新章第十二話 漆黒のファルス再び
レイオスたちは酒場のマスターからもらった地図を頼りにブスタル本社ビルにたどり着いた。
そしてレイオスたちは中に入り、早速闇に染まった人間を元に戻す装置のことを聞き出すのであった。
「すみません、闇に染まった人間を元に戻すための装置はありませんか?」
レイオスがブスタルの社員にこう問いかけた。
「リライブマシン、ソウルクリーナーがありますけど、どちらにしますか?」
社員の言葉にレイオスはこう言った。
「すみません、この二つがほしいのですが値段はいくらになるんだ?」
レイオスは値段の詳細を聞くと、親切に社員が答えてくれた。
「二つで20万Gになりますが。どうしますか?」
これは高すぎる、いくらレイオスたちでもこんな高価な物など買えるはずが無かった。なぜならば、彼らは時空船の中に財布を忘れてきてしまったのだ。
「す、すみません。あとで、また来ます。」
レイオスたちは諦めて帰ろうとした、するとビルの屋上から爆発のような轟音が聞こえてきた!
ドカーン!!
「何が起きたんだ!早速屋上に向かうぞ!」
レイオスがそう言うと全員が一斉に階段を駆け上っていった!
そこには復讐に燃えるレガンの姿だった!
「お、お前!逮捕されたのじゃなかったのか!?」
レイオスが驚きながらこう言った
「俺はなぁ、警官を凍らせてから逃げてやったさ!この違法改造されたアイスブースターでな!!」
その言葉にレイオスはこう言った
「この犯罪者め、今度こそ決着をつけてやる!!」
「この言葉を待ってたぜ、レイオス!!」
レガンがブースターを取り出そうとしたその時!一筋の闇の閃光がレガンの体を貫いた!!
「ぐわぁ!!」
レガンはその場に倒れ、死んでしまった。
「ほう、見つけたぞレイオス!今日こそ抹殺してやる!」
レイオスはその声の主に振り返った。
ファルスだった。
「なぜお前がここにいるんだ!」
レイオスが叫ぶ。するとファルスがこう答えた。
「俺のこの爪は空間を切り裂き別の時代に行くことが出来るのだ!驚いただろう。俺は空間の神様に力をもらったんだ!すべてはお前を殺すためにな!!」
ファルスの言葉にレイオスはこう言った
「みんな、先に降りていろ!たしかこの会社は船のエンジンを作っているところだから、エンジンを一つもらってメルファに戻っておくんだ!ここは俺が食い止める!」
そう言うと仲間たちは下に降りた。
一方ボルガたちのほうはエンジン装置を探していた。
「エンジン装置をください!お金ならいくらでもあります!」
ボルガがそう言うとエンジンを作っている人がそう言った。
金ならあるというのは勿論嘘だ。
「エンジンか、大量に作りすぎたのであまったんだ。好きなだけ持って行ってよ。」
その言葉に全員が驚愕した!
「本当ですか!じゃあ一人一つずつ持って帰ります!」
ボルガたちはエンジンを貰い、ボルガたちはメルファへと向かった・・。
「レイオス!お前とここで決着をつける!」
ファルスがそう言うと、レイオスがこう返した!
「望むところだ!!一回目は負けたけど2回目は絶対に負けない!」
レイオスとファルスの勝負が始まった!
「喰らえ!シャドーボール!!」
ファルスが暗闇の弾を手のひらから発射した!
「行くファルス!ウインドカッター!」
レイオスが念じると、風の刃がファルスに向かって飛ばした!
その風の刃は、ファルスのシャドーボールが真っ二つになり、ファルスに当たった!
「ぐわぁっ!!」
ファルスにダメージを与えたが、倒れなかった
「くそっ!俺がこんな術に負けるとは・・。俺の本気を見せてやる!!」
ファルスの背中から翼が生え、ファルスの体が空中に浮いた。
「空を飛べぬお前に、もはや勝負はついたも同然!」
ファルスがレイオスにこう言った。
「ブースターの力で、鎧に翼が着いたんだった。そいつで俺も空を飛べるはずだ!」
レイオスが魔力を練りこむと、翼が大きく開き、レイオスの体が空中に浮いた。
「行くぞファルス!空中決戦だ!」
レイオスとファルスとの戦いは、空中との戦いに発展した!
一方ボルガたちは時空船メルファにエンジンを取り付けていた。
カチャカチャ・・・。
「そこをこうして・・。」
ボルガがエンジンを取り付けるが、セット部分がいびつだったので、リュミーネがこう言った。
「仲間の命がかかってんのよ。私に任せて。」
リュミーネがボルガに変わり、エンジンをセットした。
「やった!これでこの時空船は移動できるんだ!さっそくレイオスのところに向けて発進だ!」
ブレアはそう言うと、時空船の発進ボタンを押した。
「待っててくれよレイオス、僕たちは決して君を死なせやしない!」
時空船メルファはレイオスの元に発進した。
一方レイオスはファルスとの空中戦を繰り広げていた。
「喰らえ、邪炎殺!」
ファルスの邪悪な炎がレイオスを襲う!
「俺は絶対に負けない!聖風波!」
レイオスの手のひらから聖なる風が吹き荒れる!
「うおおおおおっ!!」
ファルスの邪悪の炎とレイオスの聖なる風がぶつかり合い、凄まじい衝撃波が発生し、周りのビルの窓ガラスが割れていった!
「うわぁっ!」「がぁっ!!」
レイオスとファルスは衝撃波によって吹っ飛んで行った!
「レイオスめ!何処へ消えたぁ!」
ファルスがレイオスを追おうと体を動かそうとしたが、体が工事中のビルのワイヤーに絡まり、身動きが取れなくなっていた。
「ちくしょう!ちくしょう!」
ファルスが叫ぶ。
しかしレイオスは何処へ行ったのか?
レイオスは衝撃波によって吹っ飛ばされた後、運よくビルの屋上に倒れていた。
「ふう、助かったぜ。それより元いた場所に戻らないとな。」
レイオスはブスタル本社の屋上に戻った
「クソッタレが!正々堂々勝負しやがれ!卑怯だぞ!」
レイオスの耳にファルスの叫び声が聞こえた。ふと振り返ると、ビルのワイヤーに絡まって身動きが取れないファルスがそこにいた。
「レイオス!取りあえず急いで乗って!」
リュミーネが手を伸ばすと、レイオスがリュミーネの手を握り、時空船の中に入った。
「ファルス!勝負は預けた!(ニヤリ)」
レイオスがファルスに向かって挑発の言葉を放った!
「ダイヤ暦740年にタイムワープを!早くしないとファルスが襲ってくるわよ!」
リュミーネが急いでいる表情でレイオスにこう言った。
「わかった!ダイヤ暦740年にワープするぞ!」
レイオスはワープ地を設定した後、タイムワープを開始した!
一方ファルスのほうは・・・。
ビルのワイヤーに絡まったまま身動きがとれず約3時間もがいていた。
「不審者だ!しかもビルのワイヤーに絡まっているぞ!」
パトロールに来た警官がファルスを捕まえた!
「な、何をする気だ!離せ!」
ファルスは警官の制止を振り切り、空間を切り裂き、空間の切れ間に入っていった。
「レイオスめ、この借りは必ず返す!このままでは済まさないからな!!」
そう言うとファルスは空間のはざまへと消えて行った・・・・。