第十三話 魔法の国、エルジェへ

 

ルーナと魔将軍ミストリィの因縁の戦いが終わり、ルーナはヴィンたちのもとに戻ってきた。ヴィンたちの元へと戻ってきたルーナの手には、水色の石を手に持っていた。
「ルーナ、その石はもしかして神様が閉じ込められている石ではないか!
ヴィンがルーナにその石のことについて話した
「そうよ、ミストリィの残骸から出てきたものなの。」
ルーナはそう言うとその石を地面に置いた。
すると突然、ルーナの持っている石が光りだした!

「ほう、私を助け出してくれたのはお前さんかね、私は水の神、スイジーンじゃ。私のほかに神様が二人いたのじゃがどうしたのじゃ。」
水の神スイジーンがヴィンたちにこう言った
「二人の神様は俺たちが解放しました。そこで水の神様、お願いがあるのですが、ヴィクトリアスの二つの宝石の件について話してもらえませんか?
その言葉にスイジーンは
「ああ、お前たちの言っていることだな。二つの宝石のありかは、凍て付く大地の岩山に囲まれたところにある平和記念塔というところにその石はある!だが、そこに行くには魔法の国エルジェに行き、その方法を聞くことだな。そうだ、今からでお前たちに力を与えよう!カァーッ・・・!
すさまじい光が巻き起こり、ヴィンたちを包み込んだ!
「おおっ、俺たちの力が、今までより上がったような気がする!
「僕の魔力と力が上がってきているようだ。」
「私の魔力が大幅にアップしたわね。ありがとう!
ヴィンたちの隠された力が引き出された。
「さあいくがよい若者よ、一刻も早く平和記念塔に行き、ベルフェルトをとめるのじゃ!ベルフェルトはその二つの宝石を使い何か悪いことをやらかすつもりじゃ。その野望を止められるのはお前たちしかいないのじゃ。さぁ、エルジェヘと向かうのじゃ!
神様はそう言うと神様の世界に戻っていった・・・・・。

一行は休憩所で休憩した後、魔法の国への道であるヘドリア湿原に向かうのであった。
彼らには休む暇はないのである。

「うわぁ、生物が腐ったにおいがするなここは。」
「なんか、ここってぬるぬるしてて気持ち悪いね。」
「でもここを抜けないと魔法の国へはたどり着けないわ。先を急ぎましょう。」
ヴィンたちは仲間と話しながら湿原を進んでいた・・
しかし目の前に泥男と泥トカゲが現れた!
「おっ、早速敵が現れたな!これでも喰らえ!Vスラッシュ!
ヴィンの剣技によって泥男は土にかえった。
「おっ、弱い剣技が強くなっている!スイジーンに力をもらったから強くなっているんだ!
「僕はこのトカゲを倒す!ちょっと強力だから離れてて。行くぞ!ブリザードウインド!
ジョンは上級の冷気の呪文を放った!泥トカゲは一瞬に凍りついて砕け散った。
「すごい、スイジーンに力をもらったおかげで私たち強くなっているかも!
ルーナは強くなった仲間の姿に喜んでいた。
「まだ来るぞ!
ヴィンは泥の中から魔物の気配を感じた。
なんと泥の中からマッドゴーレムが現れた!
「なんでガーディアンがこんなところにいるんだ!召喚している人も見当たらないぞ!
ヴィンたちが驚愕した。
「あれははぐれた召喚獣ね。異世界に戻れなくて人間を襲っているわね。こちらも召喚獣を召喚して戻すときに一緒に戻せることが出来るわ。その方法でしかはぐれた召喚獣を異世界に戻すことが出来ると思うわ。」
ルーナがそう言うと早速魔力を練りこみ始めた・・・・。
「さぁ、頼んだよ。ファイアドレイク!
ルーナは火を吐くトカゲのガーディアンのファイアドレイクを召喚した!
「行け!ファイアドレイク!炎の渦!
ファイアドレイクが炎を吐いた。一瞬にしてマッドゴーレムの周りを火の海にした。
「その調子よ、一気に火炎放射で決めるわよ!
ファイアドレイクの口から高熱の炎を吐き出した!マッドゴーレムに大きなダメージを与えた!
「よし、ファイアドレイク!あのゴーレムと一緒に戻ってね♪」
ルーナがそう言うとゴーレムと一緒にガーディアンが異世界に戻っていった・・・。
「やったぜ。これで一件落着だ。」
ヴィンたちがほっと一安心した。
「あれは何だろう、何か扉のようなものがある!それに空の上に城が浮いている!
ジョンが驚いたような表情で仲間たちに言った
「あ、あれは私たちが目指している魔法の国、エルジェだわ!やっと苦労の旅も終わりね。」
ルーナが喜んだ表情で言った
「さぁ、行くぜ、エルジェヘ!
ヴィンたちが扉のある場所へと向かった・・・・。

しばらく歩くとヴィンは扉の前に来た。
そこにいる衛兵にやっぱり止められてしまった。
「な、なんだこいつは、侵入者だ!捕らえて地下牢に入れろ!
衛兵に捕まりそうになったその時!
「待って下さい!私です!エルジェの聖術士のルーナです。ただいま帰ってまいりました。この人たちは悪くないんです!私たちはヴィクトリアスの盗まれた宝石を取り戻すために旅をしているのです。」
ルーナが衛兵たちに説得した。
「おお、あなた方はルーナ様!修行を終えてここに帰ってきたのですか。ささっ、どうぞこの扉の向こうに。あと、あなた方も扉の中へ入れるように許可してやろう!」
「ありがとう。これで魔法の国に入れるな。」
ヴィンは衛兵にこう言った
「べっ、別にお前たちのために許可したのでは無いからな!」
衛兵が照れながらヴィンたちに言った。
そんな話はさておき、衛兵とともに空を飛ぶ岩の来るところにきた。
「では空を飛ぶ岩を呼び出しますよ。ムオン!」
衛兵が呪文を唱えると空を飛ぶ岩が衛兵の前に現れた。
「さぁこの岩に乗って、天空城に向かいます。みなさん、落ちないようにしっかり掴まってください。」
空を飛ぶ岩に乗って、ヴィンたちは天空城に向かう・・・・。

扉の前に白い服を着た男が現れた。
「なんだお前は!侵入者だ!捕らえて地下牢にいれ・・・・・がはぁ!」
白い服を着た男が衛兵の首をはねた!
「あまりわたくしを怒らせないでくれるかな。」
もう一人の衛兵が白い服の男に襲いかかった!
「ムダだ、お前には私は倒せない。波導の術!殺風華迅!」
そう言うと白い服の男は衛兵を風の最高位呪文で木っ端微塵に切り裂いた!
「私にはむかうとこうなるのだよ、フフフ・・・・」
そう言うと白い服の男が扉の向こうに入っていった。

突如エルジェに侵入した白い服の男とは一体!
何も知らないヴィンたちは天空城に向かっていたのであった・・・・。

世界の滅亡の日まであと、12日
謎の白い服の男の目的とは一体!?

 

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