第十九話 異次元の狭間へ…

 

 ハクと合体し、竜族の力を得たリリシアと仲間たちの永き死闘の末、白き王を打ち倒すことに成功した。白き王との長き戦いの疲れを癒すため、リリシアたちが休息をとっている中、ゲルヒルデの光の鎖の術が解け、棺に閉じ込められているブリュンヒルデが目覚めた。ブリュンヒルデは白き王を大火球の術で焼き尽くした後、その膨大なエネルギーを取り込んで自らを竜族へと変貌させた。不吉な予感を感じたリリシアは、王座の間の裏口から外に出た瞬間、そこには竜族と化したブリュンヒルデがリリシアを葬り去るべく、憎悪の雷を放ち、奇襲攻撃を仕掛けてきた。体が麻痺して動けない魔姫に追撃を加えようとした瞬間、後を追って駆けつけたゲルヒルデによって阻止され、リリシアを葬り去ることが出来なかった。ゲルヒルデに邪魔されたことで怒りに燃えるブリュンヒルデは獄炎の大火球を天に放ったことで出来た裂け目から、異次元の狭間へと消えていった……。

 

 異次元の狭間へと消えたブリュンヒルデを倒すため、リリシアたちはガルフィスが操縦する魔界製フリゲートに乗り、空間の裂け目へ向けて上昇していく。

「ガルフィス様……空間の裂け目まであと数メートルという所です。」

「わかった。イレーナ、ルシーネ!!今から裂け目を開く準備を始めてくれっ!

ガルフィスの指示を受けたイレーナとルシーネが席に着き、空間の裂け目を開く準備を始める。

 「よし…裂け目を開けるだけの強いエネルギーを裂け目に照射せよっ!!

その命令の後、イレーナとルシーネは発射ボタンに手を掛けた瞬間、二つの発射口から強力なエネルギーが照射され、空間の裂け目が徐々に開き始める。

「エネルギー照射により、空間の裂け目が大きく広がりました。この大きさなら、フリゲートごと異次元の狭間へと突入が可能です。ガルフィス様…今すぐ突入しますか?

「突入準備は万全だ。では異次元の狭間へと向かおう…。みんな、フリゲートが急上昇を始めるので、席についてくれ……。」

ガルフィスの言葉を聞いたリリシアたちは、席に着き安全ベルトを固定する。フリゲートが急上昇を始めてから数分後、大きく広がった空間の裂け目を通り、異次元の狭間へと突入する。

 「な…何よここはっ!?私たちがいる魔界とは全然違う……。」

リリシアがフリゲートの窓から外を見た瞬間、そこには一面闇の世界が広がっていた。フリゲートが闇の奥へと進むにつれ、視界が開け浮遊大陸が姿を現す。

「よしっ!!あそこにフリゲートを着地させよう。しかし不思議な場所だな……まるで浮遊大陸だ。」

着地に最適な場所を見つけたガルフィスは、フリゲートを着地させる準備を始める。

「二人とも……着地の準備をっ!!

「はいっ!!!

ガルフィスの掛け声で、イレーナとルシーネがフリゲートを着地するべく、エンジン出力を停止させ、フリゲートを浮遊大陸に停泊させる。イレーナとルシーネはフリゲートの中に待機し、フリゲートが何者かによって盗まれないよう、見張りをすることにした。

 「この先にお姉様の魔力と気配を感じる……先を急ぎましょうリリシア様、お姉様の野望を止めるために!!

フリゲートから降りたリリシアたちは、ブリュンヒルデを追うべく浮遊大陸の奥へと進んで行く。浮遊大陸の遺跡跡へと来た一行は、廃墟と化した遺跡の中に聳え立つ古塔の中へと足を踏み入れる。

「この塔の中から…強い憎悪を含んだ魔力を感じる。この先に…ブリュンヒルデがいるっ!!

リリシアが感じた魔力は、紛れも無くブリュンヒルデの魔力であった。リリシアに対する憎悪が、まるで塔全体を覆っているかのようであった。

「微量だが人間界の空気が混ざっている……ブリュンヒルデはこの塔からフェルスティアに侵攻し、二つの世界を統べる女王になるつもりよ…。フェルスティアにいる私の仲間は誰一人として死なせないっ!

フェルスティアに生きるすべての人々、そして共に旅をしてきた仲間たちのため、ブリュンヒルデとの最後の勝負だけは絶対に負けるわけにはいかない……と心に決めたリリシアは仲間たちと共に階段を駆け上がり、古塔の最上階へと到達する。

 

 古塔の最上階へと足を踏み入れたリリシアたちの目に、妖艶な黒衣に身を包んだ女が映る。そう、それは紛れも無くブリュンヒルデの姿であった。

「フフフ……私の人間界制圧を阻止するためにわざわざここまで来るとは…。しかし私は白き王の力を手に入れ、リリシアをも超える力を手に入れたっ!!私の野望を止めたければ…力ずくで止めてみなさいっ!!

その言葉に、リリシアたちは武器を構えて戦闘態勢に入る。

「お前がゲルヒルデの姉…ブリュンヒルデかっ!!

「お姉様…あなたは悪に染まりすぎた……。私は妹として、姉の悪の心をたたき出してあげるわ!!

「魔界とフェルスティアは……私が救ってみせるっ!!

全員が武器を構えた瞬間、ブリュンヒルデは不敵な笑みを浮かべる。

 「身の程知らずめ。白き王の力を取り込んだ私の力で……貴様らを徹底的にぶっ潰してさしあげますわっ!!

魔界王の杖を構えたブリュンヒルデは背中に翼を生やし、その身に紅き雷を纏いだす。

「こ…こいつっ!!白き王の紅き雷を自由自在にっ!

紅き雷を纏ったブリュンヒルデが魔界王の杖を地面に突き刺した瞬間、杖を置いた場所に紅き雷が落ちてくる。紅き雷に打たれた魔界王の杖が、紅き雷を吸収し白い色へと変貌を遂げていく。

「フフッ……戦いの準備は整ったわ。では掛かってきなさい…下賎なる者たちよっ!!!

紅き雷を纏う白き祖杖と化した魔界王の杖を手に、ブリュンヒルデがリリシアたちの下へと近づいてくる。戦闘態勢に入っているリリシアたちは、一斉にブリュンヒルデを迎えうつ。

 「みんな、これが最後の戦いよっ!!相手は白き王の力を得た竜族だから……油断しないで!!

リリシアの掛け声と共に、仲間たちがブリュンヒルデを攻撃するべく立ち向かっていく。

「まずは俺からだ……喰らえっ!!

他の仲間たちよりも先手を取ったディンゴは紫炎弾をボウガンに装填し、ブリュンヒルデに照準を合わせ、一気に引き金を引く。

「フフフッ!!無駄よ…。私には翼というものがあるから、こんな弾丸など吹き飛ばして差し上げますわっ!!

ブリュンヒルデは翼を大きく羽ばたかせ、ディンゴのボウガンから放たれた紫炎弾の勢いを徐々に弱めていく。

「な…なんてことだっ!!俺の放った紫炎弾が……!?

「無駄だって言っているでしょう。こんな物で私に勝てるとでも思っているの……。」

翼を羽ばたかせることで発せられる風圧に耐え切れず、ディンゴのボウガンから放たれた紫炎弾が地面に落ちる。ブリュンヒルデは床に落ちた弾丸を拾い上げ、ディンゴめがけて放り投げる。

 「や…やばいっ!!ここは一旦引くぞっ!!

放り投げられた紫炎弾は、徐々にスピードを上げてディンゴへと襲い掛かる。ディンゴは急いで地面に伏せ、紫炎弾の直撃を避ける。

「ふぅ…なんとか直撃は免れたが、この様子ではボウガンでの攻撃はすべて奴の翼で防がれてしまう。待て…紫炎弩の特殊能力をうまく活かせば、風圧を防ぐことが出来るのだが、魔力蓄積装置に魔力が僅かしか残っていない。ここはリリシア以外の人に魔力を注ぎ込ませるしかないな…。」

紫炎弩に魔力を注ぎ込むべく、ディンゴはブリュンヒルデと交戦中のゲルヒルデのもとへと向かい、ボウガンの魔力補給を要求する。

「ゲルヒルデ…戦っている途中で悪いが、俺のボウガンに魔力を注いでくれ…。」

「わかったわ。ちょっと待ってて……。」

ゲルヒルデはボウガンに手を掛け、目を閉じて魔力を注ぎ込む。するとリリシアの髪飾りを模した魔力蓄積装置が白く輝き、魔力が充填される。

 「ありがとうゲルヒルデ…。これで奴にダメージを与えられそうだっ!!

ボウガンを構えたディンゴは再びブリュンヒルデの所へと向かい、ボウガンの引き金に手を掛ける。

「また弾丸で攻撃する気……私には飛道具の類は通用しないわよ!!

「甘いな…俺のボウガンは魔力を蓄積し、魔力弾として放つ能力が備わっている。つまりだ、お前が翼を羽ばたかせようが、魔力弾は弾丸と違って勢いは落ちないんだぜっ!!

引き金を引いた瞬間、蓄積されたゲルヒルデの魔力が光の魔力弾となって発射口から撃ち出される。ブリュンヒルデは翼を羽ばたかせて速度を落とそうとするが、スピードは止まらない。

「な…何ぃっ!?

そう呟いた瞬間、光の魔力弾がブリュンヒルデの体を撃ち抜く。光の魔力弾をその身に受けたブリュンヒルデは、大きく吹き飛ばされ態勢を崩す。

「ディンゴ、あなたのおかげで攻撃する隙が出来たわっ!!みんな、態勢を崩した隙がチャンスよっ!!

ブリュンヒルデが態勢を崩している隙を見て、リリシアたちが一斉に攻撃を仕掛ける。リリシアたちが攻撃を加えている中、ゲルヒルデは魔導書を片手に、術の詠唱を始める。

 「光の柱よ……邪なる者に制裁を与えよっ!!シャイニング・フィクサー!!

詠唱を終えた瞬間、光の柱がブリュンヒルデの体を包み込む。光の柱に包み込まれた瞬間、光の粒子が次々とブリュンヒルデの体にダメージを与えていく。

「ぐっ…ぐおおおぉっ!!!

光の粒子によって凄まじいダメージを受けたブリュンヒルデは、傷つきその場に倒れる。怒りの表情のリリシアはブリュンヒルデに鉄扇を突きつけながら、威圧する。

 「ブリュンヒルデっ……貴様の野望もここまでよ。私がここで地獄に送ってあげるわっ!!

鉄扇を突きつけられているのにも関わらず、ブリュンヒルデは不敵な笑みを浮かべていた。

「フフッ…フハハハハハハッ!!この私が……二度もあなたに倒されてたまるものですかぁっ!!貴様らはどうやら私を本気にさせたようね……。見せてやる…竜族の真の力をねっ!!!

そうリリシアに言い放った後、凄まじい風圧と共にブリュンヒルデの体が怪しく蠢きだす。風圧によって大きく吹き飛ばされたリリシアたちの目に、白き王と同じ姿をしているが、怒りと憎悪をあらわす紅色が混ざりあいより凶暴性を増した紅白龍へと変貌を遂げたブリュンヒルデがそこにいた。

 

 紅白龍と化したブリュンヒルデは、天を突く咆哮をあげて怒り狂う。

「白き王と何処と無く似ているが……白き王よりも強い竜の力を感じるわ。私に対する憎悪が体の外まで溢れているみたいね…。紅白龍と化したブリュンヒルデは一筋縄ではいかないから、気を引き締めていくわよっ!!

リリシアたちが戦闘態勢に入った瞬間、鮮血のような瞳をぎらつかせてリリシアたちを睨みつける。

 「許さん……許さん許さん許さんぞぉっ!!!きさまらぁっ!!

凄まじいほどの憎悪が、こちらに向けられているのを感じる。

「まずは私が奴に攻撃を仕掛けるわっ!!みんなは私の後に続いて!

鉄扇を構えたリリシアがブリュンヒルデのほうへと向かった瞬間、ディンゴとゲルヒルデがリリシアの後に続き、攻撃態勢に入る。

「すべて滅ぼしてやる……、みんなみんな壊れてしまえぇっ!!

「魔界と……フェルスティアは、この私が守るっ!!

リリシアは大きく飛び上がった後、気合と共にブリュンヒルデの胸部を鉄扇で斬りつける。しかし紅白龍と化したブリュンヒルデの甲殻は堅く、鱗が傷つくだけであった。

 「貴様の攻撃など…痛くもかゆくも無いわっ!!茶番は終わりだ…すべて滅ぼしてやるっ!!

ブリュンヒルデが天に向かって咆哮を上げた瞬間、天より無数の小さな隕石の雨が降り注ぎ、リリシアたちを襲う。

「ゲルヒルデっ!!仲間たちを集めた後防壁の術をっ!

「わかりましたっ!!皆さん…私の所にっ!!

リリシアの指示を受けたゲルヒルデは仲間たちを集めた後、防壁の術を唱える。一方リリシアは隕石の雨をかわしながら、ゲルヒルデの下へと走っていく。

「隕石が雨のごとく私たちを狙ってくるわっ…早くゲルヒルデの所へと戻らなければっ!!

リリシアが走っている中、ゲルヒルデが術の詠唱を終え、防壁が徐々に形成されていく。防壁が完全に形成される前に、魔姫は防壁と地面の僅かな間を滑り込み、防壁の中へと入る。

「ふぅ…何とか間に合った……。」

リリシアが防壁の中へと入った瞬間、防壁が完全に形成され、外部からの侵入は遮断される。

 「これで全員集まりましたね…。紅白龍と化したブリュンヒルデの弱点は、白と紅…それぞれ四本の角が弱点です。奴の角を重点的に狙えば大きなダメージを与えられそうですわ。ここは空を飛べるリリシア様と、ボウガンによる遠隔射撃ができるディンちゃんが角を狙い、後の仲間たちは足を攻撃して転倒を狙うのが一番の作戦です。」

防壁に守られているリリシアたちは、隕石の雨が止むまで対策を練っていた。リリシアとディンゴが弱点である角を狙い、残りの者たちは足を攻撃するという作戦を実行に移すことにした。

 

 隕石の雨が止み、ゲルヒルデは防壁の術を解く。防壁が解かれた瞬間、ゲルヒルデが考えた作戦を実行に移すべく、武器を手にブリュンヒルデに立ち向かっていく。

「ディンゴっ、しっかり角を狙って絶対に当てるのよ!!外したり私に当てたりしたら許さないんだからねっ!!!

「わかった。リリシアよ…早速作戦を実行に移すっ!!

背中に翼を生やし、リリシアはブリュンヒルデの角に攻撃を仕掛けるべく、鉄扇を構えて大きく舞い上がっていく。リリシアが空へと舞い上がった瞬間、ディンゴはボウガンのスコープを覗き込み、怒りの象徴である紅き角に狙いをさだめ、引き金に手を掛ける。

「まずは紅い角を狙おう……角を一本でも折れば奴を足止めできそうだ!!

ボウガンに鉄をも貫く威力を持つ貫通弾を装填した後、魔力蓄積装置のロックを解除し、貫通弾に装置の中に蓄積された魔力を流れ込ませる。ゲルヒルデの光の魔力が弾丸の中に浸透し、貫通弾は白い光を帯び、神々しい輝きを放っていた。

 「喰らえ……煌翼波ッ!!

ディンゴが引き金を引いた瞬間、光の魔力が込められた貫通弾が大天使の姿となり、ブリュンヒルデの方へと向かっていく。

「目が……目がつぶれそうだぁっ!!

神々しいまでの輝きを放つ大天使の姿に、ブリュンヒルデの眼が眩む。大天使の幻影がブリュンヒルデを横切った瞬間、右側に二本生える紅い角がすべて折れ、地面に落ちる。

「ぐっ…ぐぎゃああああああぁぁっ!!!

右側に生える紅い角をすべて折られ、ブリュンヒルデは苦痛のあまりうめき声を上げながら怯む。角を折られ激痛に苦しむブリュンヒルデに、空中にいるリリシアがブリュンヒルデの左側の白い角を折るべく、鉄扇を構えて急降下する。

 「ディンゴのおかげで、奴は痛みのあまり怯んでいるわ。さぁみんな、今のうちに白い角を狙うわよっ!!

ブリュンヒルデが怯んでいる隙に、リリシアと仲間たちはブリュンヒルデの頭部に一斉攻撃を加えるべく、紅白龍の足を攻撃している仲間たちを呼び寄せる。鉄扇を構えたリリシアは、左側の白い角にを破壊するべく、鉄扇を振るう。

「喰らえっ!!!

全身全霊を込めた鉄扇一撃が、ブリュンヒルデの白い角を斬りおとす。リリシアが角を斬りおとした後、金騎士が銀剣を振り上げ、力を溜め始める。

「うおおおおおぉっ!!

銀剣を振り上げた金騎士は、雄叫びを上げて自らの気を高める。ある程度気が高まったその時、銀色の剣に紅い筋が現れる。

 「そろそろ行くぞ…最大級の一撃をぶちかましてやるっ!!!

集まった気を解放し、金騎士は気合と共に銀剣を振り下ろし、ブリュンヒルデの頭部に凄まじいほどのダメージを与える。銀剣を振り下ろした際に生じた衝撃波によって、ブリュンヒルデの白い角にヒビがはいる。

「よし、左側の最後の角にヒビが入った!あとは俺の一撃で折れそうだっ!!

金騎士の攻撃の後、ディンゴは通常弾を装填してヒビの入った角に狙いを定め、引き金を引く。引き金が引かれた瞬間、ヒビの入った角に通常弾の一撃が炸裂し、角が地面に落ちる。頭に生えるすべての角が折られた瞬間、ブリュンヒルデはピクリとも動かなくなった。

 「これで奴はもう再起不能ね…。さて、フリゲートまで戻りま…!?

ブリュンヒルデとの戦いを終え、古塔を後にしようとしたその時、ブリュンヒルデの亡骸が怪しく蠢き、人間の姿に戻っていく。その異変を察知したリリシアが振り向くと、そこには黒い翼を生やした女神と化したブリュンヒルデがそこにいた。

「ブ…ブリュンヒルデっ!!死んだはずじゃなかったのっ!?

「死んだのではない…竜形態への変身は不完全だっただけよ…♪その竜族の力を逆に使うことで、憎悪と破壊の女神に変身することが出来た…。さぁ…リリシアとその仲間たちよ、ここがあなたたちの墓場よっ!!

憎悪と破壊の女神と化したブリュンヒルデは、その身に憎悪の雷を纏いながら翼を広げ、リリシアたちを睥睨する。長き因縁に決着をつけるべく、リリシアたちは再び武器を取り最後の戦いに挑むっ!!

 

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