第二十三話 魔将軍の幻影(かげ)

 

ヴィン達はベルフェルトの待つ玉座の間にたどり着いたが、ベルフェルトはいなかった。
「ベルフェルトの奴、ここに来いって言ったのにいないじゃないか!何処に消えやがったんだ!
ヴィンがこう言った
「あ、あれは空間の歪みだ!ヴィン、早速波導のエネルギーを送ってこじ開けるんだ!
ジョンがそう言うと、ヴィンは両手を歪みのほうに向かい、波導の力を送り、そう叫んだ!

「波導は、我にあり!!

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・
ヴィンが波導のエネルギーを送ると、ヴィンたちは空間の歪みに引きずり込まれた。
「うわあああぁぁっ!!

異次元に引きずり込まれたヴィン達は、混沌の渦にきたようだ・・・・。
「フフフ、ヴィンよ、君たちもここに来たのかい。私は玉座に来いと言ってたけど、自分たちの力でここに来たんだね。良く出来ましたというほどでもないが、君たちにはここで消えてもらうよ。」
何処からとも無くベルフェルトの声が聞こえた
「おい!お前を絶対に殺しにいくから待ってろ!!
ヴィンが叫んだ、その時ベルフェルトがこう言った
「フフフ・・。私の所に来るまでには、君たちが倒した魔将軍3体を私の所に来るまでの3つの扉の向こうにそれぞれ一人いるよ。この魔将軍は、君たちが倒した奴よりも数倍パワーアップしているよ。では、ヴィンたちよ、生きていたらまた会おう!
ベルフェルトの言葉にヴィンは
「そいつら全部倒して進めりゃいいんだろ!みんな、やってやろうぜ!
ヴィン達は早速最初の扉を開いて、中に入った。

最初の扉の向こうは、電力発電所のような場所だった。
「おいおい、こんなところなんて見たこと無いぜ。」
ヴィンが変わった風景に驚いていた
「驚いているヒマは無いよ。さっさと魔将軍を倒して先に進むしかないのよ。」
ルーナがヴィンたちにこう言った
「おっ、早速敵が現れたようだな!
ヴィンがそう言うと、前方に魔物がいた。
「あれは、上位魔物のイエロードラゴンとガニメデだ!
ジョンが魔物の正体を見つけた!
「じゃあ俺がさっそくメガトンパンチを放ってやる!喰らえ!メガトンパンチ!!
ライオンマスクの拳がガニメデに炸裂!ガニメデはポンコツになった!
「僕の番ですね!バンブーショット!
ジョンが呪文を唱えると、竹の槍が何処からとも無く飛んできてイエロードラゴンを貫いた!
「グルオオオオッ!
イエロードラゴンがジョンの術を受けて、地面に倒れたすきにルーナが酸の術を唱えた!
「溶けてなくなりなさい!ギガアシッド!
大きな酸の塊が、イエロードラゴンを包み込み、イエロードラゴンが骨だけになった。
「私たちは決して負けない!何があってもあきらめない!絶対にベルフェルトを倒してやるのよ!
ルーナがそう言うと、ヴィン達は出口へと向かった、しかし!?ドアの前に魔将軍の一人であるボルテイルが現れたのであった。
「お前は俺が倒したはずだぜ!何で生きているんだ!
ヴィンがそう言うとボルテイルはこう答えた
「確かに俺は一度お前に倒された。だけどベルフェルト様に数倍パワーアップして生き返らせてくれたんだ!パワーアップした俺を倒さないとお前をこの先には進ませないぜ!さぁリターンマッチだ!俺に触れると感電死するぜ!!
パワーアップしたボルテイルがヴィンたちに襲い掛かってきた!!

「まずは俺から波導の術で相手を足止めするぜ!粘波導の術!護謨護謨粘着波!
ヴィンは波導の術でボルテイルの体をゴムで縛りつけた!
「くそっ、またゴムか!しかしこんな小細工が通用するかぁ!!
ボルテイルは強い電流でゴムを焼ききった!
「こんなゴムなど電熱で焼ききってくれるわ!昔の俺は電気の使い方がまだまだ未熟だったんでな!しかしパワーアップした俺は体から電気を出せるだけでなく電熱をも出せるようになったのだ!
ボルテイルがヴィンたちを威圧する。しかしヴィンはこう言った
「ゴムがダメなら、電気はゴムのほかに木属性の技には効果が抜群だったな。ならば木の術でお前を始末してやる!樹波導の術!大樹大砲!
ヴィンは木の大砲を呼び出し、ボルテイルに大砲の弾を放った!
「ぐわああぁぁっ!一度ならずに二度までもお前にやられるなど・・・・・、ぐふっ!
ボルテイルは木の大砲を受けて、その場に倒れて動かなくなった・・・。
「やったぞ!さぁ先に進もう!
ヴィンはそう言うと、次の扉の向こうに進んでいった・・。

二つ目の扉の向こうには、お化け屋敷のようなところだった。
「なんだかお化けが出そうなところですね。早速先に進みましょう!
ジョンがそう言うと扉へと向かっていったが、魔将軍の一人であるベリアルに阻まれた!
「おうおう、昔俺を殺したのに素通りか?昔の恨みを今ここで晴らしてやる!覚悟しろ!今の俺はベルフェルト様に生体改造され、今よりもっと強くなって復活したぜ!さぁ掛かってきな!!
ベリアルがヴィンたちに襲い掛かってきた!

「まずは俺様からやらせてもらうぜ!ダブルシャドウボール!!
ベリアルが二つの闇の球体を呼び出し、ヴィンたちに向かって飛んできた!
「こんな球体、こうしてやる!ダブルカッター!
ヴィンが新たなる剣技で闇の球体を真っ二つに斬った!するとジョンがすかさず能力ダウンの術を使った!
「お前の弱点はこれだな!オールダウン!!
ベリアルに能力ダウン系の呪文をかけたが、何も変化が無かった・・・・・・。
「何でだろう?能力ダウン系の呪文が効かないなんて・・・・・。」
ジョンががっかりした。
「フハハハハ!!俺はベルフェルト様に改造されたこの体は、呪文を受け付けない体になったんだぜ!これでもうお前の勝ち目は全く無いぜ!
ベリアルがそう言った瞬間!ヴィンが退魔刀でベリアルの胸を突き刺した!
「受けてみろ聖なる白刃を!退魔殲滅剣!!
ベリアルは退魔刀を突き刺された瞬間、体が石化し始めた・・。
「え?俺の波導の剣と退魔刀が・・・・合体して波導退魔剣になった!
ヴィンの二つの剣が一つに合体され、より輝きを増したようだ。
「よし、さぁ次に進みましょう!
ルーナがそう言うと、ヴィン達は次の扉を開け、扉の向こうに進んで行った・・・・。

三つ目の扉の向こうには、霧がかかる山の頂上だった。
「なんか立て札があるから読んでみるぜ。この先霧多し。」
ヴィンが立て札を読んだ瞬間、霧の中から魔将軍のミストリィが現れた!!
「あらお久しぶりルーナ!私がなぜ生きてるかって?それはね。ベルフェルト様が生き返らせてくれたのよ。それでよりパワーアップした私の私の力であなたたちを葬ってやるわ!覚悟しなさぁい!!
魔将軍のミストリィがヴィンたちに襲い掛かってきた!

「まずは私のパワーアップして身に着けた力を見せてあげるわ♪」
ミストリィは霧で出来た分身を何体も呼び出した!
「フフフ・・・・。じわじわとあの世に送ってあげるわ・・・・・。」
ミストリィの霧の分身がヴィンたちを襲う!
「ぐわぁ!
ヴィンはダメージを受けた!するとヴィンは高速で動くミストリィの分身に飛び込み、波導の盾を出した。
「見えないなら、こうすりゃいいんだろ!波導の術!蒼雷守盾!
高速で動いているミストリィは、ヴィンが出した盾にぶつかり失神した!
「今のうちね、私が止めをさしますわ。テラホーリーボルト!!
ルーナは手のひらから巨大な聖なる球体を発射した!
「ぎぃやあああぁぁっ!!
ミストリィは大きな聖なる球体に包まれ、掻き消えた・・・・・。

「さぁ次が最後の扉だ。気を引き締めて行くぜ!
魔将軍をすべて倒したヴィンは、最後の扉をあけてその向こうへと進んでいった。

しかし、これで最後ではなかった!四つ目の扉の向こうには、偽の玉座の間だった。
「おいおい、ベルフェルトなんて何処にもいないじゃないか!?
ヴィンが叫んだ!すると何者かが玉座に現れた。
「私の名前は魔元帥カルマ、魔将軍を統括するすべての闇の根源だ!
魔元帥カルマはこう言った。するとヴィンはこう言い返した!
「言いたいことはそれだけか!さっさと本当の玉座の間への道を教えろ!
「ほう、では私を打ち破ったら教えてやろう。だが!俺は魔将軍よりクラスが上だ!そうあの3人のように簡単にやられるわけにはいかんぞ!掛かって来い!若造!
魔元帥カルマとの戦いが始まった!

「俺の力を思い知れ!ダークアイ!
魔元帥カルマの周りにいくつもの目のついた球体が現れた!
「いけ!ダークアイよ、こやつらを滅ぼしその憎しみを我に捧げよ!
ルーナは大きなバリアを貼り、全員の身を守った!
「こんな攻撃、打ち破って見せるわ!ニードルシールド!
ルーナは棘のついたバリアを貼り、ダークアイを破壊した!
「なんてことだ!私のダークアイが・・・・・。ならばこれでどうだ!イレイズレーザー!
魔元帥カルマは太いレーザーを発射し、ヴィンたちを襲う!しかしヴィンたちはすばやく身をかわした。
「こうなったら俺たちで合体召喚術をやってやるぜ!
ヴィンが提案を思いついた、しかし仲間たちは困惑していた
「こんな事が出来るのか、やってみるよ!
「無茶よ!四人で召喚呪文なんてやったことが無いわ!
「しかし俺普通にMP0だよ!そうだ、この不思議な木の実を食べれば少しだけMPがあがるぜ!
仲間たちが困惑している中で、四人は両手を天にかざした!

「私の思いが同じならば、みんな力を貸してくれ!
ヴィンがこう叫ぶと、ジョンがこう叫んだ!
「僕も正義と誇りを持って!
ジョンがこう叫ぶと、ライオンマスクがこう叫んだ!
「力と正義、二つの力を備え持つ召喚獣!
ライオンマスクがこう叫ぶと、ルーナがこう叫んだ!
「思いよ通じろ!バルドフェニックス!!

四人の思いが完全に通じ合った瞬間、巨大な光の鳥が召喚され、魔元帥カルマに突進した!
「こんなもの、俺の最大召喚術で葬ってくれるわ!行け、ガルガンチュア!!
魔元帥カルマの召喚術は巨大な光の鳥には無力だった・・・・。そして、カルマは巨大な光の鳥に焼き払われてしまった。
「玉座の裏に本当の入り口が・・・・・ギャアアアアアァァァッ!!!
魔元帥カルマは巨大な光の鳥に焼き払われてしまった!!

召還により大きな魔力を消費してしまったヴィン達は、しばらく眠りについた。
よほど魔力を使いすぎて体に負担が掛かったのであろう。

しばらくしてヴィン達は目覚めた。
「ふぅ、4人同時で召喚術はさすがに疲れるぜ!
ヴィンがそう言った、そしてジョンがこう言った
「あれは回復の水だ!それを飲むと体力と魔力が全回復するんだ!みんな飲んでみよう!
ヴィン達は回復の水をのんだ。
ヴィンたちの体力と魔力が回復した!
「よし、玉座の後にある隠し通路にいき、ベルフェルトをやっつけてやるぜ!
「これが最後の戦いね。気を引き締めていきましょう。」
「俺たちは必ず生きて表の世界に帰ってやるんだ!闇の世界なんかうんざりだ!
仲間たちがヴィンにこう言った。
「よし、待ってろよベルフェルト!命を奪いに行くぜ!
そう言うとヴィンたちは、玉座の後の隠し通路を降りていくのであった・・・・・。

世界の滅亡の日まで、あと2日
ヴィン達はこの長きに渡る戦いを終わらせることが出来るのか!?

 

次の話へ

 

前の話へ

 

第一章TOPへ