新章激闘編 〜仮面の魔導士と創造の息吹〜 プロローグ
1000年の時を超え、世代を通じてベルフェルトの戦いに終止符を打ち、この世界に平和をもたらしたレイオスたちは、故郷で平穏に過ごしていた・・・。
レイオスたちとベルフェルトとの戦いから1年の月日が流れた・・・。
一方エルジェでは、フェルスティアの平穏を打ち破る事件が起きた!
一人の傷ついた術者が、最長老にこう言った・・。
「最長老様!何者かが禁断の書を奪って・・・・。ぐふっ!」
最長老は重い口を開いた
「何じゃと!!一体何が起きたのじゃ!?」
最長老の言葉に、術者が駆けつけてきた
「そいつは、仮面で姿を隠している魔導士だった・・。あいつのほかに2人いたけど、そいつらは牢獄にぶち込んだんだが、俺は仮面をつけたあいつが犯人だと思う・・。奴は今エルジェの天空宮殿の中を逃走中です!」
その言葉に最長老はこう答えた
「緊急事態じゃ!!一刻も早く奴を見つけ出し、禁断の書を取り戻すぞ!」
そう言うと最長老は急いで戦いの準備を始めた・・。
「泥棒め、逃がすものか!」
盗賊番が仮面の魔導士を追い詰めた。
「しまった・・・。囲まれたか。こうなったらこれで逃げるしかない!!スモークスクリーン!」
仮面の魔導士は体中から煙を放ち、盗賊番の視界を奪った!
「くそっ!!煙か・・。何が何でも探すんだ!」
盗賊番は煙のせいで混乱していた・・・。
「このままでは煙が払われてしまう!喰らえ、身代わり!」
仮面の魔導士は自分の体力を削り、自分の分身を作った!
みがわり
分類:へんか
PP 10/10
「じぶんのたいりょくを すこしけずって ぶんしんをだす ぶんしんはじぶんの みがわりに なる。」
「見つけたぞ!みんなやっちまえっ!!」
盗賊番は魔導士の身代わりに攻撃を仕掛けた!
ボコボコボコッ!!
「しまったぁっ!身代わりか!?」
盗賊番がしばらく殴り続けた後、分身は消えた・・・。
「ちくしょう!あの魔導士め、逃げ足だけは鋭い奴だ!こうなったら番犬を放ってやる!!」
盗賊番は手に持った犬小屋から番犬を放った!
「早くこれを天界の創造神に渡せば・・。」
仮面の魔導士は薬草をほおばりながら走っていたとき、遠くから猛スピードで追いかけてくる番犬の姿がそこにあった!
「バウバウバウ!!」
猛スピードで魔導士を追いかける番犬に、魔導士は焦った!
「なんて速さだ!このままではかみ殺されてしまう!早く逃げねば!」
その時!!番犬の牙が仮面の魔導士を襲った!
「バウッ!!」
「ぐわあああああっ!!」
番犬の鋭い牙が、魔導士の尻に噛み付いたのだ!仮面の魔導士は番犬を振り払おうとするが、牙が食い込んでいて外れない!!
「この犬め、小癪なマネを!喰らえ、爆炎弾!」
仮面の魔導士は尻に噛み付いていた番犬を炎で焼き、二発目の爆炎弾で天井を狙った!
「作戦通りだ・・。早く出口へ向かわねば・・。」
魔導士がなぜ天井を狙ったのか、それは天井が崩れて番犬の行く手を阻むための仕掛けだったのだ!!
「やった!ついに宮殿の外に出られる!!」
仮面の魔導士が宮殿の外に出た瞬間!夥しいまでのエルジェの術者と盗賊番、そして番犬が待ち構えていた!!
「もう逃げられんぞ!痛い目を見る前にさっさと禁断の書をよこせ!」
「たった今エルジェ周辺に魔法のバリアを張った!これでお前の魔法は封じられた!その禁断の書を返せ!」
「バウバウバウ!!」
ものすごい数の軍勢が、仮面の魔導士を取り囲もうとする!
「どうする俺・・。どうするんだよっ!!」
魔導士が逃げようとした瞬間、最長老が扉から出てきた・・。
「ここにいたか・・。この書物はとても危険なもので、時間をも操れる禁断の呪文が封じられているので危険な本なのじゃ!さっさと返せ!喰らえ、灼熱弾!」
最長老が灼熱の炎の弾を飛ばし、仮面の魔導士を焦がす!
「があっ!!」
魔導士は痛さのあまり、地面に倒れた!
その隙に、盗賊番と番犬と術者が攻め入ってきた!
「やっちまえっ!!」
「バウバウッ!!」
「早く返してもらおうか!!」
盗賊番が一斉に襲い掛かろうとした瞬間、魔導士が煙玉を投げた後、杖を振った!
「こんなときがあろうとも、私には杖を持参しているんだよ・・。今振ったのは「身代わりの杖」だ。こいつは魔法弾の当たった相手を私の姿に変えるものだ。勿論私の性格も全てだ・・。」
魔導士はその隙にエルジェの居住区である村に逃げ込んだ!
しかし居住区にも盗賊番と番犬がいた・・。
「ふっふっふ・・。逃げても無駄だぜ・・。早く返さないと血を見るぜぇ!!」
「バウバウバウッ!!」
盗賊番と番犬が、一斉に襲い掛かってきた!
「こっちだ!!まずは煙玉でかく乱して・・、とりゃっ!」
魔導士が煙玉を投げた後、身代わりの杖を振った!すると番犬の姿が自分そっくりの姿になった!
「この手、この体!?ぼくは・・、人間に!!」
「何を言っているんだこの泥棒め!!渾身の一撃で止めだ!!」
盗賊番の光る十手が、偽者の仮面の魔導士を殴りつけた!
「キャインッ!!」
盗賊番が攻撃を繰り出した後、偽者は元の番犬の姿に戻った・・。
「しまったぁっ!!」
盗賊番はレベルが上がって
岡っ引きになった!!
「ちくしょう!はやくあいつを見つけねば!」
岡っ引きは逃げていった仮面の魔導士を捕まえるため、走り出した!
先を進んでいると、崖のある行き止まりに来てしまった!
「しまった!ここから先は崖だ!しかしその前には術者と盗賊番と番犬が・・。」
魔導士は困惑した表情で言ったとき、盗賊番と番犬が襲い掛かってきた!
「ここまでだ!逃げても無駄だ!!」
「グルルルル・・・。」
番犬と盗賊番は、動けない魔導士をじわりじわりと追い詰める・・。
「ちくしょう!ここから落ちたらお陀仏だぞ・・。」
仮面の魔導士はさらに焦っていた・・。
「番犬よ、あいつを落とすんじゃないぞ・・。」
「バウバウバウッ!!」
しかし番犬は盗賊番の言うことを聞かない。それは、さっきの身代わり騒動で身代わりを倒した番犬が、レベルアップして猛犬となっていたのだ!(盗賊番はレベル1、猛犬はレベル2なので)
「おい!!待ってくれ!おれの言うことを聞け!!」
猛犬が仮面の魔導士に飛び掛った瞬間、猛犬と魔導士は崖から転落した!!
「うわああああああっ!」
仮面の魔導士と猛犬は、真っ逆さまにエルジェからフェルスティアへと落下していった!!
エルジェから禁断の書を盗み出した仮面の魔導士が、次なる戦いへと誘うのか・・。
その仮面に隠されたその陰謀とは・・・!!
フェルスティアに再び暗雲が立ち込める・・。