第十四話 激闘!!戦乙女ヒルデガード
王宮の牢獄に囚われたゲルヒルデを救うべく、ルーズ・ケープ王宮の中へと突入したリリシアたちは牢獄を目指すべく、足どりを進めていた。その頃、牢獄に囚われたゲルヒルデは兵士が連れて来る白き王の配下の魔物の奉仕をさせられていた。白き王の配下の魔物であるリザードマンにファーストキスを奪われそうになった瞬間、ボウガンを構えた一人の男が現れ、リザードマンの心臓を打ち抜いた。ゲルヒルデが男のほうを振り向いた瞬間、ディンゴの姿がそこにあった。ディンゴはゲルヒルデを抱え、リリシアたちの所へと戻るべく牢獄を後にするのであった……。
大庭園へと続く廊下でディンゴの帰りを待つリリシアは、退屈そうな表情を浮かべながら一人そう呟いていた。
「ディンゴのやつ……どこで道草してるのかしら…。もうそろそろ戻ってきてもいい頃なのに…。もしかして牢獄の中で魔物と戦っている…なんてことはないよね。ハク、ディンゴの様子を見に行ってくるからここで待ってて。すぐに戻ってくるから!!」
ディンゴの身を心配するリリシアはハクにそう告げた後、牢獄のほうへと歩こうとした瞬間、ゲルヒルデを抱えたディンゴの姿がリリシアの目に映る。
「ゲルヒルデの救出は完了した。今は安心して眠っている。さぁ、ガルフィス様と合流するため、大庭園へと向かおう。」
「ちょっと…これだけ戻ってくるのが遅かったら私てっきりあなたが魔物に襲われていると思ったじゃないっ!!まぁいいわ。ゲルヒルデが目を覚ますまで、少し休みましょう。」
ディンゴは安心して眠っているゲルヒルデを床に寝かせた後、リリシアたちはひと時の休息をとることにした。その頃大庭園では、ガルフィス率いる隊は大庭園で白き王の配下である魔物と戦っていた。
「戦力は互角だ……最後まで気を抜くな。」
金騎士が王宮兵士たちにそう命じると、兵士たちは一斉に武器を構えて魔物たちの方へと向かっていく。ガルフィスたちも武器を構え、戦う態勢に入る。
「イレーナ、ルシーネよ…私たちも戦おう。魔物と戦う金騎士と王宮兵士たちを援護するんだっ!!私は大型の魔物を攻撃するから、二人は中型の魔物を倒してくれっ!!」
ガルフィスの命を受けたイレーナとルシーネは、それぞれ武器を構えて戦場へと向かって行く。ガルフィスは短刀を構え、大型の魔物を迎え撃つ。
「大型の魔物はオーガバトラーが三体、ウイングドラゴンが一体か……。まぁこんな相手なら私の短刀で一太刀で切り捨てられそうだな……。」
ガルフィスは鞘に入った短刀を握り締め、一気にオーガバトラーのほうへと走り、抜刀する。短刀が鞘から抜かれた瞬間、オーガバトラーの巨体が真っ二つとなり、地面に崩れ落ちる。
「な…何が起こったというのだっ!?」
「脇差【龍乃理(りゅうのことわり)】だけが使える抜刀術【龍尾返し】だ。斬れ味の高いこの短刀なら、抜刀時に真空の刃が発生する。真空の刃は骨ごと斬るほどの威力だから、この短剣は私にしか扱えないのだよ…。無駄話は終わりだ、貴様はここで斬らせてもらうっ!!」
ガルフィスの短刀から放たれる目にも留まらぬ斬撃が、オーガバトラーの体を切り刻んでいく。ガルフィスの短刀が納刀された瞬間、二体のオーガバトラーは切り刻まれ、肉塊と化した。
「さて、残すは飛竜のみだな…。上空にいる相手には抜刀術は使えん……。ここは術で攻めるとしよう…。」
ガルフィスは魔力を込め、術の詠唱を始める。
「魔天より降り注ぎし一筋の光よ……隕石となりて悪を打ち抜かんっ!!メテオ・フォールッ!!!」
詠唱を終えた瞬間、魔天より一筋の隕石が降り注ぎ、ウイングドラゴンの体に直撃する。隕石が落ちてきた際で発生した地響きにより、魔物たちはよろめきだす。魔物たちが動けない間に、イレーナとルシーネが猛攻を仕掛ける。
「今がチャンスよ…一気に魔物たちを畳み掛けるわよ、ルシーネ!!」
「わかったわイレーナっ!!一気に行くわよっ!」
イレーナは弓を引き絞り、力を込めて強く弦を引き矢を射る。魔物の群れのほうへと飛んでいく一筋の矢は空中で拡散し、次々と魔物たちを射抜いていく。
「イレーナのおかげで、だいぶ数が減ったわ。後は私の魔力で何とかできそうよっ!!」
ルシーネは術を唱えるべく、杖に魔力を込めて詠唱を始める。
「あらゆる物を焼き焦がす獄炎の波よ……悪しき者たちを灰燼に帰さんっ!!レッド・タイダルウェイブっ!!」
詠唱を終えた瞬間、炎の津波が巻き起こり魔物たちを次々と飲み込み、焼き尽くす。大庭園にいる魔物たちを殲滅したガルフィスたちの前に、一人の女の剣士が現れる。
「あの魔物の群れを倒すとは…なかなかの力の持ち主ね。私はヒルデガードと申します。白き王様の命により、侵入者を排除しますっ!!」
ヒルデガードは剣を構え、ガルフィスたちのほうへと向けて走り出す。ガルフィスの危機を察知した金騎士は、銀剣を構えてガルフィスの前に立つ。
「ガルフィス様は私が守るっ!!」
銀剣シルヴァルティアを構えた銀騎士は、ヒルデガードの攻撃を防御する。二人が鍔迫り合いを繰り広げる中、彼女の背後に回ったイレーナが弓を引き絞り、ヒルデガードを狙う。
「悪いけど……後ろから攻撃させていただきますわっ!!」
「甘いわね…背後をとったのはほめてあげるわ…。しかし、ここで終わりにして差し上げますわっ!!大地の剣技・大地爆砕波っ!!」
ヒルデガードが剣を突き刺振り上げた瞬間、衝撃波が地面を砕きながらイレーナのほうへと進んで行く。イレーナは武器を収めて逃げようとした瞬間、衝撃波がイレーナに襲い掛かった。
「きゃああぁっ!!」
衝撃波の一撃を受けたイレーナは、大きく吹き飛ばされその場に倒れる。イレーナが倒されたのを知ったルシーネは、怒りの表情でヒルデガードを睨みつける。
「よくもイレーナを……許さないっ!!」
イレーナを倒されたことに怒りを感じたルシーネは、杖に魔力を込め始める。怒りの魔力が満たされ、杖全体が赤く染まっていた。
「わたしの怒りの魔力…受けてみなさいっ!!ヴォルカニック・フォール!!」
詠唱の後、ルシーネの怒りが込められたマグマの塊がヒルデガードの頭上に現れる。ルシーネが腕を振り下ろした瞬間、巨大なマグマの火球がヒルデガードめがけて落下する。
「やったっ!!これで終わ……そんなバカなっ!!」
ルシーネが勝利を確信したのも束の間、ヒルデガードはルシーネの術を剣一つで相殺していた。
「今のは熱かったわ……。しかし、私の水の剣技の前には無力に等しいわ。終わるのは…あなたのほうよっ!!」
溶岩の火球が激突する直前、水の剣技で溶岩を冷え固め、相殺していたのだ。冷え固まった溶岩の塊がくっついた剣先をルシーネのほうに向けると、水の力で冷え固まった溶岩の塊を発射する。
「あはははははっ!!これでも喰らって地獄に堕ちなさいっ!!」
「危ないっ!!」
冷え固まった溶岩の塊がルシーネに直撃しようとしたその時、ガルフィスが冷え固まった溶岩の一撃を庇い、その場に倒れる。
「うぐっ……ルシーネよ、リリシアたちに大庭園に来るようにそう言ってくれ…うっ!!」
「わ…分かりましたっ!今すぐリリシア様たちに救援を要請します。」
その言葉の後、ルシーネはリリシアに大庭園に来るようにと伝えるべく、大庭園を後にする。金騎士はガルフィスのもとに駈け寄り、治癒の術を唱える。
「ガルフィス様っ!!今私が回復してあげましょうっ!!ヒール・ライトっ!!」
金騎士がガルフィスの傷口に手を当てた瞬間、陽だまりのような暖かさのこもった光がガルフィスを包み込み、傷口が見る見るうちに塞がっていく。
「金騎士殿よ…あと少ししたらリリシアが大庭園に来ます。ここは私たちで何とか持たせようぞっ!!」
ガルフィスはリリシアたちが来る時間を稼ぐため、金騎士とともにヒルデガードに立ち向かうのであった……。
廊下で暫しの休息を取っていたリリシアたちに、慌てた表情のルシーネが現れ、リリシアたちにそう伝える。
「はぁはぁ……リリシア様、至急大庭園に向かってくださいっ!!魔物の群れは退けたのはいいのですが…ヒルデガードとかいう奴にイレーナとガルフィス様が……!!」
その声に反応するかのように、今まで眠っていたゲルヒルデが目を覚まし、リリシアにそう言う。
「それは本当の話ですかっ!!それならば大庭園に急行しなければ、イレーナ様の命が危ないわっ!リリシア様、一刻も早く大庭園に向かいましょうっ!!」
ルシーネの言葉を聞いたリリシアたちは、急いで王宮の大庭園へと走っていく。一行が大庭園に到着した時、ガルフィスと金騎士が傷つき倒れていた。
「リリシア…後は頼んだ……こやつは今まで戦ってきた奴とは違う…!」
「金騎士と呼ばれた私がここまで追い詰められるとは……無念だっ!!」
傷ついた二人のほかに、イレーナも傷つき倒れていた。
「ひどい……。あれほど強い二人がこんなことになるなんて…。早く回復してあげなくちゃっ!!」
傷ついた三人の傷の治療をするべく、ゲルヒルデが急ぎ足でガルフィスたちのほうへと走っていく。しかしその気配を察知したヒルデガードは、ゲルヒルデに剣を向ける。
「あのダークエルフの小娘め……援軍を呼びよったか。貴様、傷ついた者の回復をするつもりか…しかしそうはさせんっ!!」
ヒルデガードは剣を地面に突き刺した瞬間、何本もの氷の槍がゲルヒルデを襲う。しかしゲルヒルデは身軽さを生かし、氷の槍の一撃を避ける。
「小娘め…こしゃくなマネをっ!!ブリザード・バインドッ!!」
ガルフィスの下へと近付こうとするゲルヒルデに、ヒルデガードの氷の術が命中する。氷の術を受けたゲルヒルデは体に氷がこびりつき、身動きが取れなくなった。
「きゃあっ!!」
「ふははははっ!!まずは小娘から止めを刺してあげるわっ!!」
ヒルデガードは剣をゲルヒルデの胸に突き付け、今にも彼女の心臓を貫こうとしていた。ゲルヒルデの危機に、ディンゴはボウガンに弾丸を装填し、ヒルデガードめがけて発射する。
「何奴っ!!」
「悪いが、ゲルヒルデに手を出す者はこの俺が許さないぜ…。」
ディンゴがそう言った瞬間、リリシアたちが前に出る。
「ゲルヒルデの事は私が引き受けるから、ディンゴたちはヒルデガードを倒すことに専念してっ!」
ディンゴたちにヒルデガードを倒すように命じた後、リリシアは動けないゲルヒルデに近付き、体にこびりついた氷を溶かすべく、手のひらに赤き炎の力を集め始める。
「待ってて。今から氷を溶かしてあげるわ……。」
ゲルヒルデの体にこびりついた氷に手のひらが触れた瞬間、彼女の体の自由を奪う氷が溶け、身動きが取れるようになった。
「リリシア様、ありがとうございます。私が傷ついた仲間を回復させますので、護衛をお願いします。」
「分かったわ。また奴が邪魔をしてくるかもしれないからね…。」
ゲルヒルデが傷ついた仲間たちを回復させている間、リリシアはヒルデガードの手からゲルヒルデを守るため、護衛を任せられた。
「まずはガルフィス様と金騎士様の傷を回復させましょう。それが終わったらイレーナのほうへと向かいます。リリシア様、では護衛のほう宜しくお願いします。」
ディンゴたちがヒルデガードと戦っている間、ゲルヒルデはガルフィスと金騎士の傷を癒すべく、治癒の術を唱え始める。
「わが身に眠る癒しの力よ…傷つきし者に再び戦うちか……!?」
ヒルデガードがゲルヒルデの行動に気付いたのか、ゲルヒルデのほうへと近付いてくる。そのせいでシンクロが乱れ、術を唱えることが出来なかった。
「仲間を戦いの場に呼び戻すつもりだな……そうはさせんっ!!」
「詠唱の邪魔はさせないわっ!!私が相手になってやるわっ!」
ゲルヒルデが安心して詠唱に専念できるよう、リリシアは赤き炎の力を解放し、ヒルデガードを攻撃する。
「赤き炎の力よ…悪しき者に業火の制裁を与えよっ!!フレイム・ピラー!!」
リリシアが地面に手を添えた瞬間、炎の柱がヒルデガードを取り囲み、身動きを封じる。ヒルデガードが動けない隙に、ゲルヒルデはガルフィスに手を当て、治癒の術の詠唱を再開する。
「わが身に眠る癒しの力よ…傷つきし者に再び戦う力を与えんっ!!ハイ・ヒーリングっ!!」
優しげな光を放つゲルヒルデの手のひらがガルフィスの体に触れた瞬間、ガルフィスの傷が見る見るうちに塞がり、再び戦いの舞台に立てるようになった。
「ゲルヒルデよ、あなたのおかげで再び戦いの場に戻ることが出来そうだっ!!ゲルヒルデよ、金騎士殿の傷も回復してやってくれないか…。」
「分かりました。では金騎士様の傷を癒して差し上げましょう!!」
傷ついた金騎士を回復させるべく、ゲルヒルデは金騎士の鎧に手を当て、治癒術の詠唱を始める。
「わが身に眠る癒しの力よ…傷つきし者に再び戦う力を与えんっ!!ハイ・ヒーリングっ!!」
金騎士の傷を癒した直後、ヒルデガードを取り囲んでいた炎の柱が消え去り、武器を構えて再びゲルヒルデのほうへと向かっていく。その危機を察知したガルフィスは急いで短刀を抜刀し、鍔迫り合いに持ち込む。
「ゲルヒルデ!!ここは私がなんとかするから、リリシアと共に急いでイレーナの下へと向かうのだっ!!」
ガルフィスとヒルデガードが鍔迫り合いを繰り広げる中、リリシアとゲルヒルデは傷ついたイレーナのほうへと走っていく。その様子を見ていたヒルデガードは、急いでゲルヒルデの後を追おうとする。
「あの小娘め……また治癒に向かうつもりかっ!だがそうはさせ……きゃあっ!!」
ゲルヒルデを追おうとするヒルデガードに、背後からボウガンの弾丸の一撃を炸裂する。
「よしっ、奇襲成功っ!!」
ディンゴのボウガンの一撃の後、仲間たちが次々とヒルデガードを攻撃する。
「白龍剣の一撃、喰らうがいいっ…白雷斬っ!」
「イレーナの仇、取らせていただきますわよっ!!アイシクル・ブレイド!!」
ハクの白き雷の剣技の後、氷の刃がヒルデガードを貫いた。ハクとルシーネの連携攻撃を受けたヒルデガードは、傷つきその場に倒れる。
「き…貴様らっ!!不意打ちとは卑怯なりっ!!」
その言葉の後、ボウガンを構えたディンゴがヒルデガードの前に現れる。
「さて…邪魔者はここで消すしかあるまいな…。」
ボウガンの弾丸の中でも凶悪な力を誇るが、至近距離でしか効果を発揮できないマーダーバレットを装填し、ヒルデガードの胸部に発射口を突き付け、引き金に手を掛ける。
「罪深き者よ…今こそ審判の時だっ!!ハートブレイク・ショットッ!!」
ズドンッ――という鈍い音とともに、ボウガンの発射口からマーダーバレットが放たれ、ヒルデガードの心臓を貫いた。
「ふぅ…なんとか戦いに勝利したぜ。それより、傷ついたイレーナの様子を見なければならないな…。」
死闘の末ヒルデガードを退けたディンゴは、傷ついたイレーナのほうへと走り出す。ディンゴが駆けつけたときには、イレーナは元気な姿で立っていた。
「戦いに勝利したぜ。さぁ、先に進もう。」
一行が先に進もうとした瞬間、リリシアたちの前にブリュンヒルデが現れる。
「やっと見つけたわよ……ブリュンヒルデっ!!ここで終わりにしてあげるわっ!」
「今は戦うつもりは無いわ。白き王の配下の四人を倒すとは、なかなかやるものね。そうね、ここまでがんばったお礼に、こいつを返してあげるわっ!!」
ブリュンヒルデはリリシアの髪飾りを床に放り投げた後、不敵な笑みを浮かべながらリリシアたちにそう言う。
「フフフ…。あなたたちが束で掛かっても、白き王は倒せないわよ…。なんせあのお方は、すべての竜族の祖と言われるものですからね…。せいぜい絶望に苦しむがいいっ!!キャハハハハハッ!!」
その言葉の後、ブリュンヒルデは大庭園から姿を消した……。
ブリュンヒルデが消えた後、リリシアは床に落ちた髪飾りを手に取り、髪を結わえる。髪飾りの魔力が、結わえた髪を伝いリリシアの体に流れ込んでくる。
「みんな…相手がすべての竜族の祖でも、戦わなくちゃいけないわ。みんな、ここから先は気を引き締めていきましょうっ!!」
リリシアの言葉の後、ガルフィスの持つ予言書が光り輝き、勝手にページがめくれる。
「予言書がまた開いた。またリリシアに関することか!?」
ガルフィスがそのページを見た瞬間、そこには驚きの内容が書かれていた。
<<魔界予言書>>【竜族の祖の項】
混沌とした魔界に、次元の狭間から一つの卵が零れ落ち、その零れ落ちた卵から一匹の白き竜が生まれた。
その白き竜、やがて成長し、竜を二つの種族に分けた。
一つは【白竜族】もう一つは【黒竜族】に……。
その者、すべての竜族の祖先として、【祖龍】の二つ名を得る。
その姿形、凶暴性から人々からは畏怖の念を込め、祖なるものを【白き王】と呼んだ……。
予言書のページを見たガルフィスはリリシアたちを集め、これからの事を話し始める。
「この予言書に書かれている通り、白き王はすべての竜族の祖であることは確かだ…。まずは王宮内部に突入し、王座の間を目指すことだ。皆の者、決して気を抜くんじゃないぞっ!!」
玉座の間を目指すべく、リリシアたちは王宮の内部へと向かうのであった……。