第十五話 凍てつく大地へ・・・

 

ヴィンはベルフェルトの死闘の後、仲間とともに天空城にいた。
「こ、ここは天空城・・、誰が運んだんだ。」
ヴィンが困惑した表情で仲間にこう言った。
「よかった、私と最長老の回復呪文で完全に傷が回復したわ。ありがとう、長老様。」
ルーナと最長老がヴィンの手当てをしていたようだ。
「ベルフェルトは強かった・・、俺は自分の力を過信していたんだから弱かったのかもしれない。だが次に戦うときは絶対勝ってやる。」
ヴィンはこう言った
「あ、そうだったな。騒ぎが起きたので忘れていたようだ。今からお前さんたちに隠された力を引き出してやろう。」
最長老はヴィンたちに強いエネルギーを送った。

「おお、俺の力がこんなにもレベルアップしたぜ!
「僕も魔力の器が上がったような気がする!
「これでベルフェルトの奴をぎゃふんと言わせてやるわ。」
ヴィンたちは最長老の力を受け取った。
「そうじゃ、ヴィンは波導の術が使えるようになったぞ。経験をつんでいけばたくさんの波導の術を身に着けていくであろう。まずお前が覚えている波導の術は「紫電」じゃ。この術は相手に電撃のダメージを与える波導の術じゃ。ジョン、お前にはトラベという術をやろう!これは一度いったことのある街に一瞬にしてワープできる呪文じゃ。あと、上位召喚獣も召喚できるようになったぞい。ルーナ、お前にはこのセイントジャスティスという術をやろう。こいつは相手のバリアーを無効化し、そして聖なるダメージを与えるであろう。両親の聖なる血を最も受け継いだお前さんなら使えるかも知れぬのう。あとムオンという術をエルジェ以外のところでも呼び出せるようにしてやろう。そいつを使えば目的地までまっしぐらじゃ。でも岩山は通れないので注意しておくことだ。さて、平和記念塔に行く方法じゃが、どうやら凍て付く大地というところにあるらしいのじゃが、大きな岩山が邪魔で進めない。そこでこのマグマの杖をやろう。そいつをその岩山の前で使うと岩山がマグマによって消えていくのじゃ、そして道が開けるというわけじゃ。お前たちよ、平和記念塔に行き、ベルフェルトを止めるのじゃ!!では頼んだぞ!勇者たちよ!

ヴィンたちが天空城から帰ろうとしたとき、衛兵の一人が現れた。
「はぁはぁ・・・、ヴィン様!これをもっていけと最長老様が言っていました!
ヴィンたちは凍て付く大地の行き方を示したメモを手に入れた。
「おっ、ありがとう!絶対にベルフェルトを止めるぜ!ムオン!
ヴィンたちは浮遊石に乗って天空城を後にした。」

ルーナの耳に最長老の声が聞こえたような気がした
「頼んだぞルーナ、ベルフェルトの次に邪悪な存在、クイーンを止めてくれ・・・」

ヴィンたちは早速メモを開いた。
「凍て付く大地への行き方は、まず凍て付く大地に船を止められるところに行くがよい、そこに洞窟があるので洞窟を抜ければ凍て付く大地へたどり着けるぞ。そこを抜けたところにある雪の街、スノウランドへ行くのじゃ。まずはこの街の大きな屋敷にいる元魔将軍のデイモスがいるので彼から情報を聞くのじゃ。」
ヴィンたちはメモを読んだ後、早速凍て付く大地の周辺に来た。
「うわぁ、冷てぇな。こんなところに居たら氷漬けになっちまう!
「強い冷気だ!こんな寒いところはじめてだ!
「ここは凍て付く大地、凍りつくような寒さだから凍りつかないように気をつけてね。」
ヴィンたちが話をしながら凍て付く大地へ突入する洞窟を探していた。
「おっ、あれは洞窟じゃないのか!さぁ乗り込むぞ!平和記念塔のある凍て付く大地へ!!
ヴィンたちは洞窟の前で浮遊石から降りた。浮遊石は魔法の国へと戻っていった・・・・。
「さぁこの洞窟に入るぞ!みんな準備はいいか?
ヴィンがみんなに問いかけた。
「いつでもいいわ。こっちには最長老から力をもらったから大丈夫だわ!
どうやら突入する準備は整ったようだ。そしてヴィンたち3人は洞窟の中へ入っていった・・・。

しばらく洞窟を進んでいると魔物が現れた!
アイスオーガ2体とスノーマン3体とアイスギャザー1体が現れた!
ヴィンが覚えたての波導の術「紫電」をアイスギャザーに放った!
「受けてみろ!波導の術!紫電!
術を唱えるとヴィンの手のひらから強力な電撃が走る!
しかし、アイスギャザーの頑丈な甲羅のせいでダメージを与えられない!
その電撃がアイスオーガに飛び火してアイスオーガ2体にダメージを与えた!!
「ちくしょう!この蟹みたいな魔物術がぜんぜん効いてないじゃないか!
「あの蟹の魔物は術のダメージを少ないダメージに変換する能力を持っているのではないかな?」
ジョンがヴィンに助言をした。
ジョンがアイスギャザーに斬りかかった!
「喰らえ!炎の兜割り!
ジョンはアイスギャザーの甲羅を破り内部から炎のダメージを与えた!
「やはりあの蟹の魔物は甲羅を破れば術が効くんだよ!
ジョンがこう言いながら次のターゲットに攻撃を仕掛けた!

「先ほど覚えた強力な術を使おうかしら♪」
ルーナはうれしそうに魔力を練りこみ始めた・・・
アイスオーガとスノーマンが一気にルーナに襲い掛かった!・・・・しかし
「イレイズバリアッ!
スノーマンとアイスオーガは一瞬にして消え去った。
「フフフ♪この呪文は触れたものを一気に消化する酸性のバリアーなの。知らずに触れたものをあっという間に溶かしちゃう上級の呪文なの。でもその効力は5秒だけなのでタイミングが重要だけどね。」
ルーナはいつの間にか覚えた呪文で敵全てを一掃した!
「これで全部だな。さぁ先を進もう!
ヴィンたちが洞窟のさらに奥を目指す・・・。

洞窟の最奥まで来たヴィンは、上へと続く階段を探していた・・。
「しかしここは変だな。いくら進んでも同じところに戻ってきてしまう。ここからは正しい道を通らないと迷ってしまうらしい。」
ヴィンは同じ道を行ったり来たりしていた。
「ここって、同じ道のようだけど岩が二つあるよ。最初に来たところは一つだったのに。」
ジョンが洞窟のトリックを暴いた!
「そうか!岩がある所のほうの道に行けばいいんだな!
ヴィンがそう言いながら進んでいくと上に続く階段を見つけた!
「やっぱりそうだ!ここは同じような道で旅人を惑わす洞窟だったんだよ。トリックが分かれば誰だって抜けれるんだ!
ジョンはうれしそうにこう仲間たちに話した。
「さぁ出口を目指そう!
ヴィンたちは出口へと続く階段を上がり、ついに凍て付く大地へ到着した。
「たしかこの辺にスノウランドがあるはずだ。まずはそこで装備を整えよう。」
ヴィンたちはスノウランドという街に入った。

ヴィンたちはまず装備品を整えるために、武器防具屋に装備を買いに行った。
ヴィンは気に入った装備を見てこう言った。
店主「いらっしゃいませ。」
「おっ、こいつはファルコンブレードだこいつはすばやく攻撃できる武器だ!それとキングスアーマーとキングスシールドを買うぜ!
店主「お買い上げの商品は35000ゴールドになります。」
「こいつは安いな。買うぜ!
店主「ありがとうございました。」
ヴィンの買い物は終了した。

ジョンはいい装備があったようだ
「僕はこのゴールドエペと精霊の鎧と魔法の兜を買おう。」
店主「おっ、お目が高いね。ゴールドエペはブレイクスラッシュが使えるぜ!お前さんなら絶対にこれを使いこなせるぜ。お会計は27500ゴールドになります。」
「はい。買います!
店主「ありがとうございました。」
ジョンの買い物は終わった。

ルーナはほしい武器があったようだ
「このアーマーペインと聖術士のローブと司祭の帽子とホーリーアミュレットを下さい。」
店主「お会計のほうは36000ゴールドになります。」
「これはいい装備だし、買うわ。」
店主「ありがとうございました。」
ルーナはうれしそうに買い物を終えた。

装備品を買ったヴィンたちは、この町にいる元魔将軍のデイモスをたずねることに下。
「この不気味そうな屋敷に元魔将軍のデイモスが居るんだな。いきなり襲ってくって事は無しだな。」
ヴィンが恐る恐る扉を開けて館の大きな広間に入った。そこにはデイモスがいた。

入ってきたヴィンたちにデイモスがこう言った
「おお、お前がヴィンか。お前の話はエルジェの最長老から聞いておるぞ。おぬしたちが知りたいことは平和記念塔への行き方だな。平和記念塔は昔戦争によって戦死した人間の霊を慰めるために作られたところだが、ホーリークルセイダーズというわけの分からん連中が現れて、この塔を本拠地として占領してしまったのじゃ。そこにいるリーダーのベルフェルトがヴィクトリアスの二つの宝石を盗み、闇の世界に封じ込めてしまったのじゃ。しかしベルフェルトの後ろにはホーリークルセイダーズのクイーンであるシルフィアというものが居るのじゃ。その女は人間を嫌い、人間は滅ぼすべき存在という冷徹無比な思想の持ち主じゃ。今のお前たちの力なら、太刀打ちできそうだが。ヴィンよ、お前には私の試練を受けてもらうぞ!それでないと絶対にベルフェルトには勝てぬ!ほかの者はここで待っておれ。ヴィンはあとで試練の間に来てもらおう。」
そう言うと仲間を大広間に残しヴィンはデイモスの試練を受けることになった。

試練の間に来たヴィンは、早速デイモスの試練が始まった。
「ヴィンよ、お前の波導の力はまだまだ弱い。私がその魔力を上げるために私と戦い、その力を示してもらおう!もしお前が勝ったら波導の魔力を上げてやろう。命がけで掛かって来い!本気で掛かってこなければこの場で砕け散るぞ!!
ヴィンは元魔将軍のデイモスの試練を受けることになった。
はたして、ヴィンはこの試練を乗り越えることが出来るのか!?

ステータス

ヴィン 波導の戦士 HP1360 MP 980 LV 43
ジョン 魔法騎士  HP1250 MP1468 LV 42
ルーナ 聖光術士  HP 800 MP1759 LV 39

世界の滅亡の日まで、あと10日
ヴィンの波導の試練が始まろうとしていた。

 

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