新章第三十三話 蟲の魔王の咆哮

 

「造蟲の間」では、レイオスたちとハルマゲルの戦いがすでに始まっていた。

「出でよわが僕たちよ!わしの邪魔をする奴らを滅ぼしてしまえ!!
ハルマゲルの大きな口のような腹から、3匹の子分が飛び出してきた!!

飛び出した3匹が、ポーズを決めた!
「レッド!」「ブルー!」「イエロー!
三匹が声をそろえて言った瞬間、三匹が一斉に全員が叫んだ!!
「ハルマゲキッズ、参上!

その3匹の言動にボルガは気に食わなかったようだ・・。
「こいつ、俺をバカにしてやがる!まとめてぶっ飛ばしてやるぞ!
ボルガが3匹のハルマゲキッズに突っ込んでいった
「え〜い!!やっつけてやるぅ〜!!
ハルマゲキッズはフォーメーションを組んで、ボルガを囲んだ!
「何ぃ!!
「喰らえ、デルタアタック!
炎と雷と氷属性の波状責めがボルガを襲った!しかしボルガは自分に「気」のオーラを纏い、敵の攻撃を無力化した!!
「ヘッヘッヘ・・、次は俺の番だぜ!!
ボルガはオーラを纏ったまま気合を入れた!
「ハァッ!!
ボルガがそう言うと、一気に体中の気を解放させた!
「この技はどう足掻いても逃げられないぜ・・。喰らえ!練気拳!
ボルガが気を解放した瞬間、ハルマゲキッズが吸い寄せられていく!気のオーラに吸い寄せられたハルマゲキッズたちは、ボルガの渾身の一撃を受け、遠くに吹っ飛ばされた!
「こ・・、こいつ・・、強すぎるぅ〜!!
壁に激突したハルマゲキッズは、そのまま動かなくなった!

「さぁ次はハルマゲル、お前の番だ!!
レイオスが一気にハルマゲルに攻撃を仕掛ける!!
「喰らえ、雷波導の術・雷槍!!
レイオスが放った雷の槍が、ハルマゲルに向かっていく!
しかし、巨大な芋虫とはいえぬ早いスピードで動くのでかすり傷程度しかダメージを与えられない!
「グハハハ・・・!!わしが芋虫だからといって舐めてはいかんな・・。」
ハルマゲルがそう言った瞬間、気のエネルギー弾と水弾が飛んできた!
「グワァッ!!
ボルガとリュミーネの奇襲攻撃がハルマゲルに命中した!
「レイオスと戦っているときに攻撃の隙をうかがっていたんだが何とか成功したな。」
「さすがにボルガの野生の勘は良く当たるわね。私見直しちゃった。」
その攻撃を受け、ハルマゲルが3人に襲い掛かってきた
「よくもやってくれましたね・・・。許しませんよ!子分共、出て来い!
ハルマゲルは腹の口を開き、子分を呼び出そうとしている!
しかし何処からとも無く摂氏1000℃の炎の弾を飛ばした!
「こんな炎、こうしてやる!!
ハルマゲルは口から粘液を飛ばし、炎を消そうとするが、ハルマゲルが粘液を吐いている隙に炎弾が腹の口の中に入っていった!
「ギャアアッ!!私の腹の中の子分が!
その炎の弾を操っていたのはブレアだった!彼は召喚術の特訓をしているときに身に着けた特技で、炎の弾を自分の思うままに操れる能力を身に着けたのだ!!
腹を焼かれたハルマゲルは、暑さのあまりのた打ち回っていた・・。
「レイオス、今がチャンスだ!
ファルスが攻撃の合図を送ると、レイオスが一気にハルマゲルに向かって行った!

「これで最後だハルマゲル!受けてみろ、これが真・聖光斬・改だ!!
レイオスの持つ二つの剣が輝きを増し、一気にハルマゲルに斬りつけた!!
「グワアアァッ!!
ハルマゲルはレイオスの一撃を受け、その場に倒れた・・!!

「これでベルフェルトが復活することは防いだんだ・・・。これで世界は救われるんだ!
レイオスがそう言ったもつかの間、ハルマゲルの体に異変が起きていた!
「見て、ハルマゲルの体がみるみるうちに変形していくわ!
リュミーネがハルマゲルのほうを向くと、蛹の姿に変形するハルマゲルの姿がそこにあった!
「あの芋虫野朗、何かやらかそうとしているな・・・。」
ボルガはとファルスがそう言うと、ハルマゲルが何かをやらかそうとしていることを確信した・・。

しばらくしてハルマゲルは蛹に変形した・・。
「そのまま動かないぜ・・、この状態なら動けないので攻撃を与えられるぜ!
ボルガは蛹と化したハルマゲルに攻撃を仕掛けた!!

ボルガの、こうげき!!

ミス!
ハルマゲルにダメージをあたえられない!!

固い装甲のせいで、ぜんぜんダメージを与えられなかった!
「くそっ、何て硬い奴だ!これじゃあ勝ち目が無いぜ!!
ボルガが悔しそうにこう言った・・・。

全員が苦戦しているとき、怨念集合体のフィデールが現れた・・。
「ハルマゲル様、私が成蟲に変えてあげましょう!タイムクイック!!
フィデールが時を早める呪文を唱えた!
するとハルマゲルの回りの時間がみるみるうちに早くなり、一分もしないうちに蛹にヒビが入った!
「何をするんだフィデール!!
レイオスがそう言ったが、ハルマゲルの成長スピードは収まらず、ついに蛹から孵化してしまった!!

「グオオオオオオオオッ!!
完全究極体と化したハルマゲルが叫び声を上げた!!
「こいつが・・、ハルマゲルの完全究極体・・。」
リュミーネがハルマゲルの完全な姿をみて唖然となった。
「これがハルマゲルの完全究極体・・、なんとしても倒さなくてはならない!!
ファルスがハルマゲルを見て倒すことを決意した・・。
「僕はこの世界を守るために生まれてきたんだ!だから僕も負けませんよ・・。」
ブレアが勇気を振り絞ってこう言った。
「なんてことだ・・、こいつを野に放せば一夜にしてこのフェルスティアが全滅してしまう!このままでは・・・、いや!俺はこんなところで立ち止まっているヒマはないんだ!!
レイオスがそう言うと、全員が一気に完全究極体と化したハルマゲルに向かっていった!!

「この世界を腐敗した蟲の楽園にしてやる!!
「フェルスティアを腐敗した蟲の楽園にさせるもんか!ハルマゲル、いくぞっ!!!
全員は戦闘態勢に入り、ハルマゲルを迎え撃つ!!

ハルマゲルは幼虫→蛹→成蟲と変貌をとげた!!
無尽蔵の力を持つ最強の蟲魔族の王が、今立ちはだかる!!

 

 

 

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