プロローグ 悪夢の部屋
世に【セックスしないと出られない部屋】ありき…
読んで字の如く、部屋に入れられた男女が性的交渉をしないと出られない部屋である。
つまりは女性が男性を絶頂へと導き、射精させれば部屋の鍵が現れる仕組みだ。
しかしその部屋ではいくつかのルールが存在する……
1.破壊行為によっての脱出は禁止
2.自慰行為での射精はノーカウント
3.必ず男女二人で脱出すること
4.汚物や媚薬を使ったプレイは禁止とする
つまり部屋に入れられた男女がセックスをしなければ、永久にこの部屋から脱出することは不可能なのである。
今宵もまた、愛と死のデスゲームが始まる……。
今回は二人の男女をこの悪夢のような部屋に転送することに成功した。相性が最悪の二人がこの部屋に閉じ込められた時、どのような化学反応が得られるのかが楽しみだ。
「最悪だ…まさかあいつの姉ちゃんと一緒なのかよ!!」
「な…なんであんたと一緒なのよ……っ!!」
一人は仲間たちと共に二度も人間界を救った英雄と、もう一人は褐色肌の女騎士。もちろんこの二人は犬猿の仲であり、到底セックスまでこぎつけることなど不可能に近い。
「んなことは知らねぇよ…俺も気づいたらこの部屋に連れてこられたんだよ!!」
「確かにあんたの言う通り、あたしも気づいたらここに……!!」
二人があたりを見回すと、部屋の中央にはお誂え向きの二人用のベッドと、セックスに使う小道具が無造作に置かれていた。出口付近の壁にはこの部屋のルールと思われる注意書きの張り紙が。
「おそらくこの部屋から出るためには俺たちがここでお前とヤるしかなさそうだ…ここは俺を救うためだと思って、一発ヤらせてくれ!!」
生きてこの部屋から出るためにセックスしてくれと必死で頼み込む男の言葉に、褐色肌の女は汚物を見るかのような冷たい表情で睨みつけながら言い放つ。
「何考えてんのよ!!絶対に嫌!!何度頼まれたってあんたとヤるなんて絶対無理!!」
果たして相性最悪の二人は、果たしてこの部屋から生きて脱出することができるのであろうか……
両者睨みあいが続く中、ついに男が動いた。
「どうしてもヤらせてくれないというなら俺の魔力で壁を壊して脱出してや……あれ?」
魔力を集めようとした瞬間、不思議な力が働いて魔力を集められなかった。魔力が使えずうろたえる中、褐色肌の女騎士がその原因の正体に気付く。
「あんたって本当バカね…あれを見なさい。」
部屋の隅には何やら御香のようなものがあり、御香からは絶えず煙が噴き出している。どうやらこの煙が魔力生成を封じている原因だったのだ。
「魔法が使えないのはあの不気味な御香が原因ってわけか。この部屋のルール通り破壊行為によっての脱出はできないわけだな。ここから脱出するには正攻法でないと無理って訳か……」
「あたしもここに居た時から不穏な感じはしてた。私の眼鏡の魔力レンズも反応なしよ。確かに鍵を手に入れるためにはあんたとヤる以外道はないということだけど、私は絶対に嫌よ!!あたしの神聖なる場所をあんたの臭くて汚れたポコチンを挿入れるのだけはねっ!!」
褐色肌の女騎士が嫌悪感をあらわにしながら男にそう言い放つと、細身の剣を構えて周囲を警戒しながら床に座り込む。