新章第四十一話 制御不能 ブレア怒りの暴走!

 

死者の谷を抜けたレイオスたちは、第二の難関である無人発電所に向かっていた・・・。
「やっと谷を抜けたぞ!でも先のほうに建物があるぞ。」
レイオスがそう言うと、レイオスたちは建物のある方に目を向けた。
そこには大きなアンテナが立ち、不気味な雰囲気の発電所が目の前にあった・・・。

「どうやらここを抜けないとダークシュライネに到着できないようですね。」
ブレアがそう言うと、レイオスたちは無人発電所の中へと進んで行った。

中に入ったレイオスたちは、発電所が真っ暗だったので、先が見えずに困っていた。
「うわぁっ!!真っ暗で何も見えないわ!!

どんッ!!

「ぐえっ!!

「いてててて・・。暗くて何も見えないぜ・・、あっ!!
レイオスはぶつかった衝撃で、何かを思い出した。
「暗くて見えないなら、光を作ればいいんだ!フラッシュ攻撃だ!

ピカーッ!!

まばゆい光が、辺りをまぶしく照らす・・・。

「おおっ!これでぶつかることも無く通れるぜ。」
「さぁ、先を進むぞ!!明るくなったからと言っても何が起こるか分からないぞ!
レイオスたちは無人の発電所の中を進んで行った。
しばらく進んでいると発電所の心臓部であるジェネレータールームにたどり着いた。
「なんだこりゃ?
レイオスは見たこともない機械を見た。
その機械はとても大きく、今はもう使われていないのか、電気の供給源のコンセントが抜けていた。
「この変な鍵みたいなものを挿せば、何かが起こるかも知れないな・・・。」
レイオスはそう言うとコンセントを手に取り、鍵穴に差し込んだ。

ゴゴゴゴ・・・・。

発電所の心臓部が稼動を始めた。
それに伴い、発電所内の照明システムが作動し、暗かった通路が明るくなった。
「明るくなったわ。システムが作動し始めたんだわ・・。そんなことより先を進みましょう!!
レイオスたちは発電所の出口へと急ぐことにした。

バチッ!! バチッ!!
するとジェネレーターから3匹の魔物が飛んできた!!
「こいつはプラズマだ!こいつは雷とともに落ちてくる下級魔物だ!数は少ないが油断をしないほうがいいよ!!
ブレアが全員にアドバイスを送ると、全員は早速戦闘態勢に入った。

「喰らえ!気合玉!!
ボルガは新しく覚えた奥義で、プラズマたちを攻撃した!!
プラズマたちは大きなエネルギー弾にかき消されていった!
「また来るぞ!!
ファルスがそう言うと、ジェネレーターからプラズマが5匹飛び出した!
「何度プラズマを倒してもムダだ!このジェネレーター自体を壊せば、プラズマ自体が出てこなくなるかもしれない!喰らえ、ヒートブラスト!!
ブレアはジェネレーターにむけて炎を発射した!!
するとジェネレーターは煙を上げて壊れた。
「これでプラズマは発生しなくなったよ!
ブレアがジェネレーターを破壊したおかげで、どこかの扉のロックが外れたようだ・。
「さぁ出口に向かいましょう!早くしないとベルフェルトは世界を破壊してしまう!
リュミーネがそう言うと、レイオスたちは無人発電所の出口へと向かって行った!

出口の一つ前の広い部屋に来たレイオスは、出口へと一気に走っていった!!
しかし、何者かの電撃を受け、吹っ飛ばされた!
「大丈夫か!?
仲間達が電撃を受けたレイオスに駆け寄る。
するとその時、何者かが正体を現した!

「ハハハッ!!俺の名は超魔将軍ギガボルテイル!俺は1000年前よりも強力な闇のエネルギーを手に入れたんだぜ!1000年前の恨みを一気にお前らにぶつけるから覚悟しろよ!あと、言っておくが、俺に触れると感電死・・、いや黒焦げになるぜ!!
ギガボルテイルがレイオスたちにこう言った。
「この野朗!ここを通しやがれ!通さないなら、押し通すのみ!
「私の家族と世界のために、ベルフェルトを倒さなくてはならないの!!
ボルガとリュミーネがギガボルテイルに言ったが、ギガボルテイルはその話を聞き流した。そしてギガボルテイルは体から強力な電気を放った!!
「うるせぇっ!!超放電!
ギガボルテイルは体から強力な電撃を発した!
全員は避けきれるはずも無く、全員は電撃のダメージを受けた!!
「キャアッ!!
全員がダメージを受ける中、リュミーネだけが大きなダメージを受けていた。
水の力を宿すものは電気属性の術や技に弱いのであった!!
「ハハッ!!水タイプの人間が一匹いるな!まずはこいつを感電死させてやるぜ!喰らえ、電撃波!
ギガボルテイルの電撃の波動が、リュミーネを襲う!
しかしブレアがリュミーネの前に立ち、攻撃を庇った!
「があっ!!
ブレアはリュミーネに向かって放たれた電撃の波動を庇った!
「リュミーネには、傷一つ負わせない!
ブレアがそう言うと、リュミーネがこう答えた
「どうして私を庇ったりなんかしたのよ!死んじゃうわよ!
リュミーネがブレアに言った。
「確かに、おせっかいかもしれないが、いいんだ。だから、必ずあなたを守って見せる!
ブレアは再び傷ついたリュミーネの前に立った!
「えぇい!こざかしい!お前ごときに何を守れるというのだ!
ギガボルテイルの言葉に、ブレアはこう言い返した!
「俺の後には、傷つけてはいけない人間がいるんだ!だから、僕は絶対にリュミーネを守りきるんだ!!
ブレアの言葉が、ギガボルテイルを威圧する!
「うるせぇっ!ザコは引っ込んでろ!!
ブレアはギガボルテイルに突き飛ばされ、壁に激突した!

「さて・・、この女はあいつの前で俺が徹底的にいたぶってやる!!
そう言うとギガボルテイルはリュミーネの頭に手をかけた・・。
「さぁ、地獄のショーの始まりだ!!
ギガボルテイルは手から強力な電気エネルギーを放ち、リュミーネを苦しめる!
「キャアアアアッ!!
「やめろぉぉっ!!やめてくれぇっ!!
リュミーネは電撃の苦痛を受け、悲鳴を上げた!
その悲鳴を聞いたブレアはただやめてくれと叫ぶだけであった!!
「この女が死ぬまで電撃の地獄を味わわせてやるぜ!俺の電撃は痛みで気絶することも許されないぜ!この女の体が壊れる前に心のほうが崩壊する!どうだ、この身が引き裂かれるとはこのことだろ!まさに地獄の拷問だ!!
ギガボルテイルはリュミーネにさらに電撃の拷問を加える!
「キャアアアアアアアアアッ!!
「や・・・、やめてくれ・・・。やめろおおおっ!!
リュミーネが電撃の苦痛で苦しむ姿を見ていられなくなったブレアの心の中で何にかが吹っ切れた。
「もう・・、許さないぞ!!ウオオオオオオオッ!!
ブレアの赤い髪が炎に代わり、手と足の爪が鋭く伸び、まさに業火を纏った猿のような姿と化し、ギガボルテイルに向かって4つ足で猛スピードで向かっていく!
「ブレアの中で何かが起こっている!あいつはリュミーネが傷つくのを見ていられなかったんだろう。怒りのあまり、我を忘れているんだ!
ブレアはリュミーネに電撃の苦痛を与えているギガボルテイルの腕を刎ねた!
「ウオオオオッ!!
「グワアアアアッ!!
ギガボルテイルが腕を切られ、叫び声を上げた!
「ブレ・・・・ア・・・。助けに来たのね・・・。」
瀕死のリュミーネが業火の猿と化したブレアにこう言ったが、ブレアはその声を聞くとすぐにギガボルテイルに攻撃を仕掛けた!!
「クソッ!俺の腕が・・・。」
ギガボルテイルが怯んでいるスキに、ブレアが炎をまとってダッシュした後、大きく飛び上がり、回転」しながらギガボルテイルに突進した!
「あ、あの技は、「フレアドライブ」だ!炎の鎧を纏い相手に突進する大技だ!下手をすると自分も大きなダメージを受ける捨て身の奥義だ!でもあいつの場合、「ブレアドライブ」のほうがいい技名かな。」
ボルガがそう言った瞬間、ブレアの怒りの炎の一撃がギガボルテイルを焼き払った!
「ギャアアアッ!俺が、俺が悪かったよぉ〜!!!
ブレアの一撃が、ギガボルテイルの体を燃やし、その魂ごと焼き払った!

「ウオオオオッ!
ブレアは雄たけびを上げながら、発電所の出口の扉を壊し、どこかに去っていった・・。
「ブレア・・。ひょっとして私を守るために・・・。」
傷ついたリュミーネがレイオスたちに言った
「そうだ。彼はリュミーネがこれ以上傷つかないように命を懸けてギガボルテイルと戦ったんだ!それより、早くリュミーネの手当てを!
ファルスがそう言うと、リュミーネの頭に手をあて、回復呪文を唱えた。
「頼む、死なないでくれ!エクスヒーリング!
ファルスの手から放たれた光が、一瞬にしてリュミーネの傷が全回復した!
「よかった・・。ファルスの回復呪文が間に合ったんだ!
レイオスがリュミーネに駆け寄る
「ブレアを探しましょう。彼はきっとこの出口を抜けた所で私を探しているはずよ。だから、次は私がブレアを助ける番なの・・・。」
リュミーネがそう言うと、レイオスたちは発電所を抜け、ブレアを探しに行くことにした・・。

リュミーネの命を守るため、炎の力を解放し、暴走したブレア!
はたしてリュミーネはブレアを元の姿に戻せるのであろうか・・・・!?

 

 

 

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