新章第二十三話 神界の牢獄

 

レイオスたちは樹海を抜け、目の前にそびえたつ山を登り始めた。
「地図通りにこの山の頂上に行けば、大きな風穴があるはずだ。みんながんばって登るぞ!
そう言うとレイオスたちは山道を進んでいった・・・。

レイオスが山を登っている間、ファルスは何とかこの状況を切り抜ける方法を探していた・・。
「この牢獄から出る方法は、まず看守のスキをつき鍵を奪い外に出る!!それしか作戦がない!!
ファルスは牢獄から出る作戦を思いついた!

2時間後、ファルスの元に看守が現れた・・。
ファルスの作戦を遂行するときが来た!!
「よし、今だ!!
ファルスが看守のスキをついて鍵を奪おうとした!!だがしかし看守の道具袋には鍵は入っていなかったのであった!
「しまった!こいつ、鍵を持っていなかったか!?ならば問いただしてやる!
ファルスがそう言うとファルスは看守に問いかけた・・。
「おい看守!!お前は鍵を持っていないのか!!
その言葉に看守はファルスにそう言った
「黙れ謀反人!!喰らえ、スリープボール!!
看守が眠り玉をファルスに向けて投げつけた!
「うわっ!!なんだか・・・、眠たくなってきた・・・。」
ファルスは眠ってしまった!!
「謀反人はこれだから困る・・。ここで眠っているんだな。」
そう言うと看守は暗闇の中に消えていった・・・。

一方レイオスたちは山の頂上までたどり着いた。
「この洞窟を進んでいけば神界の牢獄に行けるかも知れない、しかしその洞窟は限りなく深い所だから、野宿をしながら進んでいこう。」
レイオスはそう言うと、神界の牢獄に通じる風穴に入っていった・・・。

風穴の中は、強い風が吹き、中は迷路のような洞窟であった。
「もっと良い近道とか無いのか!?迷ってしまいそうだぜ!
ボルガはそう言いながらも風穴の中を進んでいく・・。
風穴に入ってから1時間が過ぎた・・。
行けども行けども続く風穴の地下迷宮に、レイオスたちの疲労はピークに達していた。
「がんばるんだみんな、立ち止まっている暇はないんだ!僕たちは一刻も早く神界の牢獄に行き、ファルスを助けるんだ!!
ブレアの一声で、仲間達はまた歩き出した。
「そうですわ。ここで立ち止まっている暇はないのです。さぁ、急ぎましょう!
リュミーネがそう言うと、レイオスたちは風穴の中を進んでいった・・。

一方ファルスは眠りからさめたようだ。
「鍵を盗む作戦は失敗だった・・・。今度は鍵を開ける呪文で牢屋を開けてやる!!
ファルスはそう言うと、牢屋の扉に向けて術を放った!
「扉よ開け!!波導の術!鍵破(キーブレイク)!
ファルスが扉を開ける術を唱えた!しかし見えない力が働いて、ファルスの術を封じ込めた!!
「しまった、術も通じない・・。やはりレイオス達が来るまで待っているしかないのか・・。」
ファルスはそう言うと次の作戦を考え始めた・・。

レイオス達は疲れたので風穴の中で一夜を過ごすことにした。
「さぁ、できたわ。」
リュミーネが食事の準備を済ませ、全員を呼んだ。
「おおっ、ご飯の時間だ!みんな、今日もたくさん食うぞ!
全員がテントの前に集合し、夕食を食べた。

パクパク・・・・・。

レイオスたちは夕食を食べた後、全員は明日のこと、ファルスの無事を願っていた・・。
「明日も進むぜ!!ファルスが生け贄になるなんて見てられないぜ!
「たとえどんな魔物が現れようが俺の拳でぶっ潰してやる!
「僕は全員のサポートをする!
「私はファルスを助けたい。だから私達は負けられない!
全員が決意を固め、テントの中で一夜を過ごすのであった・・。

牢獄の中で一夜を過ごしたファルスは、また脱出方法を考え始めた・・・。
ファルスが脱出方法を考えていると、看守が現れた!
「今日の夜、お前は創造の神の生け贄となるのだ!謀反人よ、創造の神様に魂を捧げる儀式をする!
看守の言葉にファルスはこう答えた!
「看守よ、死ぬ前に言っておく、創造の神に魂を捧げる儀式とは一体どういうものだ?
ファルスの言葉に看守は口を開いた・・。
「その儀式は、特別なもので、肉体と魂を強制的に分離し、分離した魂は、創造の神にとっては大好物の飲み物だ。魂が無ければ、創造の力が発揮できないのだ。肉体のほうは、焼却し創造の神に捧げられるのだ。その儀式によって、創造の神は今日を生きているのだ・・。」
その言葉にファルスはそう言った
「ならば俺以外に罪を犯した者も創造の神の生け贄にしているのか!?
ファルスの言葉に看守がこう答えた・・。
「神の世界で罪を犯した者は、この牢獄で二日間の猶予が与えられる、二日を過ぎれば、その犯罪者は儀式を行い、その魂と肉体は創造の神の元へと送られるのだ・・・。」
看守の言葉に、ファルスはそう言った
「分かった。今日の夜に生け贄の儀式をしてくれ・・。俺は所詮時間の神を殺した神界の謀反人さ・・。仲間達ともお別れだな・・。レイオスよ、今まで・・ありがとよ。」
ファルスが決意したようにそう言った・・。
どうやらファルスはレイオスがここに来ることを信じていたのであった・・。

ファルスの生け贄の儀式執行まであと、3時間

一方レイオスは風穴の出口まで来た。
レイオスたちは寝る時間を惜しみ、ファルスを助けるため必死で神界の牢獄を目指し、走っていたのであった!!
「ここが神界の牢獄か・・、早速乗り込むぞ!!
レイオスはそう言うと全員が一気に中に入っていった・・。

「うお〜ん、うお〜ん。」
囚人達の声が響き渡り、不気味な雰囲気であった・・。
レイオスが進んでいると、大きな体の看守が現れた!
「俺はこの牢獄の看守のムダール!!ここは通すわけには行かないのね。お前達が助けようとしている謀反人は今日の夜に創造の神に体と魂を捧げる儀式のを行うのさ!!ここで儀式が始まるまで時間を稼ぎ、お前を絶望のそこに突き落としてやる!!
その言葉にレイオスはこう答えた。
「ならばお前を倒して強行突破するまでだ!!
その言葉にムダールは怒りの表情を浮かべた・・。
「ならば貴様ら全員牢獄にぶち込んで創造の神の生け贄にしてやるのね!!
そう言うとムダールがレイオスたちに襲い掛かってきた!!

ムダールが身構えるよりもはやく、ブレアがすばやく攻撃態勢に入る!
「まずは僕が攻撃を仕掛ける!!炎波導の術!赤炎嵐!
ブレアが炎の嵐を巻き起こし、ムダールにぶつけた!
「やめてくれなのね!!不意打ちは卑怯なのね!!
ムダールの言葉にブレアはこう言葉を返した。
「仲間を救うためなんだ!ここは力ずくで押し通す!
その言葉を聞いたレイオス達は戦闘体制に入った!
「俺がお前を倒す!!苦しい修行で手に入れた捨て身の格闘奥義でな!!俺のインファイト戦法を喰らえ!!
ボルガはムダールの懐に入り、連続パンチを繰り出した!
「ぐぐぐっ・・、ぐおおおっ!!
ボルガの連続パンチがムダールに効いているようだ!
そしてボルガは最後の一撃をムダールにぶちかました!!
「俺の奥義を受けてみろ!!真・獣王拳!
ボルガの気合のこもったパンチがムダールの鳩尾を捕らえた!!
「ガッ・・、ガハァッ!!そんな・・、看守3巨頭の一人である俺が倒されるとは思ってもいなかったのね・・。しかしこの先にいる2人は一筋縄では行かないのね。ファルスはあと3つ階段を下りた牢獄のどこかに捕まっているのね。儀式が始まれば、ファルスはお陀仏なのね・・・ぐふっ!
ムダールは最後の言葉を残し、地面に倒れた・・。
「さぁ行くぞ、その先にはムダールよりも強い看守が待ち受けているぞ!みんな、死ぬんじゃないぞ!
レイオスはそう言うと、ファルスの待つ牢獄へと急ぐのであった・・。

ファルスの生け贄の儀式執行まで、あと1時間40分
はたしてレイオスたちはファルスを救出することが出来るのであろうか・・・!?

 

 

 

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