新章第十七話 ワームロードの攻防(後編)

 

浮遊魔法国エルジェを出て、一日が過ぎた・・・。
レイオスたちは空間のはざまに行くために、ワームロードを進んでいた。

「下水道の次は研究所のようなところに来てしまったようだ。」
レイオスが言った。しかし彼らは足を止めずに、奥へと進んでいく・・。
レイオスたちが進んでいると、目の前に機械の獣が現れた。

「何だあれは!?
いきなり現れた機械の獣に、全員は驚いた表情でこう言った
「グルルル・・・」
機械の獣は今にも襲ってきそうな唸り声を上げていた。
「あの機械の獣、今にも襲って来そうだぜ。俺たちでやっつけてやる!!
ボルガがそう言うと、全員が機械の獣に一気に突撃した!
機械の獣はミサイルを発射し、レイオスに襲い掛かった!
しかし、レイオスの剣さばきで、飛んでくるミサイルを真っ二つに斬った!
「これでも喰らえ!獣王弾!
ボルガの体内エネルギーの気の波動を機械の獣に放った!すると機械の獣に命中し、ぶっ壊れてポンコツになった。
「俺は急いでるんだ!先を急ぐぞみんな!
ボルガがそう言うと、一行は先を進んだ。

レイオスたちは生命要塞のようなところに来た。我先にとブレアが足を踏み入れた途端、ブレアの足がぬかるみにはまったような感じで沈んでいった!!
「うわぁっ、なんだこれは、僕の体が引きずり込まれて行く!!うわぁっ!
ブレアは何者かに引きずりこまれた。すると後を追うようにほかの仲間も引きずり込まれた。
「ギギッ、ギギッ!!
引きずり込まれた先に、謎の触手生命体がそこに居た。
「俺たちを引きずり込んで養分を吸い取ろうとしているんだ!!ブレア、あの魔物を燃やしてしまえ!!
レイオスはブレアにそう言うと、ブレアは一気に触手生命体に攻撃を仕掛けた!
「喰らえ、ファイアスパイラル!!
「ギギャアッ!!
ブレアの炎が、触手生命体は一瞬のうちに燃え尽きた。
「さぁ、上にあがろう!
レイオスたちはもと来た場所に戻った。

「あの触手魔物の巣を飛び越えれば、無駄な戦いを避けることが出来るのではないかな?
リュミーネはそう言った。するとその言葉に全員はこう言った
「賛成だな。触手魔物の巣を飛び越えながら進んでいこう!
レイオスたちはそう言うと、全員は触手魔物の巣を飛び越えながら、一行は先を進んでいった。
進んでいった先に、とがった骨のようなものが交差する危険な道だった。
「そのまま進めば俺たち串刺しだな。」
ボルガがそう言うと、レイオスは道具袋から時間の神から貰ったダイヤを手に取り、念じ始めた!
「時間よ、我に力を!タイムスロー!
レイオスは時間を緩やかにする術を唱えた。
するととがった骨のようなものの動きが急に遅くなった。しかし、レイオスたちの動きは普通のままであった。
「その術の効き目は1分だ。急いで走るぞ!!
そう言うとレイオスたちは一気に走り出した!
術が解けるまで残り10秒をきった。その間レイオスたちは休む暇も無くひたすら走っていた。
「やばい!最後の一本の骨が道をふさいでいる!!このままじゃ俺たち串刺しだ!
ボルガが焦った表情で言うと、レイオスはこうボルガに言った。
「このままスライディングで突っ切るぞ!
レイオスがそう言うと、全員が狭いとがった骨の隙間をスライディングで突破した。その2秒後、術が解けた。
「ギリギリセーフだったな、全員無事でよかった。」
レイオスが仲間の無事を確認し、ワームロードの先を急いだ・・・。

一方ウェルガスは、空間のはざまの入り口で待っていた。
「ここで待って入れば、レイオスたちが必ず来るはずだ。しかしあのとがった骨が交差する道で今頃串刺しになっているかもしれないな。一応ここで待っているとしよう。」
ウェルガスは退屈そうにレイオスたちを待ち伏せていた・・。

レイオスたちは宇宙のような暗黒空間に来た。
ブラックホールのように真っ黒な所だった。行けども行けども暗闇が続いていた・・。
「何もかも見えないほどだな。これでは迷ってしまいそうだな。一応まっすぐ進んでみるか。」
レイオスはとりあえず暗黒空間をまっすぐ進んで行くことにした。

しばらく歩いていると、目の前に洞窟の一部を切り取ったような所に来た。
「あれ、暗闇の中にこんなところがあったなんて知らなかったぜ。」
レイオスは闇の中にあった洞窟を進んでいった。

一方ウェルガスは退屈のあまり洞窟の中でドミノを並べていた・・。
「えーい、待ちくたびれたぜ。一体いつになったらレイオスたちが来るんだ!!
ウェルガスはいらいらした表情でドミノを並べていたが、つい体が当たってしまい、ドミノが一気に倒れてしまった。
「ああっ!!また倒れやがった!またやり直しだ。」
ウェルガスはそう言うと、またドミノを並べ始めた・・。

レイオスたちは水晶の洞窟の中を進んでいた。
「この水晶きれいだわ。いくつか取っていこうかしら?
リュミーネはそう言うと洞窟の中の水晶をいくつか取った。
「これを店で売れば高く売れるわ。」
リュミーネは大いに喜んだ表情だった。
「おーい、リュミーネ、先を急ぐぞ!
レイオスがそう言うと、リュミーネが急いでレイオスの後についていった。
しばらく歩いていると、階段があった。
「あれ、階段の先には外の風景が見えるぞ?
ブレアが洞窟の先を見た。するとそこにはさっきまでの不気味な風景がなく、きれいな花畑のようなところであった。
「もうすぐだ!!みんないくぞ!
レイオスは早速花畑を進んでいった。すると空間のはざまに続いている穴を見つけた。しかし、ウェルガスが穴の前で立っていた。
「お前が来るのを指折り数えて待っていたぜ!レイオス!!
暗黒将軍ウェルガスの姿がそこにあった。
「お前、ファルスはどうした!!
ボルガが怒りの表情でウェルガスに向かって叫んだ!
「ファルスか、あの金色の髪の男か。あいつならお前が消えた後に俺がやっつけてやった。そして、お前たちに関する記憶を消し、われわれの部下になったのだ!!
ウェルガスはボルガにこう言葉を返した。
「くそっ!これもみんなてめぇの仕業か!!
ボルガの怒りの表情でウェルガスにこう言った。
「そうだ、すべて私の仕業だ。私は記憶を消した後、私が闇の力によりファルスを洗脳させたのだ。空間の神・オパルドと私と倒されたガルデクスがファルスに闇の力を送り、完全なる漆黒の戦闘マシーンとなったのだ!お前らが元に戻そうとしても無駄だ!もうファルスは元の姿には戻せぬ!!
ウェルガスがボルガにそう言うと、ボルガが攻撃の構えを取った。
「うるせぇ!!そんなのやってみないと分からないだろ!!俺たちは絶対にファルスを連れ戻すんだ!!
ボルガがウェルガスに向かっていった!
「そうか、分からぬようならこちらもお前を殺す覚悟で挑む!!喰らえ、グラビティ・バレット!!
ウェルガスの手のひらから重力の銃弾が放たれ、ボルガを撃ち抜いた!
「ぐはぁ!!
ボルガは銃弾の一撃により地面に倒れた。
「このグラビティ・バレットの銃弾は、相手を宙に浮かせる能力を持っているのだ。」
そう言うとウェルガスは腕を上げた!するとボルガの体が空中に浮かんだ!
「オラアッ!!
ウェルガスは2秒間に3000発のパンチを繰り出し、ボルガを殴りつけた!
「どうした!暗黒将軍をなめるなよ!こいつを殺した後はわが同志、ガルデクスの敵、ブレアを始末してやる!!おれは人間を血祭りにしてしまう男なんだぜ!
ウェルガスがこう言った瞬間、ウェルガスの動きが止まった!
「お、俺の体が動かぬ!何をしたんだ小僧!
ウェルガスがそう言うと、あたりを見回すと、術を唱えているレイオスの姿がそこにあった。
「大丈夫かボルガ!
レイオスがボルガに駆け寄り、すぐさま回復の薬を飲ませた。
「お前の獲物だろ、これを飲んでもう一度あいつに立ち向かっていけ!
回復の薬を飲んだボルガは、力がわいてきた!
「うおおおっ!!なんかやる気出てきた〜!!やってやるぜ、ウェルガス!!
ボルガは動けないウェルガスに思い切り地面に叩きつけ、強烈な一撃を放った!!
「喰らえ、金剛獣王拳!
ボルガの一撃がウェルガスの鳩尾に入った!!
「この俺が、こんなガキに負けるわけが無いんだぁっ!!
ウェルガスが何とか立ち上がったものの、その目の前にボルガがいた!
「これで最後にしてやるぜ、ウェルガス!喰らえ、ギガインパクト!!
ボルガの凄まじい力で突撃し、ウェルガスを打ち破った!
しかし反動でボルガは大きなダメージを受けた。
「やったなボルガ!ついに暗黒将軍を打ち破ったぞ!
レイオスがボルガに言った。するとボルガがこう言葉を返した。
「お前もがんばってたぜ。お前がいなければ俺は死んでいたところだったぜ!ありがとよ!!
ボルガがレイオスにこう言った。
「さぁ、この先は空間のはざまだ。みんな、ここから先は戦いの連続だ!
レイオスはそう言うと、空間のはざまに突入していった・・・。

「ウェルガスも消えたか。」
ファルスが怒りの表情でこう言った
「こうなったら空間の神を呼ぶしかないな。オパルドよ、出て来い!!
ファルスがそう言うと、空間が歪み空間の神・オパルドが現れた。
「ファルス、私に何のようだ?
オパルドが問いかけると、ファルスは怒りの表情でこう言った
「今すぐここに侵入してきたレイオスを殺してまいれ!俺の命令だ!!
ファルスがオパルドにこう言うと、オパルドは空間の歪みに消えていった・・。

「ファルスよ、必ずやレイオスを殺してまいります・・。」
空間の神・オパルドはこう言いながら雄たけびを上げた!
「ガギャギャアッ!!
空間がゆがみそうな雄たけびを放ちながら、飛んでいった。

空間のはざまに突入したレイオスに襲い掛かる空間の神・オパルド!!
空間のはざまで、レイオスたちは何を見る!!!

 

 

 

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