第十四話 エルジェ襲撃

 

一方ヴィンたちは浮遊石に乗って長老の待つ天空城に向かうところだった・・
「さあ、着いたぞ!さぁルーナ様、元気な顔を長老様に見せてやってください。」
ヴィンたちは長老がいる大広間にやってきた
「長老様、私はただいま戻りました。」
ルーナが長老にこう言った。
「ルーナよ、良くぞ戻ってきた。しかし今は一刻を争う状態なのじゃ。この世界を守っている二つの宝石が失われたことによって、世界の調和が乱れつつある。このままではあと11日には世界は闇に包まれるであろう。だからこそ3人の神様がお前たちを選んだのだろう。しかし3人の神様は闇の世界から現れた魔将軍によって石にされ、魔将軍の体に取り込まれてしまったのじゃ。」
長老はヴィンたちに言った
「その神様は俺たちが解放しました。」
ヴィンは長老に3人の神様を解放したことを告げた
「おおっ、お前たちが神様をすべて開放したというのか!さすれば魔将軍をすべて倒したというのか。やはり、お前たちはこの世界の危機を救えるかも知れぬのう・・・。だが、お前たちにはまだまだ隠された能力を引き出さなければ邪悪の根源には勝てぬ!今から私がその隠された力を・・・・!?

その時エルジェに爆音が響き渡った!
「た、大変です!白い服を着た男が扉の衛兵を殺し、侵入した模様です!白い服の男のほかに夥しい数の魔物が西の塔、東の塔に向かっています!それぞれの場所に術者と魔法戦士を配置して迎撃準備完了です!
衛兵の一人が走りながら長老にこう言った
「なんじゃと!?これは一大事じゃ!わしがお前たちに指名を与える。ルーナはこの天空城、ジョンは東の塔、ヴィンは西の塔の護衛を頼む!魔法の国の一大事じゃ!宜しく頼むぞ。」
長老がヴィンたちに指令を与えた
「わかりました。必ずや守ってみせます!浮遊石よ、私の元に来い!ムオン!
ヴィンたちはこう言うと、浮遊石を呼び出し、それぞれの守るべきところに向かっていった・・。

東の塔、そこは危険な魔法の書がおいているところである。
ジョンはいきなり魔物と戦う羽目になった。
「軍勢だ、僕たちはこんな数を相手に勝てるかなぁ。」
ジョンが不安そうだった。
「わたくしたちとともに、この東の塔を守り抜きましょう!絶対に油断はするなよ!
魔法戦士の一人がこう言った。
「早速来たようだな。ミノタウロスが3体、ドラゴンが2体、ロックバードが5体いる!
「こっちにはソーサラーが6体、オーガソルジャーが3体、キャンサーが3体、蟻地獄が4体いるぞ!
魔物の軍隊が東の塔に迫ってきた。
「いくぜ、俺たちがこの塔を守りきるぞ!これだけの兵力なら絶対にいける!エルジェの兵力をなめるなよ!さぁまいてやろうぜ!!
東の塔の部隊が一斉に攻撃を開始した!

西の塔では魔術部隊とヴィンたちが戦闘態勢にはいっていた。
「南の方角に魔物の姿を発見!えーと、ガルムが3体、魔道兵が3体、サイクロプスが4体いる!
「こっちにはトロルが4体、アークウルフが10体、火炎魔人が1体いるぜ!さぁ攻撃開始だ!
ヴィンたちの部隊が一気に魔物の群れに突っ込んでいった!
「こんな魔物なんて俺の剣技で楽勝だぜ!半月斬!
ヴィンの剣技と術士の魔法攻撃で魔物を一掃していく、しかし火炎魔人の炎がヴィンたちを襲う!
「うわぁっ!だがこんなところで絶対に負けるわけにはいかないんだ!
ヴィンが気合とともに火炎魔人に突っ込んでいった!そして水の剣技が炸裂した!
「一気に決めるぜ!スプラッシュ・ソード!
水の刃が魔物の群れを一撃で粉砕した!
「おおっ、これほどの数の魔物を一撃で・・・・。」
術士と戦士がヴィンの強さに圧倒していた。
「これで終わりだな。魔物の大群が全部倒されたみたいだ。」
ヴィンは戦いがおわり、ほっとしていた・・・・。だが
「ふふふ、まだ終わりじゃないよ。」
すると白い服の男が現れた!
「お前が侵入者か!名を名乗れ!
ヴィンが白い服の男に問いかけた。
「私はホーリークルセイダーズのリーダーのベルフェルトだ。君こそなんだ、我々の同胞を倒し、さらには私が送り込んだ魔将軍まで倒してしまうとは・・・、生かしてはおけぬ存在だね。」
ベルフェルトはヴィンにこう言った
「おまえが魔将軍を操りヴィクトリアス城から二つの宝石を盗んだんだな!お前だけは絶対に許さない!俺が相手になってやるっぜ!来い!
ヴィンがベルフェルトを威圧した。
「ふふふ、かかっておいで・・・・。」
ヴィンとベルフェルトとの戦いが始まった!

「こっちから行くぜ!ウェーブスラッシュ!
ヴィンがベルフェルトに攻撃を仕掛ける
「こんな攻撃、私には通用しないよ・・・・。」
ベルフェルトがヴィンの攻撃をすばやくかわす
「ひどく疲れているようだね。君は僕の事を憎んでいるようじゃないか。僕が何をしたというのかい?」
ベルフェルトがヴィンを挑発した。
「とぼけるな!お前がヴィクトリアスの宝石を盗んだって事は知っているんだぞ!
ヴィンがベルフェルトに斬りかかる!!
しかしベルフェルトにはダメージを与えられない!
「だから言っているでしょ、君に僕は倒せないと。私は人間が醜い、だから平和記念塔にいるクイーンとともに人間を滅ぼす事を決めたのさ。君もホーリークルセイダーズに入りなよ、君も来てくれれば永遠が約束される。」
ベルフェルトがヴィンをさらに挑発した。
「そんな集団には俺は絶対に入らない。お前なんかと一緒にするな!人間はみんなお前たちホーリークルセイダーズに滅ぼされる権利なんて無いんだ!俺が戦う理由はただ一つ、正しいか、間違っているかどうかをここで決めてやるんだ!
ヴィンが怒りのこもった言葉でベルフェルトに言った
「君は残念だけどここで殺さなければならないね。僕の邪魔をする奴は消えてもらうよ。」
ベルフェルトはそう言うと魔力を練りこみ始めた。
「殺戮の風よ吹け!波導の術!殺風華迅!
すさまじいほどの真空がヴィンを襲う!
「こんなところで負けるわけにはいかない!ウインドガード!
ヴィンは強い風を巻き起こし真空の刃をかき消した。
「そ、そんな、私の殺風華迅が・・・・。ならこれで決めてやる!波導の術!鳳凰煉獄炎!
炎で出来た鳳凰が炎を吐き出しヴィンを襲う!
「くそっ、ダメだ!魔力がつきそうだ!でも負けたくない!アクアシールド!
煉獄の炎は水の盾によって蒸発され、相殺された。
「なんて魔力だこいつは、何処からそんな魔力が!
ベルフェルトがヴィンのあきらめないその精神に驚愕していた。
「こんなところで負けていたら世界を救えない!だからお前を倒す!
ヴィンが威圧と怒りの混じった言葉でベルフェルトを威圧した。
「あまり強い言葉を使うなよ、私の最大の波導の術でお前を消し去ってやる!
ベルフェルトの体からすさまじい魔力を感じる・・・。
「消えてなくなれ!波導の秘術!轟雷波!
すさまじい電流がヴィンを襲う!しかしヴィンの体が悲鳴を上げていた。
「だめだ、魔力が尽きて反撃できねぇ!だが俺は負けね・・・・」
すさまじい雷がヴィンの体を貫いた!
「ぐわあぁぁっ!!
ヴィンは完全にベルフェルトにやられてしまった。

「僕は君を殺したくは無かった、ヴィンよ、君があまりにも分かってくれないのでね。」
ベルフェルトは倒れたヴィンに捨て台詞を放った。
「うっ!
ベルフェルトの体に痛みが走る!それはヴィンの剣技がかすかに当たっていたのだ!
「満身創痍の中で僕にダメージを与えられたのは君が始めてだ。この塔の秘宝はもういいや。エルジェに侵入したみんなもそろそろ引き上げるようだね。私もここに長居はしたくないからね。」
ベルフェルトが倒れたヴィンに最後にこう言った

「ヴィン、次に会うときは、殺すからね。」

仲間たちが東の塔のヴィンの元に駆け寄る
「ヴィン!しっかりして!
「ヴィン!!
仲間たちがヴィンの名前を呼び続ける。しかしまだ意識はあったようだ。

唯一分かっていることは、ヴィンがベルフェルトに何一つ出来なかったということだった。

世界の滅亡の日まで、あと11日
ベルフェルトに大きなダメージを受けたヴィンの運命は!?

 

次の話へ

 

前の話へ

 

第一章TOPへ