第十一話 ファイルのデータが、こわれています!

 

ファイルのデータが
こわれています!

一体何が起きたのでしょうか!?
前回の第十話でふこうむしにリセットボタンを押されて、ヴィンたちはよくわからない異次元空間に飛ばされてしまった。何も見えない、一面真っ暗闇の世界でした。

「おいおい、おれたち一体どうなってしまったんだ!
「僕たちはこのまま異次元空間に閉じ込められるのかなぁ。」
「せっかくグリザ山に登ろうとしたのに、このままじゃ魔法の国エルジェに行けないじゃない!
ヴィンたちは異次元空間の中で苦悩していた。

そのとき、ざわざわと声が聞こえてきた・・・・・。
ヴィンはたちは声の聞こえるほうへと歩いていった。
すると人がいた!
「おや、あなた達もリセットボタンを押されてここにやってきたんだな。」
とヴィンが話しかける。すると人々はこう答えた。
「おれはただ登山に行きたかったのにこの様だ。変な虫にボタンを押されてから真っ暗闇の世界に飛ばされてしまった。はやく登山に行きたいよう。」
「ぼくは家に帰る途中に変な虫にボタンを押されてしまったんだ。はやくお家に帰りたいよ〜。」
「あの変な虫の弱点はあのスイッチだと思うね。あのスイッチさえ壊せばここにいるみんなは元に戻れるけど、ここから出られたらの話だね。」
どうやらほかの人たちもリセットボタンを押されてここにやってきたという。

「くそっ!どうやってこの異次元空間から出られるんだよ!
「ここは暗いね。僕のバッグからろうそくを取り出して少しでも明るくしよう。」
ジョンが自分のバッグからろうそくを取り出して火をつけた。
「でも、ろうそく以外に何かがあったような気がする・・・。」
ジョンは再びバッグの中を探す、なんと、変な機械を見つけた!
「こんなものがいつの間にか僕のバッグに!何々、これはP○Rという機械らしいが、使い方が良く分からないんだ。」
ジョンがP○Rをルーナに渡した。
「え、これは何なの、どうやって使うのよ。」
ルーナがP○Rの使い方に困惑していた。
「な、なんだ、突然変な機械が光っているぞ!
P○Rが突然まぶしい光を放った!
「な、なんだこの現象は!うわあああぁぁぁっ!

気がつくと、3人はリセットされる前に戻ってきたようだ。
まぶしい光の後、P○Rは音もなく砕け散った。

「いけっ、不幸虫!
不幸虫が動く岩の鼻から飛び出した!
ふこうむしはリセットボタンを取り出した!
「今度はそういかないぜ、不幸虫!
そう言うとヴィンは炎の魔法で不幸虫に攻撃を仕掛けた
「俺たちを苦しめたお返しだ!ファイアーボール」
大きな火球が不幸虫を襲う!
「そ、そんな!?私のリセット攻撃の前に攻撃を仕掛けるとは・・・、無念だ!
不幸虫はヴィンの炎の魔法によってリセットボタンもろとも燃え尽きた。

不幸虫を倒したことにより、異次元空間に閉じ込められていた人々が解放された。
「やったぞ!生きて帰れるぞ!君たちのおかげだ、ありがとう。」
「君のおかげでやっと登山が出来るぞ!どうもありがとう。この恩は一生忘れないぜ。」
「ありがとう勇者さん。君たちがいなかったら僕は死んでいたところだった。本当にありがとう!」
閉じ込められていた人々が歓声を上げてヴィンたちに感謝をしていた
「そんなこというと照れるな。」
「今はそんなところじゃないよ。早く魔法の国エルジェを目指そう!」
「そうよ、今は一刻も早く魔法の国エルジェへと向かわなければならないわ。」
仲間がヴィンたちにこう言った
「お前たちの活躍、見事だったぞ。では、この道を通り、山間の宿に行くがよい。お前たちなら、きっと魔法の国へとたどり着けようぞ!
ヴィンたちは山間の宿を目指し、洞窟を後にした・・・。

ヴィンたちは山間の宿に到着した。
山間の宿は登山客の憩いの場でもあり、土産物屋もある隠れた名所だ。
まずは旅の宿で一休みした後で、グリザ山に登ることにした。
「ふぅ、いろいろあったけどここまでやってきたぜ。ちょっと休憩したら山登りだから、みんな体力と魔力を回復させておこうぜ。」
ヴィンは仲間のみんなに声をかけた。

こうして休憩も終わり、ヴィンたちはグリザ山へと登頂を開始した。
「山登りというのは初めてだからつかれるな。おれはお城の兵士をやっているからこんな経験は一度も無いんだ。」
「こうして歩いているとハイキングみたいだねって言うつもりだけどそれどころじゃないね。」
「あ、立て札があるわ。そう言えばこの登山コースと反対の道を行くようにってシーサイドヒルの酒場のマスターが言ってたわね。」
「あの話の長さときたらこりごりだなぁ・・。」
ヴィンたちは会話しながらグリザ山を進んでいった。
しばらくすると霧が視界を遮り始めた。
「おいおい、リセットボタンの次は霧かよ!
「このままじゃ迷ってしまう。完全に見えなくなる前に早いところ先を進もう。」
「え、このままでは私たち遭難しちゃうかも!?
全員が霧の中で動揺していた。
すると霧の中から人影のようなものが浮かんできた。
「フフフ・・・・・、あなたたちはこの霧の中で息絶えなさい・・・・・。フフフ」
霧の中から謎の声が響き渡った。
「そこにいるには誰だ、答えろ!
ヴィンが霧の中に向かって叫んだ
「フフフ、私の名前はミストリィよ、魔将軍のナンバー1よ。あなたたちはこの霧の中で私に倒されるのよ。さぁ、何処からでもかかってらっしゃい!
霧の中からミストリィが現れた。
「ベリアルやボルテイルは弱い魔将軍だったわ。でもこの私には勝てるわけが無いんだから。おとなしく私に倒されなさい!
ミストリィがヴィンたちに襲い掛かってきた!
こうしてヴィンたちとミストリィとの霧の中の攻防が始まった・・・・・。

世界の滅亡の日まで、あと 14日
魔将軍ミストリィとの霧の中の攻防が始まったのであった。

 

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