスたち。
ブレアの体力が回復するまで、全員はテントで休むことにしたのであった。

 

 

 

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