第五話 集いし仲間
秘術によってふたなりにされたダークエルフの娘に犯された上、白き王の子種を再び子宮に注ぎ込まれてしまったリリシアは、高貴なる魂が堕落し、白き王妃へと堕ちてしまった。白き王妃となったリリシアはダークエルフの娘たちでは物足りないのか、もっと快楽を得られるというヒルデの誘いを受け入れ、リリシアは白き王の配下である魔物がいる地下室へと案内された。地下室でリリシアは魔物たちの慰み者と化し、蜜壷と尻穴を犯されたうえ、大量の白濁液を顔に浴びせかけられてしまう。そんな中、リリシア救出のために魔獄界へと向かったガルフィスとディンゴは、その道中で白き王の城跡に囚われの身となっていたダークエルフの娘たちと出会い、リリシアが囚われている白き王の城跡の地下へと向かうのであった……。
一行が地下室の奥へと来た瞬間、鼻を突く精臭が充満する部屋で魔物たちの白濁液にまみれたリリシアが倒れていた。高貴なる魂が堕落し、自ら快楽を求めるまでに狂わされてしまった魔姫は、助けに来たディンゴにまで淫らな行為を求めるほどであった。ディンゴがリリシアを抱えて地下室を後にしようとした瞬間、武器を持った魔物たちが一行を取り囲んだ。ディンゴはぐったりしたリリシアをダークエルフの娘たちに託し、魔物たちを迎え討つ態勢に入る。
「お前らだけは許さんっ!!リリシアを慰み者にしやがってぇっ!」
怒りの表情のディンゴは、魔物の群れを一掃できる威力を持つ拡散弾をボウガンに装填し、魔物たちに向かって引き金を引く。
「喰らえ、フレイム・スプレッドッ!!」
ディンゴのボウガンから放たれた拡散弾は、弾丸から炎を撒き散らしながら魔物たちの目の前で弾丸が破裂し、爆薬を含んだ丸薬が飛散し、魔物たちにダメージを与える。
「あ…熱いだべっ!!このままでは焼け死んでしまうだっ!!」
ディンゴの拡散弾の一撃により、群れを成す魔物たちは次々と倒れていき、僅かだが逃げ道が現れた。ディンゴはリリシアを抱えるダークエルフの娘たちを安全なところへと逃げるようにそう言う。
「ダークエルフの娘たちよ、今のうちにリリシアを抱えて安全な場所へと逃げるんだっ!!」
ダークエルフの娘たちはリリシアを抱えながら、安全な場所へと移動を始める。ダークエルフが安全な場所へと移動した後、魔物たちが再びディンゴたちを取り囲む。
「あのダークエルフの娘たちはどこだ……。あの娘を返せっ!!」
「オラの性欲処理道具を返すだべっ!!返さなければ痛い目にあわせてやるだっ!」
魔物たちのその言葉に、ガルフィスがこう言葉を返す。
「まだ分からぬようだな……。痛い目にあうのは貴様たちのほうだ。私の魔力、とくとご覧入れようっ!!」
ガルフィスは両手に前に突き出した瞬間、膨大な魔力が手のひらに集まってくる。
「魔皇帝の力、その身で受けてみるがいいっ!!ボルテージ・ランスッ!!」
ガルフィスが詠唱を終えた瞬間、両手に集まった膨大な魔力が巨大な雷の槍となり、魔物たちを次々となぎ払い、焼き尽くしていく。
「す…すごいっ!!これがガルフィス様の力なのかっ!?さすがは魔皇帝と呼ばれるだけはある……。」
その威力に、ディンゴが腰を抜かすほどであった。巨大な雷の槍が通り過ぎた後には、大勢いた魔物たちは雷によって焼き尽くされ、跡形も無く消え去っていた。
「厄介者はこれで片付いたな…。ディンゴよ、ダークエルフの娘たちの所へと戻ろう。うまく逃げ切れればよいのだが……。」
大勢の魔物を退けた後、ガルフィスとディンゴはダークエルフの娘たちのところへと向かっていった。そのころ、魔界のルーズ・ケープの王宮では、大変な事態に陥っていた。
「魔界の者どもよ、これよりこの魔界を統べるものはリリシアに代わり、この私が魔界の王だっ!!この私に逆らうものは亡き者にするっ!!」
魔界の王を襲名した白き王は、ルーズ・ケープを占拠し魔界征服をたくらんでいた。
「白き王様、素敵ですわ。これから新たな魔界の王としての威厳満々ね……♪リリシアとかいう邪魔者は完全に快楽に溺れ、今では魔物たちの慰み者と化しているわ。ウフフ……♪」
白き王の横で寄り添う白薔薇の魔女・ブリュンヒルデは不気味な笑みを浮かべながら白き王の耳元でそう呟く。
「そうか…。リリシアは地下室にいるのか…。魔物たちの慰み者にするのはいいが、ちゃんとここに連れ戻して来るのだぞ。私はリリシアとともにやらなければならんことが山ほどあるのでな……。」
白き王の言葉を聞いたヒルデは。白き王に耳元で囁く。
「それなら今リリシアを王宮に連れて来るわ…♪白き王様と白き王妃がそろえば、魔界を完全に制圧……もしかしたら人間界も制圧できちゃうかもっ!!そうすれば世界は私と白き王様の物になるわっ♪」
うきうきした表情のヒルデは、リリシアを連れて来るべく転送術を使い、魔獄界の城跡へと向かっていった……。
魔物を退け、ディンゴとガルフィスがダークエルフの娘たちのもとへと戻ってきた。
「君たち、無事だったか!?それより、リリシアの様子はどうだ?」
ディンゴの問いかけに、ダークエルフの娘のひとりが口を開く。
「大丈夫です。今は眠っています。しかし魂の堕落がひどく、快楽と精子無しでは生きられないほど堕落しているみたい…。今すぐリリシアの堕落した魂を浄化してあげないと、さらに快楽を求めるようになってしまいますわ!!」
その言葉の後、もうひとりのダークエルフの娘の尖った耳がピクリ――と動いた。生物の気配を敏感に感じ取ることの出来るエルフ族特有の尖った耳の能力が、何者かの気配を感じ取ったようだ。
「ガルフィス様、誰か来ますわっ!!急いでこの城跡から離れましょうっ!」
ダークエルフの言葉を聞いたガルフィスたちは、すぐさま白き王の城跡を後にする。ガルフィスたちが城跡を去った後、ヒルデがリリシアをルーズ・ケープの王宮に連れて来るべく、城跡の地下室へと足を踏み入れた瞬間、鼻を突く精臭が立ち込めていた。
「うっ……!これ以上進むと私の鼻が曲がってしまいそうだわ。ここは鼻をつまんで進むしかないわね…。」
鼻が曲がりそうなほどの精臭に、ヒルデは鼻をつまみながら地下室の奥へと進んで行く。地下室の奥へと来たが、リリシアの姿は何処にもなかった。あるのは白濁液の残滓だけであった。
「あれ…?リリシアの姿が何処にもいないわ。さっきまで魔物たちが犯していたのに……。もしかして新たな快感をもとめるべく城跡の外に出たのかもしれないわっ!!」
ひどく慌てた表情のヒルデは、急いで城跡を後にし、城跡の外に出たリリシアを探すべく行動を開始した。一方城跡を後にした一行は、清らかな泉で休息を取っていた。
「とりあえずここまで来れば追っ手もこないはずだ。休息をとるまえにリリシアの堕落した魂を浄化しよう。」
ガルフィスはリリシアの腹部に手を掛け、精神を集中させ魔力を解放する。すると魔方陣が地面に描かれ、リリシアの堕落してしまった魂を浄化する。
「壊れた心よ……今ここに光を取り戻さんっ!!浄化の秘術・ソウル・リフレッシュッ!!」
詠唱を終えた瞬間、魔方陣から光が溢れ、リリシアの身体を包み込む。光に包まれた瞬間、白い髪が元の紫色に戻り、リリシアの子宮から受精卵が消え去り、白き王の肉竿によって破られた処女膜も元通りになった。
「あれ……私は一体何をしていたのかしら……!!」
堕落した魂に再び光が宿り、リリシアは目を覚ました。しかし身体につく精臭が気になるのか、リリシアは急いで泉の中に入り、魔物たちの精液で穢れた身体を清める。
「ふぅ……髪の毛もべとべとだし、体からはすごい雄の臭いがするし、もう最悪だわ。」
泉で身を清めているリリシアのもとに、ダークエルフの娘が現れる。
「ディンゴ様から聞いたのですが、リリシア様が新しい魔界の王なのですか……。」
その言葉に、リリシアは頷きながら答える。
「そうよ…私が新たな魔界の王よ。」
リリシアが魔界の王だと知ったダークエルフの娘たちは、目に涙を浮かべながらリリシアのほうを向き、答える。
「わたしたち…あなたが魔界の王だと知らず、ひどいことを……ぐすっ…!!」
涙を流すダークエルフの娘を、リリシアがそっと介抱する。
「いいわ。私はあなたたちを助けるためにしたことだから、あなたは悪くないわ。悪いのは秘術を使ってあなたたちをふたなりにしたブリュンヒルデが悪いのだから……。さぁ、休憩が終わったら私たちと一緒に王宮に帰りましょう。」
リリシアの言葉を聞いたダークエルフの娘は、真剣な眼差しでそう言う。
「魔界の王を守るのが、私たち召使いの役目です。リリシア様、ルーズ・ケープの王宮へと向かい、白き王を倒しましょうっ!!」
その言葉を聞いたリリシアは、嬉しさのあまり二人のダークエルフの娘を抱きしめる。
「うふふっ♪言ってくれるじゃないのあなたたちっ!!あなたたちがいれば、きっと白き王とヒルデの奴をぎゃふんと言わせてやれるわよっ!!さぁ、これからルーズ・ケープへと戻り、白き王を倒しに行くわよっ!!」
泉の水で穢れた体を清めている三人の前に、草むらから袋を抱えたディンゴが現れる。
「ちょっとディンゴっ…!!私の裸を見ようと思っているでしょ……。」
「そ…そんなわけではないっ!俺はただお前の服を持ってきただけだ。と…とりあえずここに置いとくから、ちゃんと体拭いてから着ろよなっ!!」
リリシアの服が入った袋を地面に置くと、ディンゴは恥ずかしながらその場を去る。水浴びを終えたリリシアは体を拭き、袋の中に入っている真紅のローブと手袋を取り出す。
「さて、これからルーズ・ケープを取り戻すための戦いが始まるわよ……。それより、ダークエルフの娘たちの名前、まだ聞いてなかったわね…。ぜひとも私に教えてくれないかな…?」
リリシアがダークエルフの娘たちにそう尋ねると、二人はリリシアに自己紹介を始める。
「私の名前はイレーナと申します。リリシア様、これからもよろしくお願いします。」
「私はルシーネと言います。共に戦いましょう!!」
二人のダークエルフの娘が自己紹介を終えた後、リリシアは真紅のローブに身を包むと、早速旅の準備を始める。しかしイレーナとルシーネの着る服がないことに気付いたリリシアは、ディンゴを呼び出す。
「ディンゴ、あの二人を裸の姿のままで旅をさせるつもりっ!?とりあえず王宮に戻るまであなたの服をもらうわよっ!!」
その言葉に、ディンゴは急いで逃げる態勢に入る。
「そ…それだけは勘弁してくれっ!あの二人の代わりに俺が裸で旅をしろって言うのか!?」
「あなたの服、おとなしく私に渡しなさい!!」
水浴びを続けるイレーナとルシーネは、ディンゴの服を奪おうとするリリシアから逃げる姿を見た瞬間、その顔に笑顔がこぼれる。
「うふふっ♪あの二人、仲がいいですわね……。」
その言葉の後、イレーナとルシーネの服を手にしたガルフィスが草むらから現れた。
「君たちの服なら、リリシアを助けに行く途中牢の中にあったから拾っておいた。さぁ、これを着たまえ…。」
ガルフィスがイレーナとルシーネに服を手渡すと、嬉しそうな表情とともに服を着始める。
「ありがとうございます……ガルフィス様。」
二人が服を着終えた瞬間、服を脱がそうとするリリシアから逃げるディンゴがイレーナとルシーネの元へとやってきた。
「はぁはぁ…リリシアが俺の服を奪おうと……君たち、その服はどうしたんだ?」
その言葉の後、ダークエルフの二人は笑顔の表情で答える。
「その服の事ですか。その服はリリシア様が囚われていた牢の中にあった私たちの服です。ガルフィス様がリリシアを助けに行く途中、拾ってくださいました。」
イレーナとルシーネの言葉の後、リリシアがディンゴを捕まえるべく、背後から襲い掛かってきた。
「やっと捕まえたわよっ!さぁ、あなたの服を奪わせてもらいま……!?」
その瞬間、ディンゴの服を脱がそうとするリリシアの手が止まった。ガルフィスがリリシアの前に立ち、その旨を話し始める。
「リリシアはまだ知らないかもしれないが、あの二人の服は君が囚われていた白き王の城跡の牢に落ちていたから、私が拾ったのだ。さぁ準備が出来たら王宮に戻ろう…。」
ガルフィスがリリシアたちにそう言った瞬間、鞄の中に入っている予言書が光り輝きだす。
「私の鞄の中から光がっ!?もしかして予言書の新しいページかっ!!」
ガルフィスが鞄の中から魔界予言書を手に取った瞬間、予言書のページが勝手に捲れ、新たな予言が書かれたページがガルフィスの目に映る。
<<魔界予言書>>【白き王妃の項】
新たなる魔界の王、魂堕ち白き王妃となりしとき、魔物たちの慰み者と化し、快楽に溺れる。その時二人の優れたる勇なる者現れ、白き王妃の堕ちたる魂に光をあたえん。
「ふぅ…。一つ目の予言は回避されたが、まだ安心はできない。皆の者、ルーズ・ケープへと戻ろう。」
リリシアたちが魔界へ戻ろうとしたその時、ガルフィスの持つ魔導通信機から何者かの連絡が入る。
「ガ……ガルフィス様っ!!大変です。白き王によって王宮が占拠されてしまいましたっ!それより、行方不明のリリシアは見つかったのかっ!」
「私は今魔獄界にいる。今はディンゴとリリシア、そして二人のダークエルフの娘と一緒だ。今から王宮へと戻る。リリシアは無事だ。それより今の王宮の状況は!?」
ガルフィスが王宮の状況を尋ねると、王宮から逃げ延びた魔界兵が答える。
「王宮の被害状況は最悪だ。王宮には白き王とブリュンヒルデが玉座に居座っている。そして三人の女戦士が白き王を守護していたようだ。ガルフィス様、一刻も早く王宮にお戻りくださいっ!!」
その言葉を聞いたガルフィスは、兵士にそう伝えた後その場を去る。
「わかった!!何日かかるか分からないが、必ず王宮へと戻ってくる!!」
ルーズ・ケープの王宮が大変な事態になっていることを知ったガルフィスは、リリシアたちと共に魔界へと戻るのであった。白き王から王宮を取り戻すべく、リリシアと四人の仲間が立ち上がる!!