第四話 ホーリークルセイダーズとの戦い
「クラール!オレはてめぇを…殺す!」
一体ホーリークルセイダーズはなぜクラールを敵対視するのか!?
なぜならば、クラールは、「死神の血を受け継いだ人間」だったのです。
ホーリークルセイダーズは死神の血を受け継ぐ人間や悪人を聖なる制裁を加える世界平和のための集団であり、同時に光の戦士とも言われているのでした。
「お前ごときに私が殺せるかな?」
と、クラールはホーリークルセイダーズの二人を挑発するように言った。
「ならばオレからいかせてもらうぜ!!ホーリーチェイン!」
光の鎖がクラールを狙う! しかし、クラールはひらりと身をかわした。
ゴールディはさらに連撃を仕掛ける!
「喰らえ!ホーリーバインド!」
クラールは動けなくなった。そしてそのスキにジョアンナが」不意打ちを仕掛ける!
「甘いわね、死神とか言っても口だけのようね。調子乗り過ぎ♪」
ジョアンナがクラールに正拳突きを放った!
「がはぁ!!」
そしてそこからゴールディーが光の剣技をクラールに向けて放った!!
「悪を滅せよ!光陣滅殺剣!!」
ゴールディーが剣を振り下ろしたとき、ヴィンが剣を抜いた。
「何のつもりだ!われわれの邪魔をするつもりか!?」
「お前こそなんだ!クラールに何の罪があるというのだ!」
「こいつには消さねばならん理由があるのだからな!私は死神の血を受け継ぐ者に両親を殺されたんだ!だからオレはすべての死神の血を受け継ぐ者を抹消せねばならんのだ!」
そう言ってゴールディーがヴィンを跳ね飛ばした。
するとすかさずジョンが新しい剣技でゴールディーに立ち向かう!
「光を飲み込め!シャドーソード!」
邪悪なオーラを纏った剣は、一気にゴールディーの体を切り裂いた!
「そ、そんな馬鹿な!?なぜこんな凡人にこんな力が!?」
「僕はクラールを仲間と認めているからこそ、真の力が出せるんだ!お前なんかにクラールを殺させやしない!」
ジョンが気合のこもった言葉でゴールディーを威圧した。
「ふふふ、手こずっているようね、ゴールディー。私も加勢しようか。」
「たのむ、今はこいつに大きなダメージを受けちまったからな。」
「そうだね。光タイプは闇タイプの攻撃には効果が抜群なんだから。だからここでやすんでいなさい。」
「ああ、分かったぜ。ここで休んでいるぜ!」
そういうとジョアンナが3人の前に立った。
「あなたたち、絶対に許さないわよ!どうやら分かってもらえないみたいだわ。だったら…、ここで死んで貰うしかないわね。覚悟しなさぁい!!」
そう言うとジョアンナが3人に襲い掛かってきた!
「フフフ♪じわじわとあの世に送ってあげるわ!アシッドレイン!」
ジョアンナは酸性の雨を降らしてきた!
「な、なんだこの雨は!オレの剣と盾が錆びちまう!」
「うわぁ、この雨に触れると鉄製の物は錆びてしまうんだよ。」
「わしは鉄のものは装備してはおらんぞ。」
ヴィンがすかさず突っ込みを入れる。
「おいおい、ジョンこのままこの雨が降り続けたら、俺たちすっぽんぽんになっちまうぞ!」
「みじめ!みじめね♪あんたたちの防御力が0になってしまえば、無防備なところを一気に倒せられるわ!ああ、最高よ!ゴールディ!」
「俺たちと二人で袋叩きだな!本当にみじめだな!!」
ジョアンナとゴールディーが3人を挑発する。
クラールがそうヴィンたちに諭した。
「わしの呪文でこの雨を晴らしてやろう!いけ、サンシャインヘッド!」
ピカーッ(クラールのハゲ頭が光る音)
クラールがフードから頭を出すと、一気に目映い光に覆われ、酸性の雨はからりと晴れた。
「どういうことなの!?私のアシッドレインが効かないなんて!こうなったら私の最強のガーディアンであなたたちを消して差し上げますわ!!」
と言うとジョアンナは天井に手をかざした!
「さぁ、出てきなさい!光の巨人、スプリガン!!」
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
「グルオオォォォッ!!」
なんと、ジョアンナは巨大な巨人を召喚した!
「こ、こいつに俺たちがどうやって勝てるんだ!」
「で、でかすぎる!これは僕たちの力で倒せる相手じゃないよ!逃げよう!」
ヴィンとジョンはあまりの巨大さに驚愕していた。
そしてスプリガンの前にクラールは勇敢に立ちはだかった。
「そろそろお別れのようじゃな。わしの最大呪文を唱えよう。あの巨人だって一握りで壊せるようなやつをな。しかしそれを唱えるとわしの体が持たない!だから命がけの呪文なのじゃ!」
その言葉にジョアンナは
「ハハハ、そんな呪文でスプリガンは倒せないわよ!さぁ、スプリガン!あの凡人どもを踏み潰してしまいなさい!」
「ではこっちはこの最大呪文でお前らを葬ってやろうぞ!ヴィン、ジョン。お前たちと一緒にいた少ない日々は楽しかったぞ!必ずや盗まれた宝石を取り戻してくれ!だからわしの分までがんばってくれ。今まで、ありがとよ。お前さんたちよ。お別れだ…。」
「行け!わしの最初にして最後のガーディアン!フォルネウス!」
そのガーディアンを前にジョアンナは
「な、なぜ!あのガーディアンは四魔貴族の一人なのよ!なぜあのジジイにこんな魔力が!?」
「いけ!フォルネウスよ、あの二人とデカブツを飲み込んでしまえ!」
「ゴオオォォッ!!」
「わ、私はまだ死にたくないわ!死にた・・・いやぁぁぁっ!」
フォルネウスは一気にスプリガンとホーリークルセイダーズの二人を丸呑みにした。
しかし、クラールの魔力が限界に達し、召喚獣が消えてしまった・・。
「クラール!大丈夫か!」
ヴィンとジョンがクラールの元に駆け寄る。
クラールはぴくりとも動かなかった・・。
「クラール!しっかりしろよ。そうだ、これだ、薬草だ。こいつを食べると回復するって言ってたんだぜ。ねぇ、クラール、食べろよ。」
ヴィンがクラールに問いかけたが、返事はなかった・・・。
「食べてくれよぉ!」
ヴィンが涙を流しながらクラールに叫んだ!!しかし、クラールは二度と動かなくなった。
「クラールゥゥッ!!」
といいながらヴィンは泣き叫んだ。
悲しむヴィンの元に、ジョンはこう言った。
「ヴィン、先にすすもう。僕たちはクラールに生かされたんだ。だから、クラールの分まで、僕たちで盗まれた宝石を取り戻そう!」
その言葉にヴィンは
「そうだな!ここで泣いているヒマはないんだ。行くぞ!クラールの分までがんばるぜ!」
ヴィンは元気を取り戻し、旅は再び軌道に乗り始めた。
西の森の洞窟の前に、一つのお墓があった。
「俺達を生かすために命をかけた勇敢な死神お爺さん、クラール ここに眠る。」
と書かれてあった。
ステータス
ヴィン HP150 MP 90 LV 16
ジョン HP165 MP100 LV 15
世界の滅亡の日まで、あと21日
いよいよ闇の将軍たちが動き始めた・・・・。