第十二話 魔将軍ミストリィVSルーナ! 因縁の戦い!

 

「お前が最後の魔将軍だな!お前を倒せば魔将軍は全滅だな。ならば今度こそ二つの宝石について話してもらうぞ!
ヴィンがミストリィにこう言った。
「ならば私を倒してごらんなさいな。でも私は霧隠れのミストリィって呼ばれているんだもの♪悪魔界のかくれんぼ大会では一位だったのよ♪その私を捕まえるっていうの!笑わせるわ!
ミストリィがヴィンたちを嘲笑した。
「こっちだって僕たちなりの作戦であなたをぶち破って見せますわ!
ルーナがミストリィに言い返した。
「おや?あなたは魔法の国エルジェの見習い聖術士のルーナだったよね♪あんたの両親を殺したのは実は私なのよ。ほら、私を憎みなさい!ホホホホホ!
なんということでしょう!?ルーナはなんと魔法の国の住人だったのです。それを知らなかったヴィンたちは驚愕していた。
「ゆるせない!許せないわ!私の両親を殺した罪、たっぷりと思い知るがいいわ!覚悟しなさい!」
「こんな見習いが魔将軍に勝てるとでも思ってるのかしら!
ルーナはミストリィに威圧のこもった言葉で反論した!
「天国の両親のためにも、あなたを殺さないと私の恨みは晴れないわ!殺してやる・・・・!あなたたちは下がってて、これは私の因縁の勝負なの!ミストリィは私が殺さなきゃいけない相手なのよ!
ルーナの表情が怒りに変わった。
「おお、怖いわね。そんなに怒っちゃうと私も怒っちゃうわよ!受けてみなさい!ミストボール!
「こんな霧の球体なんて壊してあげるわ!ホーリーボール!
二つの術がぶつかり合い、相殺された
「なかなかやるわね、ではこれでも喰らいなさい!ポイズンミスト!
「毒の霧か、こんなものこうして差し上げますわ。神秘の守り!
ミストリィの毒霧がルーナの前で一瞬にしてかき消された。
「ぐぐぐ・・・、こしゃくなマネを、人が優しい顔をしていたら調子に乗りやがって!これでも喰らいなさい!イリュージョンミスト!
一瞬にして視界が霧に覆われた。

「な、何にも見えない。ミストリィ!出てきなさい!」
ルーナがミストリィを必死に探す、しかし霧のせいで見えなかった。
「あrら、何をやっているの?闇雲に霧の中を探しても見つからないわよ♪聖術士だからって、調子乗りすぎ♪」
ミストリィがルーナに霧の中から攻撃を仕掛ける!
「きゃあっ!!
「私を倒そうとしようなんて百年早いわよ!見習いの癖に私をなめるんじゃないわよ!
ミストリィの拳がルーナの鳩尾に入った。
「がはぁ!
ルーナは地面に倒れた・・・・。
「あらら、こんな攻撃で倒されちゃったのね。弱いのね、魔法の国の住人って。」
しかし!ルーナはそのスキを狙ってミストリィの足をそこにあった草の蔓で結んでおいたのだ!
「魔法の国の住人をなめるんじゃないわよ!こっちにはこっちの作戦って言うのがあるわよ!
「許さない、許さないわ・・・・。消してやる、私の最大のガーディアンでね!
ミストリィはガーディアンの召喚のための魔力を練りこむ。
「こっちにも最大級のガーディアンで私の両親の敵をとってやるわ!
ルーナも負けずに召喚のための魔力を練りこむ。
「ではこれで消えなさい!ミストジャイアント!
「私の両親のためにも、あなたを倒して見せるわ!いきなさい、ヨルムンガンド!
二つの召喚獣が轟音とともに召喚された!
「バアアアァァッ!」「グルオオォォォッ!
二つの召喚獣がうなり声を上げながらぶつかり合う!
「ミストジャイアント、この大きな竜をぶん殴りなさい!
「ヨルムンガンド!かわして冷凍ビームよ!」
ミストジャイアントの拳をかわしたヨルムンガンドは一気に反撃の体制に移る。
ヨルムンガンドは冷凍ビームを口から勢いよく吐き出した!
しかし、ミストジャイアントは霧になってビームをかわした!
「そんな、冷凍ビームが効いてないなんて・・・、っていうのは嘘よ!狙っていたのはミストリィ、あなたよ!
そう、ルーナはガーディアン本体が霧になり身をかわすということをすでに知っていたのです。その行動をいかし、ヨルムンガンドの冷凍ビームをミストリィに当たるようにしたのだ
「やったわ、凍りついたことによってミストリィの集中力が消えたからガーディアンも消えたわ!私もガーディアンを戻すわ。では戻りなさい、ヨルムンガンド!
ヨルムンガンドはルーナの声で異世界に戻って行った。

「さて、どうしようかな。」
ミストリィは凍り付いているので霧になれず、動けない状態であった。
「この氷を叩き割れば、こいつも死ぬわね♪では、遠慮なく割っちゃお♪」
ルーナは氷づけのミストリィを思いっきり叩き割った!

ミストリィは粉々に砕け散った・・・。
ルーナはついに両親を殺したミストリィを倒したのだ!
「お父さん、お母さん、私、ついに敵を討ちました。どうか安らかに眠ってください・・。」
すると、グリザ山にかかっていた霧が晴れて、青空が戻ってきた。
「おや、何かの石が落ちているわ。ひろっちゃお♪」
ルーナはミストリィの残骸から出た石をポケットに入れて仲間の下に駆け出した。

ヴィンたちがルーナの元に駆け寄る
「ルーナ、すごいじゃないか!魔将軍のナンバー1を一人でやっつけるなんてすごいぜ。」
「霧の中でよく見えなかったのですが、ひそかに応援してました!両親の敵を討ててよかったね。」
ヴィンとジョンがルーナを激励した。
「みんな、ありがとう。わたしが魔法の国エルジェの住人って聞いたとき、みんなびっくりしてたでしょ。その山を抜けると次はへドリア湿原よ。がんばって山を越えましょう!
ルーナがヴィンたちにこう言った。

魔将軍をすべて倒したヴィンは、グリザ山の登山を再開するのであった。
「よし、あと少しで休憩所に着くぞ!さぁ、みんな行くぜ!

世界滅亡の日まで、あと13日
グリザ山をを越えて、ヴィンたちは次に待ち受けるヘドリア湿原へと向かう・・・。

 

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