新章第三十二話
成蟲の間の激戦
「わしの跡継ぎが倒されたか・・・。許さんぞ虫けらどもめ!!」
ハルマゲルはプリンスの生命反応が消えたことを察知し、怒りに燃えていた。
しかしせっかくフィデールとともに徹夜して開発した改造デスクラウドも、レイオスたちには敵わなかった。そこでレイオスたちに倒されたプリンスとギャリーザの死骸を回収させるべく、フィデールを遣わせたのであった・・。その死骸をハルマゲルのいる「造蟲の間」に持っていくことが彼の使命である。
「造蟲の間」・・そこでは多くの人間が生体改造され、地上界を襲撃するための魔物に改造するという残虐なところである。造蟲の間の大きな扉の奥には、ベルフェルトの肉体を形成している大きなカプセルがあり、人間や魔物の死骸を炉に入れることにより肉体を形成出来るエネルギーとなるのだ。
一方レイオスたちはハルマゲルのいる「造蟲の間」の一つ前の部屋「成蟲の間」にやってきた。
「なんだか気味悪いところだな・・。」
レイオスはそう言うと、ドアを開けて中に突入した!!
「成蟲の間」・・凶暴で巨大な昆虫がいる「造蟲の間」に続く唯一の道。ここを抜ける前に巨大昆虫のエサにされ、ここに棲み付く幼虫のエサにされるのだ。
レイオスたちはいきなり巨大なカマキリに襲われた!!
「うわぁっ!何だこの巨大なカマキリは!?」
レイオスは驚いた表情でこう言うと、全員が戦闘体制を取った!
「これでも喰らえ、聖光衝!!」
レイオスが二本の剣を振り下ろすと、衝撃波を発生させ巨大カマキリの両腕の鎌を切り落とした!
「ギュルルル!!」
巨大カマキリは痛みにもだえている隙に、ボルガが巨大なエネルギーを巨大カマキリにぶつけた!
「これで止めだ!超波導弾!」
そのエネルギー弾の一撃により、巨大カマキリの頭を吹き飛ばした!!
巨大カマキリをやっつけて先を進もうとしたが、突然現れた女王蜂に襲われた!!
「ここは通さないわよぉっ!あんた達を倒してハルマゲル様のエネルギーにしてあげるわ!さぁ、覚悟しなさぁい!!」
鞭をもった女王蜂がレイオスたちに襲い掛かってきた!
「私が相手よ!!アクアウェイブ!」
リュミーネが水の波動を放ち、女王蜂を攻撃する!!
しかし女王蜂が鞭を高速回転させて雷の輪を作り、水の波動を相殺した!
「そんなバカな!!」
「私の鞭術をなめないで頂こうかしら・・。」
女王蜂が挑発した態度で言い放った!
「喰らえ、光迅槍・竜波(ドラゴンウェイブ)!」
ファルスが力を込めて槍を突き出すと、大きな竜の形の波導エネルギーが槍の先から放たれた!
「こんなもの、こうしてあげるわ!螺旋鞭術・雷波(ボルトウェーブ)!」
女王蜂が鞭を高速回転させ雷の光線を発生させ、ファルスの槍術を相殺しようとする!
互いに渾身の力を込め、ファルスの竜と女王蜂の雷の光線がぶつかり合う!!
「うおおおおっ!!」
「はああああぁっ!!」
二人はさらにエネルギーを込め、術を打ち破ろうとする!
しかしファルスのエネルギーが女王蜂の雷の光線を打ち破り、女王蜂が竜に食われてしまった!
「これで終わりだな・・・。」
ファルスは女王蜂との勝負に勝った!!
「さぁ、先を進むぞ!この扉を開けた所にハルマゲルがいるはずだ!みんな、なんとしてもベルフェルトの復活を阻止するんだ!!」
レイオスがそう言うと、全員は「造蟲の間」に続く扉を開け、ハルマゲルのいる場所に向かった!
「ほう・・、あなたですか・・。レイオスという奴は・・。」
大きな芋虫のような魔物が現れ、レイオスにこう言った。
どうやらこの巨大な芋虫がハルマゲルのようだ。
「やいこの芋虫め!ベルフェルトを復活させようとしてるが、そんなことは絶対にさせないぞ!お前を倒してなんとしても復活を阻止してやる!!」
その言葉にハルマゲルはこう答えた
「芋虫だと・・・!!私は蟲魔族のハルマゲルだ!この無礼者め!!」
ハルマゲルはレイオスの無礼な態度に立腹しているようだ!
「僕は何が何でもこの世界の崩壊を阻止するためにも、お前を倒してベルフェルトの復活を阻止してやるんだ!!僕達は絶対に負けない!!」
ブレアがハルマゲルに向かってこう叫んだ!!
するとハルマゲルはのそのそとレイオスたちの所に歩いていった!
「ほう・・、ここまで来るとはたいした奴だな。確かに私はベルフェルトを復活させようと企むものだ・・。この先にある大きなカプセルの中にベルフェルトがいる。しかしまだエネルギーが足りなくて人間としての肉体も持ってはいない・・。そこで私は地上界の人間を拉致し、肉体とエナジーを大きなカプセルの炉に入れ、そのカプセルの中のベルフェルトの成長エネルギーに変えているのだ!さぁ、この秘密を知られたことには生かしてはおけぬ!!バカな奴め、死ぬが良い!!」
ハルマゲルはのそのそとレイオスたちに襲い掛かってきた!!
一方フィデールは死骸を探していた・・。
「プリンスの死骸はあったけどギャリーザのほうは肉のかけらもない・・。」
フィデールはとぼとぼ死骸を探し回っていると、ギャリーザのわずかな残骸を見つけた!
「これはギャリーザの鉄のカーテンの一部だ!!この二つを炉に入れると、とてつもないエネルギーが生まれること間違い無しだね!!」
残骸を見つけたフィデールはうれしそうにハルマゲルの元に戻っていった!
ついに始まるハルマゲルとの死闘!
レイオスたちはハルマゲルに打ち勝つことが出来るのか!!」