新章第三十九話 なんとなく、クリスマス


火竜アルディーガを倒したレイオスたちは、ダークシュライネに向けて、長い道を歩き続けていた・・。
「さぁダークシュライネまでもう少しだ!
全員がしばらく歩いていると、旅の酒場を発見した!!
「あれは旅の酒場じゃない!早速聞き込み調査よ!!
全員は旅の酒場に向かうことにした・・・。

レイオスたちが酒場に来たとき、酒場のマスターが話しかけた。
「いらっしゃい。ごちゅうもんは?
マスターの言葉にレイオスたちは椅子に座り、ヘネシーを注文した。
「マスター、ヘネシーをおくれ!
全員の言葉に酒場のマスターがこう答えた
「すまないな・・。あいにく、ヘネシーはおいてないんだ。」
「ヘネシーはないのか。では廉価版のヘネシーはあるかい?
その言葉にマスターは答えた
「あいにく、本物も廉価版のヘネシーもおいてないんだ。」
「仕方ない・・。じゃあシャンメリーをくれないか?
レイオスがそう言うと、マスターは5本のグラスにシャンメリーを注いだ。
「はいよ、これがヘネシーの代用品のシャンメリーだ。冷たいうちに飲んでね。」
レイオスたちはヘネシーの代用品として飲まれているシャンメリーを飲んだ。
「この味はヘネシーと良く似た味だ。文句のつけようがない!
レイオスたちはつめたいシャンメリーを飲みながら、マスターと会話を始めた。

「マスター、ダークシュライネまでどのくらい歩けばいいんだい?
レイオスがマスターに話しかけた。
「ここから後1日歩けば到着するけど。ここ最近寒い日が続いているので、寒さ対策をしといたほうが身のためですぜ。この前巨大な竜が飛んでいたような気がするけど、俺の見間違いかな。」
レイオスは竜が飛んでいたことに気が付き、こう言った
「飛んでいた竜は凶暴な火竜アルディーガのことか!?そいつは俺たちが倒したんだ!
その言葉にマスターは驚いた
「お、お前さん!?あの巨大な火竜アルディーガを倒したのかい!そいつは驚いたが、俺の見た巨大な飛竜は青い色をしていたような気がするんだ。おっ・・、雪が降ってきたな。」
マスターはそう言うと窓のほうを見た。
それにつられてレイオスたちも窓のほうを向いた。

窓の向こうには、雪が降り積もる銀世界に変わっていた。
「おおっ!こいつはすごいぜ!早速外に出ようぜ!!
レイオスたちはマスターに酒代として、500G支払い、酒場のドアを開けた!

するとさっきまでの荒野が、一面銀世界に変わっていた。
「何でだろう?どうして数時間もたたないうちに雪が降り積もっているんだ?
ファルスがなぞめいた表情で言った。
その言葉を聞いたレイオスたちは、空を見上げた。
空の上には、大きな竜が空を飛んでいた。
竜はレイオスたちに気付いたのか、いきなり急降下してきた!!
「やばい!襲ってくるぞ!!
ファルスがそういった瞬間、レイオスたちはその場を離れた!

「グギャアアッ!!
大きな青き巨竜が、レイオスに向かって吼えた!
「こいつが酒場のマスターが言っていた、青い竜か!?
レイオスがそう言うと、ブレアが魔物辞典を開きだした。
「こいつは氷結竜アイザードだ!氷のように硬い体を持つ巨大な竜だ!あいつの弱点は炎だが、マイナス200℃の冷気が体を覆っていて、炎攻撃はかき消されてしまう!!
ブレアが全員にアドバイスを送ると、レイオス達は戦闘態勢に入った!!

「グギャアアッ!
氷結竜アイザードは、吹雪を巻き起こしレイオスの進行を阻む!!
「何だこの寒さは!一瞬にして凍りつきそうだ!
レイオスたちは吹雪のせいで身動きが取れない!
しかしブレアは体から炎のエネルギーを覆っていたので、自分の周りだけ氷が溶けている!
「ブレア!!俺たちにも炎のバリアをくれ!!
レイオスたちがそう言うと、ブレアがレイオスたちの所に来た。
「これ以上は進ませんぞ!!喰らえ!スノーブレス!
氷結竜アイザードが口から吹雪を吐き、ブレアの進行を阻止しようとする!
しかしブレアはそんな攻撃をもろともせず、レイオスの所に向かっていった。
「フレイムバリア!!
ブレアが術を唱えた途端、炎のバリアがレイオスたちを多い、氷属性のダメージを無効化するバリアが体を覆った!
「ありがとよブレア!これから反撃開始だ!
レイオスたちは氷結竜アイザードに攻撃を仕掛けた!

「受けてみろ我が波導の術を!喰らえ、雷波導の術、轟雷波!
レイオスの手から強大な雷のエネルギーが迸る!!
雷の波動は、炎の力が混ざり合い、強大な雷と炎のエネルギーとなり、アイザードを襲った!!
「ググギャアッ!!
アイザードは大きなダメージを受けた!
「よし、効いているぜ!
レイオスがそう言うと、全員がアイザードに攻撃を仕掛ける!

「喰らえ、真極・剛力弾!!
「受けてみろ、真・光迅波!
ボルガとファルスの技が、アイザードにダメージを与えていく!!
「自分の弱点の属性じゃないと大きなダメージを与えられない!このメンバーの中で炎の術が使えるのはブレアだけだったよな。」
その言葉にブレアが前に出た!
「分かりました。炎の術で何とか奴にダメージを与えられるようにがんばります!
ブレアはそう言うと、アイザードの前に立った!

「これでも喰らえ、炎帝波!
ブレアの持っている剣の先から、炎が迸る!
熱風が、アイザードを覆っている冷気を相殺した!
「グギャアアッ!!
アイザードは体を覆う冷気が消えたため、一瞬怯んだ!

「行くよリュミーネ!!僕達の合体術であいつをねじ伏せるぞ!!
ブレアがリュミーネに問いかけた。
「分かったわ。やれるだけやってみましょう!!一緒にあの氷結竜を倒して見せるわ!!
ブレアとリュミーネは魔力を練りこみ始めた!
二人の魔力が合わさり、より強大な力へと変貌を遂げ、氷結竜アイザードに向けて解き放った!!

「受けてみろ、僕達の合体術!!大炎浄!
リュミーネの光の力と、ブレアの炎の力が合わさり、大きな光を放つ炎が生まれた!
その炎に囲まれたアイザードは一瞬のうちに灰になった!!
「これで終わった・・。」
レイオスたちは氷結竜アイザードとの勝負に勝った!

アイザードを倒したレイオスたちは、雪の降る銀世界で一休みすることにした。
「大きな敵との戦いで、少し疲れたのでここで少し遊んでいこう!
レイオスたちは雪が降る荒野で一休みすることにした。

レイオスとボルガとファルスが雪合戦を楽しんでいるとき、ブレアとリュミーネが二人で話し合っていた。
「なんか、こうレイオスたちが雪合戦で楽しんでいる姿を見ると、なぜかクリスマスのことを思い出すわね・・・。ブレアの国では雪なんか降らなかったから見るのは初めてじゃない?
リュミーネの言葉にブレアはこう答えた
「そ、そうだね・・・。僕のいる国は火山が多いので雪なんて絶対に降らないところなんで、始めてみる雪に感動して涙が出そうだよ・・・。」
ブレアの言葉にリュミーネはこう答えた。
「あの枯れ木に私の光の術で光をつければ、クリスマスツリーみたいな感じになるんじゃないかな・・。」
その言葉にブレアはこう答えた
「それはいい考えだね。じゃあ早速はじめよう!
「じゃあ術をあの木に唱えるわ。シャインフラッシュ!
リュミーネが近くの雪の積もった木に光の呪文を唱え、雪が積もった木は光を放つクリスマスツリーになった!
「じゃあ、今日はクリスマスということなんで。この言葉を言っちゃおうか?
ブレアとリュミーネが声をそろえてこう言った
「メリークリスマス!!

二人の声が空に響きわたった瞬間、そりを引くトナカイと赤い服を着たお爺さんが空を通り過ぎるのを感じた。

しばしの休息を終えたレイオス達は、ダークシュライネに向けてまた歩き続けるのであった。
雪の日の奇跡、サンタさんに逢えるといいですね・・。

 

 

 

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