新章第二十話 走馬灯のように・・・

 

一方空間のはざまではファルスと暗黒将軍の二体が対峙していた・・。

重い空気の中、ファルスが口を開いた・・。
「ほう、俺に殺される覚悟は出来ているんだな、いいだろう。俺が相手をしてやろう・・。」
ファルスが暗黒将軍の2体に言ったが、暗黒将軍の2体はこう言い返した!!
「俺たちはあいつらと戦ったとき、俺たちは間違っていることをしていたんだと思い知らされたぜ!俺はブレアの根性の強さに負けた!だから今お前が間違っているということを証明してやる!
ガルデクスが言った瞬間、ウェルガスがこう言った
「俺はボルガとレイオスのコンビネーション、そして意志の強さに負けて、改心したんだ!今度は俺たちがレイオスたちの活路を開く番だ!!
ウェルガスとガルデクスの言葉にファルスはこう言った
「そこまでしてレイオスを守りたいか・・、裏切り者めが!!我が力、思い知るがいい!!
ファルスはウェルガスとガルデクスに向かっていった・・。

ブレアは黒くなったレイオスを仲間の所に運んできた。
「レ、レイオスッ!!
仲間たちがレイオスの変わり果てた姿に呆然としていた・・。
「リュミーネ!とりあえず手当てを!!
ブレアがリュミーネに呼びかけた。するとリュミーネは自分のかばんの中から時空船を拭くための布と聖水を取り出し、仲間たちに渡した。
「この布に聖水を含ませて、レイオスを拭くのよ!いまはそれしかレイオスを救うことができないわ!
リュミーネがそう言うと、全員は一斉にレイオスの体を聖水を含んだ布で拭き始めた・・。

一方ファルスと暗黒将軍の2体は戦いを繰り広げていた・・。
「まずは手始めに俺の闇の技で葬ってやろう・・。喰らえ、シャドウバースト!!
ファルスが圧縮された闇の力で、ウェルガスを攻撃した!
「こんな攻撃、こうしてくれるわ!受けてみろ、ダークボルト!
ウェルガスは闇の力を放ち、ファルスを攻撃するが、ファルスの圧倒的な闇の力により、ウェルガスの闇の力が負けてしまった!
「グハァッ!!
ウェルガスはダメージを受けたが、なんとか持ちこたえた!
「こ、この野朗・・、やりやがったな!!だったら俺の真の力を見せてやる!!
ウェルガスの体から闇のオーラが沸き起こった!!
「ウェルガス、待ってくれよ、俺もいくぜ!!
ガルデクスの体から凄まじいオーラが沸き起こった!!
「何かやらかそうとしているな・・。」
ファルスがそう呟いた瞬間、暗黒将軍の2体は全パワーを解放し、究極体へと変貌を遂げた・・。

「この俺たちをこの姿にさせたこと・・、すぐに後悔させてやるぜ!!
暗黒将軍の2体がファルスにそう言った。
「ほう、究極体になったところでお前たちに何が出来るというのだ!!
ファルスが暗黒戦鬼となったウェルガスとガルデクスにこう言った。
「この力は、レイオスを助けるために生まれた力だ、あえて問う、お前はもともとはレイオスの仲間だったんだろ!?お前は、元の優しかったファルスに戻そうとするレイオスを殺すのか!!
ウェルガスがそう言い放った!
その言葉を聞いた瞬間、ファルスは頭を抱えた!

ファルスは消されたはずの記憶が断片的だがよみがえっていた。
「アメリア様、必ず地殻変動の謎を調べてまいります!!
「じゃあ俺の仲間になってくれるか?
「よおファルス、無事だったか!さぁ、一緒に帰ろう。」
ファルスの脳裏に旅の出来事、そしてレイオスの言葉が浮かんできた!
「グッ・・、やめろぉっ!!俺にこんなものを見せるな!!レイオスは憎むべき存在なんだ!!仲間とともに消し去る相手だぁっ!!
ファルスはそう言うと両手を天にかざし、闇のオーラを凝縮させた。
「お前たち、余計な真似をしよって・・、許さん!!受けてみろ、メガアリュマージュ!
ファルスが巨大な闇の大火球を作り、ウェルガスに狙いを定めた!
「地獄で後悔するがいい!この俺様にたてついたことをなぁっ!!
闇の大火球がウェルガスを跡形もなく焦がした!!
「レイオスよ、聞こえているか!!お前は今絶望のそこだが、それを支える仲間たちが、絶望の闇の中のお前を照らしてくれる唯一の光となろう!!だから、生きてファルスを・・・!!
ウェルガスはレイオスに最後の言葉を残し、燃え尽きた・・。

一方仲間たちはレイオスの体を拭き始めてから20分が経過した。
「おっ、レイオスの顔が見えたぞっ!!
ボルガがそう言った時、全員はさらに力を込めてレイオスの体を聖水を含んだ布で拭き始めた。
「みんな、今はレイオスを救うためにも、がんばるのよ!!
リュミーネが仲間たちにそう言った瞬間、レイオスの声が聞こえたような気がした!
「お、俺はファルスを、救うん・・だ!
リュミーネはレイオスの声を聞いた!
「みんな聞いて、今レイオスがしゃべったわ!!どうやらまだ生きてるわ!
リュミーネが仲間たちに伝えると、全員はレイオスの元に駆け寄った!!
「み、みんな・・・、俺に力を・・貸してくれ!!
仲間たちにもかすかだがレイオスの声が聞こえた!!
「当ったり前だ!仲間としてどんなときでもお前に力を貸してやるぜ!!
全員の声に答え、レイオスは立ち上がった!
「レイオス、もう立てるのね!
リュミーネがそう言うとレイオスはこう言葉を返した。
「もう大丈夫だ。しかしまだ立ち上がったばかりで力が・・。」
レイオスがそう言うと、ブレアが仲間たちにこう言った
「全員の力を集めて、レイオスに力を与えるんだ!!まずは僕とボルガがエネルギーを解放する!そしてリュミーネが二人の力をレイオスの体に注ぎ込むんだ!!
そう言うとブレアとボルガは、エネルギーを解放した!!
「レイオスよ、お前にこの野生のパワーを分けてやるぜ!!
「僕はレイオスの仲間になれてうれしいよ!だから、レイオス!僕はあなたを死なせやしない!
二人のエネルギー反応を感じたリュミーネは、レイオスに力を送る体勢に入った!
「ブレアとボルガの力、混ざり合って凄まじい魔力と力を感じる!!二人と私の力、受け取って!!
リュミーネがレイオスに手をかざし、エネルギーを体内に送り始めた・・。
「行くぜブレア!もっとレイオスに力を注ぎ込んでやるぜぇ!!
「僕も行くよ!!ボルガ、共に力を解き放とう!!
二人はさらにエネルギーを解放し、レイオスに力を注ぎ込む・・。

ご説明しよう!
リュミーネの特殊能力である[エネルギーを分け与える力]は、仲間がエネルギーを解放し、そのあふれ出すエネルギーを、リュミーネ自身が仲間ににエネルギーを送るための「器」となり、仲間にさらに戦う力を与えるという能力である!

レイオスはリュミーネと仲間たちに力を与えられ、レイオスは戦う力が戻ってきた!!
「みんな、こんな俺のためにすまない!俺が倒れて闇に飲み込まれているときに、みんなの言葉が聞こえてきたんだ!その言葉が、闇の中に堕ちた俺を導く光となった。そして、仲間のファルスも俺を闇の出口へと導いてくれた!!みんなの力で、俺はまたファルスと戦える!ありがとう!
レイオスは戦いの場に出るべく、準備を始めた・・。

一方暗黒戦鬼のガルデクスは一人でファルスと戦っていた!
「く、くそっ!!よくもウェルガスを!!許さん、許さんぞぉっ!!
ガルデクスの周りに凄まじいほどの闇のオーラが巻き起こる!!
「俺をここまで怒らせたのはお前が始めてだ!ウェルガスの仇、俺がとってやる!ファルス、死ぬ覚悟は出来てるんだろうなぁっ!!獣の力よ、我に力を!!獣化(ビーストアウト)!!
ガルデクスは大きな闇の獣と化した!!
「また何かやらかすつもりだな・・・。」
大きな闇の獣と化したガルデクスをを見て、ファルスが呟いた。

「グルルルル・・!!
ガルデクスの血走った目が、ファルスを睨み付けた!
「ほう、闇の獣になったところでお前に何が出来るというのだ!
ファルスはガルデクスにそう言った瞬間、ガルデクスの爪がファルスを捉えた!!
「グルオオッ!!
ガルデクスの鋭い爪がファルスを切り裂いた!
「ちぃっ!!俺がこの獣ごときにダメージを受けるとは・・。」
ファルスは爪の一撃を受けたが、立ち上がった!
「反撃開始だ!今度こそお前を殺してやる!!
ファルスが闇の獣と化したガルデクスに向かっていった!
「グルアアァッ!!
ガルデクスが爪を立ててファルスに向かっていった!しかしファルスはその爪の攻撃をかわし、ガルデクスの顎を思い切り蹴った!
「まるで野獣のようだな。攻撃が単調すぎるな。こんなザコに上級の術はいらん!!俺の体術でそのまま地獄に送ってやるぜ!!
ファルスはガルデクスに容赦ない連撃を仕掛ける!!
「グアアッ!!
ガルデクスは口から波動砲を放ち、ファルスに襲い掛かった!!
「ほう、波動砲か、ならばこちらも上級の術を使わざるを得なくなったな・・。喰らえ!ダークメテオ!
ファルスが闇の隕石を呼び出し、ガルデクスに向けて落下させた!
「俺がこんなガキに・・、負けるかぁっ!!
ガルデクスは最後の力で闇の隕石を破壊しようとしたが、闇の隕石のスピードは止まらず、ガルデクスの体を貫いた!!
「ガハァッ!
ガルデクスは獣化が解け、死んでしまった!!

「フハハハッ、俺の闇の力で暗黒将軍どもを葬り去ってやったぞ!!
ファルスがそう言った瞬間、聞き覚えのある声が聞こえてきた!
「ファルス!!そこまでだっ!!
その声の主はレイオスだった!
「ほう、俺の闇の攻撃を受けて生きているのは不思議なことだな・・。」
その言葉にレイオスはこう言った。
「俺がお前の闇に埋もれていたとき、お前の声が聞こえたんだ!!「レイオス、死ぬな!!生きて俺を助けてくれ!!」と!!お前は絶対に俺が元のファルスに戻してやるから覚悟しろ!!
レイオスがそう言うと、ファルスが言葉を返した・・。
「話はそこまでだ。行くぞレイオス、これが最後の勝負だ!!俺の憎しみと闇の力で今度こそお前を葬り去ってやる!!
ファルスがレイオスにそう言うと、レイオスが戦闘態勢に入った!!
「ファルス!!いくぞっ!!
レイオスとファルスとの戦いが、再び始まろうとしていた・・。

はたしてレイオスは、ファルスを救うことが出来るか!!
レイオスとファルスの戦いは、さらに苛烈さを増していくのであった・・・。

 

 

 

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