蘇生の章 〜魔界の刺客と魂石(ソウルキューブ)〜 プロローグ

 

 レイオスの活躍により、魔導獣ディオ・ヴァルギルスは倒れ、世界に再び平和が戻ってきた。そのころ故郷であるルドリーに戻ってきたクリスは、レイオスの形見である双剣の片方を握り締めながら、自分の家に戻った。
 「レイオスさん・・、見ていてください。この剣にかけて、あなたを生き返らせて見せます!こんなときに泣いてはいられないわ。一ヶ月の猶予で、強くならなきゃ!!
クリスはレイオスが遺した剣を握り締め、素振りを始めた。
 「今度は・・私ががんばらなきゃ!!そのためにも、剣を使いこなせるようにしなきゃ、大事なものも守れない・・。だから、私は負けないっ!
クリスはこの一ヶ月、剣の修行に身を投じるのであった。

 一方魔界の首都であるルーズ・ケープの王宮では、普段は滅多な事がない限り玉座の間に現れない魔界王メディスを交えて、なにやら会議が行われていた。
 「この不祥事はどういうことだ。フェルスティア七大魔王がまたしても勇者によって倒された。倒された魔王は、仮面の魔導士こと強欲のバルバトーレ、暴食の魔王ことベルゼビュート、そして最後に色欲の魔王であるリリシアまでもが倒されてしまった・・。このままでは魔王が減ってこの魔界を統治するものがいなくなってしまう・・。今回は魔王になれるチャンスがぐっと増えた・・。選ばれた四名が、フェルスティア七大魔王を襲名することができるぞ!!今ここに、魔王の試練の開催を宣言する!!
魔王の試練を開催するというメディスの言葉に、魔皇帝ガルフィスが口を開く。
 「しかしながら、メディス様も無茶をするものだな・・。魔王の試練を開催するというのか・・。いいだろう・・すべては魔界王のお望みのままに・・・。」
ガルフィスがそう言うと、彼はそそくさと玉座の間を去っていった・・。
 「残りは三人の魔王・・エルーシュ、デモリック、リヴェリアスだけだ・・・。三人ががんばってくれれば、フェルスティアを征服する可能性がゼロではなくなるというわけだ・・。」
メディスはそう呟くと、再び自分の居城へと戻っていった・・。

 そしてあっという間に一ヶ月が過ぎた・・。
クリスは一ヶ月もの修行で、心身ともに成長していた。大切な人の死を乗り越え、今度は自分が大切な人を助けるという使命を胸に、日々修行に明け暮れていたのだ・・。
 「ではお爺様・・私はレミアポリスへと参ります。どうか許してください、お爺様・・。大切なものを再びこの手にするためにも、私はやるべきことをしなくてはならないのです・・。」
クリスはそう言って神社を出ようとすると、お爺様が呼び止める。
 「クリスよ・・これを持って行くがよい・・。」
お爺様はそう言うと、クリスに古びた盾を手渡した。
 「この盾は・・もしかしてお爺様が身に着けていたものなのでは!?
クリスは手渡された盾を見ると、びっくりした表情でこう言う。
 「たしかに・・この盾は私が大人の頃に使っていた盾だ。昔はもっと綺麗な盾だったのじゃが、わしが年老いていくつれに、この盾はいつしか輝きを失ってしもうた。この世界に盾を直せるものがおれば、この盾の輝きを取り戻すことができるのだがなぁ・・。」
クリスのお爺様がそう言うと、クリスはそう言って神社を後にした。 
 「ありがとうお爺様!!この盾、古いのですが大切に使わせてもらうわ!ではレミアポリスに行って参ります!!
クリスはそう言うと、ルドリーの村を後にするのであった・・・。

 一方とある洞窟の中・・・
傷ついた一人の少女が、洞窟の中で一人苦しんでいた・・。
 「わたしはなぜ生きている・・・私は確かベルに殺されたはずよ・・なのにっ・・なぜ!?
傷ついた少女がそう呟いた後、洞窟の中に赤い髪の少女が現れた・・。
 「きゃっ!あなた・・大丈夫!?今助けてあげるからね!!
赤い髪の少女がそう言うと、傷ついた少女はこう言葉を返した
 「大・・丈夫・・私は・・立てるわ・・。」
傷ついた少女はそう言うと、その場に倒れてしまった。
 「ちょっ・・倒れちゃった・・。まぁいいわ。城に帰って手当てしようっと・・。」
赤い髪の少女は傷ついた少女を担ぎ、洞窟の出口へと向かっていった・・。

 一ヶ月の時は、クリスを心身ともに強く逞しく成長させた。
大いなる使命をその胸に、少女はレミアポリスへと向かう!!

 

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